<蚊>

「おかしいだろ‥‥胸元開けたファッションは兄貴も俺も変わらないはずなのに、なんで俺ばっかり蚊に刺されるんだよ‥‥。」(ガリガリぼりぼり)
「汗かきのほうが刺されるって説、ホントなのかもな。どうなの兄貴?」
「蚊は二酸化炭素や温度、湿度の高い場所を好む習性があります。そのため、呼吸量の多い人や新陳代謝の高い人、体温の高い人も蚊に刺されやすい傾向のようです。呼吸や汗に含まれる乳酸も蚊を引き寄せるので、汗と蚊は無関係とは言えないでしょうね。
 あとリキエル、それ以上掻き毟ると血が出ますよ。」
「ううううう‥‥‥ムヒくれ‥‥‥。」
「いいこと教えてやろうか。外歩くとき、リキエルの隣歩いてると蚊に刺されねぇぜ。」
「ヴェルサステメェ――ッ!人を蚊よけに使ってんじゃねーぞッ!!」
「うるせーなぁぁテメェも梅雨ん時人を天気予報代わりに使ってくれやがっただろうがよォォォ。」

「‥‥‥‥‥そういや、親父って、蚊、刺されんのかな。」
「‥‥汗はかいてますよね。焦った時等よく。けど、体温がないですから‥‥。
 針が肌に刺さらないということはないでしょうから、刺されることもあるんでしょうが‥‥問題はむしろ、父さんの血を吸った蚊が無事でいられるかどうかという点でしょう。」
「吸血蚊になるのか!!」
「それ、普通では?」



(次男三男の喧嘩を眺めつつ、のんきな長男末っ子)









<蚊・2>

「前に、館中に蚊取り線香焚いてみようとしたことあったっけ。」
「ああ、あったな。したら、煙の臭いが気に入らないって親父が即座に窓開けて換気しまくって。」
「超音波出す装置も、気づいたら叩き壊されてたよな。」
「‥‥‥親父って、やっぱさ。」
「ウンガロ、それ以上はやめてやれ。万一聞かれたらまたしばらく引きずるぞ、親父。」
「気持ちはスゲーわかるけどな‥‥あ、それで今度は無臭のやつ買ってきたんだ、虫よけ。ディエゴの分もあるんだけど、もう帰ってるか?」
「ああ、ディエゴならさっき帰ってきて、今部屋で寝てるはずだぜ。」
「そういえば、ディエゴも結構刺されるんでしたね。起きてるときは動体視力で潰せるけど、寝てるときには無防備になるから。」
「今寝てるならもう刺されちまってるかな‥‥とりあえず、置きに行くか。」


「あ、リキエル戻ってき‥‥?どうしたんだよ、神妙な顔して。虫よけ置きにいったんじゃなかったのか?」
「‥‥‥必要なさそうだった。」
「はぁ?」
「‥‥‥部屋覗いたら、ディエゴが寝ててさ。
 隣にザ・ワールドが立ってて、ディエゴにとまろうとした虫一匹残らず音もなく潰してた。」
「ちょっ。」
「スタンドの有効活用wwww」



(献身的ザ・ワールド)









<蚊・3>

(↑の数十分前)


「む、帰ったか。ディエゴ。」
「‥‥‥眠い‥‥‥。」
「真夏に冬眠とは、奇妙な爬虫類もいたものだなぁ。」
「うるさい‥‥‥昨日あまり眠れなかったんだよ。虫の羽音が気になって。
 いちいち起きて、潰しても潰してもどこからか入ってくる‥‥‥どこか窓開けっぱなしになってたんじゃないか?」
「戸締りはしていたが、一昨日アイスがまた壁に穴をあけたから、そこからだろうな。」
「おい。」
「週末には修繕させる。虫の一匹や二匹で騒ぐな。」
「今は丁度大事な大会を控えてるんだ‥‥レース中、気が散る要素は一つでも排除しておきたいんだよ‥‥。」
「ふん、虫刺され程度で貧弱なことを。」
「この人外が‥‥自分は刺されないからって‥‥‥くそ、限界だ。一眠りしてくる。」(ふらふら‥‥)

バタム。

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ふん。
 ‥‥ザ・ワールド。」
(スゥッ)
「行け。私は隣の部屋にいる。直線距離なら10Mもあるまい。」
『‥‥‥‥‥。』
「よい。私はどうせ虫になど刺されん。夜も、今宵からそばにいてやれ。
 ただし、ディエゴには気づかれるなよ。また貴様を持ち逃げされてはかなわん。」
『‥‥‥。(こくり)』



(献身の正体。ただし睡眠中はスタンド操れないため、結局今夜は徹夜する羽目になるDIO様)









<VS幽霊>

「吸血鬼ものは笑えるから許すけど、頼むからジャパニーズホラーのDVDだけはもう借りてこないでくれ、ウンガロ。」
「もう寝ぼけてボヘミアン暴走させたりしねぇって‥‥。(苦笑)
 つか、オレらん中でも特にホラー駄目だよな、リキエル。なんかトラウマでもあんのか?」
「よく考えてみろよ、ウンガロ。幽霊ってのはな‥‥もう死んでるんだぜ。」
「そりゃそーだ。」
「体温がないんだよ‥‥。」
「‥‥あー‥‥‥‥。」
「万が一目の前に現れて襲われたとき、ロッズが効かない以上、俺に打つ手はない。だから怖い。シンプルだろ?」
「そこまでリアルに考えてたのか‥‥。」

「ま、スタンド使いや吸血鬼がいる世界で、今更幽霊ぐらい実在してても不思議じゃねえよな。
 エンポリオのガキみたいに、物の幽霊を扱うスタンド、なんてものもあるしよォォ。」
「康一君も、幽霊の知り合いがいるそうですからね。
 魂の具現化、という意味では、スタンドと霊は同一ではないけれど近しい存在なのかもしれませんね。そう考えれば、死ぬことで発現するノートリアスB・I・Gも、いわばカルネの怨霊、なんて見方もできるのかな。」
「一応、スタンド攻撃自体は霊にも効くらしいぜ?どっかの漫画家が実践したらしいって、幽霊とか妖怪とか山の神の使い相手に。」
「‥‥どんな漫画家ですか。」
「ヴェルサスや兄貴はいいよな‥‥近距離パワーだから、いざとなったら殴り合いで応戦できるし。父さんなんか負けるイメージすら湧かない。俺とは違う‥‥。」
「リキエルほどじゃねえけどオレも不利だなー‥‥うーん、幽霊でも、もとは人間なんだから、ストーリーに引きずり込めばあるいは‥‥。
 あ、待てよ。幽霊=魂だけってことは、肉体と分離させる必要なしってことか。てことは、物語に引き込んで結末さえ辿らせればなんとか勝てるな、うん。」
「とにかく、もし本当に霊が現れたら、俺は多分うろたえてパニック起こした挙句、まぶた落ちてる間に成す術なく殺されてるから、あとは兄貴たちで何とかしてくれ。頼んだぜ。」
「ンな冷静に諦めんなよ‥‥。」

「リキエル‥‥あなた、それでも覚悟決めた人ですか?」
「‥‥?兄貴‥‥?」
「やれるはずでしょう、あなたなら。死ぬほどまでに追い詰められた時こそ、人は成長できるんです。それをあなたは、知っているはずだ。」
「ハッ!!!」
「出来ます、あなたなら、きっと‥‥!『覚悟』を決めることで、新たな力を手に入れられるはずだッ!」
「そうだ‥‥俺は、あの時、自分の心に勝てたんだ。
 俺の精神は成長できる、してみせるッ!俺は、アポロ11号なんだッ!」
「そうです!奪ってみせなさい!幽霊からだろうと、体温を!」

「‥‥急に熱血すんな。」
「しょーがねぇー、んじゃ今日はもうホラーやめて『ジュラ〇ック・パーク』見ようぜ。」
「‥‥‥ディエゴも誘うか。」



(突如少年漫画的展開になる長男三男と、急展開になんか冷めちゃった次男四男)









<防災>

「‥‥‥ぬぅ‥‥‥右に一人、左に一人、背後に一人配置したとして、残り一人‥‥どうしたものか。全員が動けなくなることなどまずないとは思うが、いざとなれば私がどうにかするしかあるまい。
 それとも、やはりディエゴに任せることに‥‥いや、待て。万一奴も同時に負傷した場合、あいつの処置も考えねばならんのか。奴はそうそう油断などしないとは思いたいが、最悪の場合を想定すると‥‥うむむむむ‥‥‥‥。」

「‥‥物騒な独り言だな。一体なんだ、その計画表と‥‥館の見取り図か?」
「ム、ディエゴか。丁度良い、貴様も少し見ていけ。今後重要なことだ。
 よいか、ここに書き込んだ通路の赤い線、これが我が逃走経路だ。」
「逃走経路‥‥?‥‥まさか、何かあるのか?」
「‥‥ヴァニラ・アイスが無事の場合は、これは必要ない。地下を削り通路を作って、そこから脱出する。だが、万一奴が死んだり身動きがとれぬ場合は、ディエゴ、お前が指揮を執るのだ。
 有事の際、例えば襲撃、館に火を放たれた時、あるいは災害時などの時は、このようにして脱出する。
 その際、どうしても持ち出すべきものは予めまとめておけ。私は特にないが、お前の馬は小屋から出しておいた方がよい。そして、息子達だけは誰一人欠けることなく無傷で脱出させるのだ。よいな?」
「‥‥逃走経路というか、単に災害時の避難経路だなこれ?」
「そうとも言うかもな。(しれっ)」
「オイ。」
「で、だ。ここからが重要なのだが‥‥万一息子達が負傷するなどして動けなくなった場合は、私自ら運ぶつもりだったのだが、これがなかなか難しいのだ。なにしろ男4人(※成人男性3名、中学生1名)を抱えるとなると、重量はともかくどうしても腕が足りん。
 右腕、左腕にそれぞれ抱え、もう一人背負ったところまでは良いが、あと一人をいかにして運べばよいものか‥‥。
 貴様に手伝わせたいところだが、貴様は一番肝心な時に足を負傷して逃げられなかった経歴を持つからな。いまいち不安だ。」
「大きなお世話だ。」
「やはり、息子たちの方から腹や腕にしがみついてもらうか、それとも台車か何かを予め用意しておくべきか。貴様が動けぬ場合はやはり私が運ばねばならんのだろうが、そうなるとますます場所が‥‥‥ああ、そうか。貴様の場合は、シルバー・バレットの背に乗せてしまえばいいのか。」
「‥‥一瞬でも真剣に聞こうとした俺が馬鹿だった。想像以上に下らない話だった。
 さっきジョルノ達が相談していた『もし再びジョースター一行が館に攻め込んできたら、誰がどいつを担当するか』の話のほうが、まだしも現実的で有意義だった気がするな。」
「なぬッ!?いつの間にそんな危険な相談を!?」



(災害認定されるクルセイダーズ)









<防災・2>

(↑より数日後)

「‥‥‥どうだ、ディエゴ。用意しておいてよかっただろう。」
「‥‥そうだな‥‥まさかあの話をした直後、大雨で避難警報が出て、さっそく使うことになるとは思わなかった‥‥俺が悪かったよ。」(ぐったり)
「普段この辺りはほとんど雨など降らんのだが、あの日は随分激しい兄弟喧嘩だったようだな。まあ、幸い避難準備をしている間に決着がついたようで止んだから、大事には至らなかったが。」
「喧嘩?決着?何の話だ?」
「良い。こちらの話だ。」(<カタツムリ><台風>参照)
「‥‥?まあ、いいが。
 にしても、この間は気づかなかったがこの避難経路図、肝心の避難場所が『ジョースター邸』となっているんだが。」
「うむ。あそこならば屋敷の作りもしっかりしているし、食料や設備も整っている。最も安全だろう。」
「いいのか‥‥?お前、以前そいつと敵対していたんじゃなかったのか。」
「あそこはジョジョを筆頭に甘ちゃんばかりだからな。私はともかく、息子達は必ず迎え入れるだろう。災害などの危機的状況ならなおさらだ。
 万が一、避難理由が波紋戦士共の襲撃であったとしても、エリナやジョースター卿など一般人もいるから人質にも事欠かない。」
「外道か。」
「もしそこが駄目だった場合は、第二候補として『居酒屋・究極生物』もある。
 ただ、あそこは地下室もあり食料も充実してはいるが、店主及び店員が人も吸血鬼も喰うからあまりお勧めはしない。」
「‥‥‥‥思うに、ひたすら雨漏りしまくるこのボロ館の修繕とか、穴の原因であるあの筋肉護衛頭の教育とかの方が先じゃないか?」



(ウィンドナイツしかり、吸血鬼が住むのはおどろおどろしい古い館、というこだわりがDIO様にはあると思われる)









<参戦>(ASB&EOHネタ注意)

「どーーーせタッグバトルとか言ったってオレら参戦なんざ望み薄だもんなー。
 いーもんEOH発売されたら延々親父とディエゴでタッグ組んで無双してやるもんー!」
「で、対戦相手は兄貴な!兄貴とディアボロあたりタッグ組ませて、新旧ギャングボスコンビにしてフルボッコにしてやろうぜ!」
「ちょっと本気でやめなさい!実行したらさすがの僕も怒りますよ、ちょっと!」
「ふーんだ。あ、ヴェルサスはこっち来んなよ。お前ASBでちゃっかり出演したろサポート効果の案内で。
 声優持ちはこっちで愚痴る権利はありませェェーーん、出演メンツについて色々言っていいのはこの館じゃ、俺とウンガロとあとケニーGだけ!」
「ヌケサクも不可な、ステージギミックで出演したから。」
「あんだとォォ〜〜ッ!?変なこじらせ方してんじゃねーよッてめーら!!」

 ギャーギャー‥‥


(四人を眺めつつ)「‥‥‥割とのどかな風景に、見えるのですがね‥‥はぁ。」
「どうした?テレンス。嫌に歯切れが悪いが。」
「あ、いえなんでもございま‥‥おや、ディエゴ様でしたか。
 いえ、その‥‥‥‥。実は、先日、
 『そうは言っても、能力的にまだしも俺の方が参戦する可能性は高そうだし、ウンガロは格ゲーとしては無理っぽいし、もしも俺だけ参戦しちゃったりしたら、なんて言ってウンガロの事慰めてやったらいいんだろう‥‥』
 と、リキエル様より相談を受けたもので‥‥。」
「‥‥‥‥‥そうか‥‥。実は、俺もこの間、
 『オレはまだステージギミックとか特殊効果の案内とかで可能性もありそうだけど、リキエルってそういうオファーもなんかスルーされそうじゃん。万一あいつだけ一家で何もなかったら、オレあとでなんて声かけてやるべきかな』
 と、ウンガロから言われてな‥‥。」

「‥‥‥‥‥‥‥闇、ですね。」
「ああ、闇だな‥‥。」



(PV第三弾記念。ひそやかに『自分は何とかなるかもだけど』と上から目線な年少組、これぞブランドーの血統)









<敬老>

「敬老の日、かぁ‥‥。」
「エンヤさんですかね、やはり。もしくはジョージさんか。」
「ワンチェンとか、グレーフライのじーさんは?」
「むしろ父さんが最年長じゃないか?」
「そこシニア扱いすると父の日とかと被るしな‥‥親父の父親の墓に酒備えるって手もあるけど、やっぱヤな顔するだろうな。」

「相談するのもいいが、敬老の日は『老人を敬う』日らしいからな。
 ただ漫然と年を取っているやつじゃあなく、お前らから見て尊敬できるような年の取り方をしている奴は誰かを考えて、『そういう風に年を取りたい』という思いを込めて感謝や敬愛を伝えるべきだろう。」

「「「「!!!!!」」」」

「‥‥どうした、お前ら。すごい顔をして。」
「‥‥‥いや、びっくりするほど大人な意見だったもんで‥‥流石ディエゴ。」
「通りすがりの一言とは思えない破壊力でしたね‥‥。」
「これは、アレだな。ディエゴに敬意を表して、敬老の日はディエゴの奥さんだった婆さんに花を供えるってことで。」
「異議なし。」
「ちょ、いいから。そういうのいいから。」



(定義的には『長い間社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う』日らしいので、死者および悪人は除外されてしまうのかも)









<将来>

「職‥‥?ああ、ドナテロたちの話か。
 まあ、私も以前は成人男性として職の一つでもなくては、と思っていたのだが‥‥最近は、まぁ、別に私がいる限り収入面では全く問題ないしな。」
「おい、諦めるな。」
「よく考えれてみれば、親が子に自立を促すのは、いずれ親が死に一人になった後でも生きてゆけるためか、もしくは親元を離れ別の所帯を持つためだろう。
 だが、私は不死であるから子を残して先立つことはない。所帯の方も、残念ながら今のところ予定はないようだ。
 それならば、別にせかすようなことでもないし、いずれあの子たちがやる気になった時にでも、まあ、よいのではないかな、と‥‥。」
「単に思考を停止しているだけだろうがッ!!何親として考えを退化させてるんだこの間抜けェッ!!
 このままあの三人この屋敷に縛り付けておく気か!お前も収入と言ったってどうせ引きこもりっぱなしだし、唯一まともに仕事しているのが未成年のジョルノだけ、しかもギャングボスってもう色々とアウトだろ。慣れ切って見えなくなってるのかもかもしれんが目を覚ませ。」
「ヌゥ‥‥そうは言うが、ギャングはハルノの幼少からの夢だそうだから、止めるわけにもいかんし。
 それにほら、職というならお前もいるだろう。ジョッキーは真っ当な仕事だと思うぞ。」
「俺をカウントするな。
 大体、俺だってずっとこの館にいてやるだなんて言った覚えはないぞ。」
「えっ。」

ドバッタァァーーー−ンッ!!   (ドア…再起不能)

「ええええッ!?ディエゴ出ていくつもりなのか!?」
「おい嘘だろ聞いてねぇぞッ!?」
「ふ、冬の間とかだけだよな?春になって雪が溶けたらちゃんと帰ってくるんだよな?」
「俺はどこの谷のさすらい人だッ!?お前ら俺がいない間は冬眠でもする気か!?」
「ディエゴ貴様、何故そんなに詳しい。」



(意図せず声ネタ。『旅人』『吟遊詩人』『自由人』等、Sナフキン氏の職業をどう表現すべきかわからないorz)









<将来・2>(無駄家族以外も出演)

「ディエゴも大袈裟なんだよ、俺達だって将来のことぐらいちゃんと考えてるってのに。‥‥石仮面被る時期について、とか。
「なー。なのに『それは将来じゃない、100歩譲っても老後だ』なんてなぁ〜。
 てか、ディエゴ本気で出てくつもりのかな?」
「そんな急に、って話じゃねえだろうな。いずれ、可能性がないわけじゃない、程度の。
 要するに、まともに仕事しろって話だろ?仕事だの結婚だの、出来れば苦労はねえけどよォォーー、簡単に言ってくれるよなぁー。
 そりゃディエゴほど顔も才能も十分なら妙齢の美女だろうと80代の婆さんだろうと簡単に手玉にとれるんだろうがな。あーあーこれだから天才ジョッキー様はよォォォォ。」
「オレなんかもう、色々軽く諦めてるとこもあるってのになー。仕事だの結婚だの、急に言われてもなぁー。」
「な。どうせ父さんが言った通り、父さんは不老不死なわけだし、今から焦る必要もないよな。」

「‥‥‥あんた達、男兄弟3人でそういう話を真っ昼間のオープンテラスカフェで話すのってどうなのよ。
 男ばっかで顔つき合わせて結婚だの親だの仕事だの‥‥正直、アラサ―のOLみたいよ。」
「うっ、うるせーなァァァ‥‥家ん中で話すとディエゴや親父に聞かれて面倒くさいんだよ。
 大体居酒屋で女子会やってるゴリラ女に言われたかねーよ。ホルモン注射どころか監獄暮らしでオッサン化してんじゃねえかァ?」
「何?ヴェルサス、今この場で糸かけて逆さに吊り下げられたい?
 ていうか、いいじゃないの。今からでも仕事探すなり婚活するなりすれば?だらだら過ごしてるよりは喜んでもらえるわよ。」
「またこっちも簡単に言ってくれやがって。」
「結婚だって、煩く言わないだけで反対はしてないんでしょう?うちの親父とは大違い。この間もアナスイの鼻へし折るところだったのよ。交換してほしいくらいよ。」
「つーか徐倫、お前こそアナスイのこといい加減区切りつけろよ。悪女気取るのも勝手だけど、そろそろきっちり振るなり受けるなりしたらどうだよ?」
「誰が悪女よ。まあ、アナスイは悪いやつじゃないし、そりゃあたしだって正式に何か言ってくれるなら、きちんと向き合って答えるつもりだけど。」
「曖昧な言い方だなぁぁ〜。」
「これだから女ってやつは‥‥。」
「‥‥そういえば、この間その居酒屋女子会中に、DIOさん達の姿見かけたんだけどさ。
 その時、少し聞こえたんだけど‥‥DIOさんの声で、『もしもあの子たちが誰も結婚もせず、子供も作らぬようであったならば、後を見守り続ける必要もない。あの子たちが生涯を終える頃に、そろそろ私も区切りをつけてもいいかもしれない』‥‥って。」

「‥‥‥‥‥えっ。‥‥‥えっ?」
「‥‥それ、どういう意味で‥‥?」
「だから、そのまんまじゃない?愛する息子がいなくなった世界に、わざわざ生き永らえるつもりはない、って。
 愛されてるわねー、あんた達。」
「「「‥‥‥‥‥!」」」



(その日の晩)


「もしもし、徐倫‥‥さっき帰ってきた弟たちが突然バイト探すだの婚活するだの言い出した上に僕にまで『一番可能性あるんだからいいから早いとこ彼女とか作れ』と半泣きで騒いでいるんですが、貴女何か知りませんか‥‥?今日昼間会ってたそうですよね?」
『えェ〜?なんのことォォ〜?やっだ飛んでるゥゥ〜〜。』
「‥‥‥‥‥。」
『‥‥まぁーちょっとハッパはかけたけど、別に嘘なんかついてないわよ?(ま、あの時大分酔い回ってるようだったし、話の流れ的に区切りってのも多分天国計画とか世界征服のことだったかもしれないけど、そこまで詳しく聞いてはなかったしねー。)』



(まぁ、徐倫ったらいけない人!)










    


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 夏ネタを8月下旬〜9月頭に慌ててまとめてUpする姿、まさしく夏休みの宿題の如し。