<父の日・当日>

「(ひそひそ)いいか?渡すのは同時だからな。」
「ヴェルサス、抜け駆けするなよ。」
「真っ先に抜け駆けしようとしたやつが何言ってやがるリキエル。」
「まあまあ。では、最初は僕が声かけますけど、構いませんね?」
「おう。一斉にだよな。いいか、恨みっこなしだぜ。」
「いちいちうるせーぞ、ウンガロ。んじゃ、行くか……。」


「父さん。」
「ん?どうした、お前たち。」
「……ええと、その…………今日は、何の日か知っていますか?」
「何?」
「その、いつもお世話になってるので、なんというか、感謝の気持ちを込めて………どうぞ。」

バッ!!


「なっ…………………………!」
「……(……沈黙が、長い?)………うっ!こ、これはッ!!」



ジョルノ:ハートのブローチ
ヴェルサス:ハートのチョーカー
リキエル:ハート柄シャツ
ウンガロ:ハート付きのリング



「(またモロかぶりかよオオーーッ!!何故それを選んだテメェらァァァァァァッ!!!)」
「(うわああーーん俺だって色々悩んで決めたんだよこれでも!なのにこれじゃまるで俺ら相談して決めたみたいじゃないかーーーッ!!)」
「(まぁー親父っつったらハートって思うもんなーフツー……しかしリキエル、それはちょっとないわぁ……。)」
「(僕ら、普段は驚くほど意見がすれ違うというのに、どうしてこんな時ばっかり息ぴったりになるんでしょうねぇ……。)」

「…………。」
「(…あああーやっぱり父さん困ってるよこれは!どうしよう……)あ、あのさ、父さん。これはあの、そういうつもりじゃなくて……いや、じゃあどういうつもりなのかって聞かれても困るけど……。」
「……本当、嫌なら別に無理して受け取らなくていいからな。俺の以外。」
「ちょっヴェルサス!そういうのを抜け駆けって言……!」


ぎゅっ。


「わぷっ………と、父さん?」
「ちょ、親父苦し……。」

「……………………ありがとう。とても、嬉しい。」
「……え。」
「………お前たちのような息子と出会えて、本当に良かった。」
「………親父………。」




((((……………そんなに、ハート好きだったのかな………。))))



(違うだろう息子たちよ)









<父の日・エピローグ1>

「……もらえるわけがない、と思っていた。」
「………そうなのかい?」
「ああ。
 私の生まれた頃に父の日という習慣はなかったが、知識としては本で読んで知っていた。勿論、期待していなかった、と言えば嘘になる。だが、そう都合よくいくわけがないだろう?
 一緒に暮らし始めてから、まだ一年にも満たないんだ。感謝されるようなこともしていない。父親として認めてもらえるなんて、到底思えなかったんだよ。
 カレンダーの『父の日』の文字も、いつの間にか誰かが塗りつぶしていたしな。」
「(……多分それ、プレゼントを用意してるのを悟られないためにやったのだろうなぁ……)でも、こうして来たわけだね。」
「驚いたよ。4人ともだ。4人とも私に、感謝を込めて、と言って渡してくれたんだ。ほら。」
「……………………………うん、まあその、アレだね。君の好きなシンボルマークで統一しているんだね。いいんじゃないかな。………デザインはともかくとして。」
「嬉しかったよ。本当に………。なぁ、プッチ。私は、認められたのかな?
 息子を愛することのできる父親として、私はあの子たちに認められたのだろうか。なぁ、どう思う?私は許されたのか?私が求める証を、私は得ることができたんだろうか?」
「……さぁ、どうだろうね。それは君自身が決めることだ。
 それに、私がどう答えようとも、君は変わらず彼らと一緒にいるつもりなんだろう?
「…………ああ。」
「なら、それでいいじゃないか。それが君の出した答えだよ。」


(全く……あの4人を見ていて、どうやったら認めてもらえないだなんて思えるんだか。私の時もそうだったけど、本当に自分に対して向けられる好意に疎いんだから……。)



(プッチも苦笑してしまうほど)









<父の日・エピローグ2>

「……ま、あれだよな。
 感謝っつっても、別に大したことされてるわけじゃねえんだよな、俺達。」
「そうですね。特別なことは何一つない。ただ、目が覚めた時に傍にいてくれたりとか。」
「……俺の名前を呼んでくれたり、とか。」
「助けてほしい時に、すぐに駆けつけてくれたりとか。」
「オレのこと思って怒ってくれたり、とかな。」
「………ええ、そうです。普通なら当たり前のような、ごくありふれたこと。
 ……でも。」



 それがどれだけ特別なことか、僕たちは知っている。



(認めてくれた。信じてくれた。一緒にいてくれた。それこそが素晴らしい)









<父の日・後日談>

「………なぁ、父さん。その、あのさ。……なんか、怒ってる?」
「?どうしてだ?私はいつも上機嫌だし、特に今日の私は非常に気分がいいッ!
 何しろ、こんなに素晴らしい息子を4人も得ることができたのだからな!」
「………そっか……じゃあ『ソレ』も、喜んでるからやってるんだよね………。」
「せめて嫌がらせだったらどんなによかったでしょう……。」
「〜〜♪」
「…………親父………俺らが悪かった。本当、何もかも俺らが悪かった。だから………。」
「どうしたんだドナテロ、何を謝っている?
 ああ、そうだ。今宵は少々飲みに出かけるから、帰りは遅くなるぞ。」
「飲み会って、いつものメンバーで?」
「うむ。」
「そのカッコで?」
「ああ。勿論♪」
「うわぁぁーーーッやっぱりぃーー!」
「頼むゥゥーーッ!!俺らが贈ったモンいっぺんに身に着けて出かけるのだけはやめてくれええーーッ!」
「……額にベルトに膝二つに足首二つに、ブローチとチョーカーと指輪と…………ああもう全身のハートが数えきれねぇ……。」
「シャツの柄で無数ですからね。そしてともあれリキエルの贈ったシャツが一番酷い……。」
「あっ、ひどい兄貴!俺はただ父さんが喜ぶ物をって思って……!」
「喜ぶ以前の問題だ!つーか喜びすぎだろ!いいから親父ッ、その格好で外に出るのだけは勘弁してくれって言って………!」
「じゃ、行ってくるな〜♪」
「ああああーー聞いてないーーーッ!」



(父親同盟で自慢する気満々のDIO様を、はたして息子たちは止められるのか!以下続かない)









<同じタイプ>

「我がスタンド、ザ・ワールドと承太郎のスタープラチナは、共に同じタイプの能力、止まった時の世界の入門者だ。」
「何かを作るという点において、僕と似た能力を持っていると言えばベイビィ・フェイスでしょうね。僕は無生物を生物に、あちらは生物を無生物に作り替えるという差はありますが。」
「兄貴のチームに、俺と同じく過去を再現するスタンド使いがいるらしいな。ムーディ・ブルースとか言ったか。あとはエンポリオな。」
「特定の生き物を操り、相手のエネルギーを奪う……過程は違うけど、意外とチープ・トリックって奴なんてスカイ・ハイと似てるかもしれない。あっちは動物や宿主に囁くだけ、こっちはロッズのみを操るんだけどな。」


「……………………オレだけ………。」
「い、いいじゃねえかウンガロ!オンリーワンじゃねぇか!」
「そ、そうですよ!他の誰とも違う、ウンガロだけのスタンド!素晴らしいことだと思いますよ!ね?」
「……う゛ー………。」



(末っ子、ちょっといじけるの巻)










<野望>

「DIO様……あなた様はこの世で最強の力を持ち、いずれはこの世界の全てを支配してその頂点へと君臨させるお方……そうですね?」
「…………………ああ、うん。」
「……でしたら、DIO様。あなた様はいつになったら、その征服への活動を再開なされるのでしょうか……?」
「………………あれだ、明日からな。」
「DIO様……!あなた様の明日とは一体いつの明日のことなのですか!?せめてこの老いぼれがモウロクしてしまわぬ内に取り掛かっていかなければ困りますぞ!」
「…………はぁ。(溜息)
 エンヤよ、この際だからはっきりと言っておこうか。
 確かにこのDIO、かつては世界征服という野望を掲げ、この強大なる力で全ての愚鈍な人間共を支配してやるという夢に燃えたものだ。
 しかし、それはもはや過去のこと。はっきり言って、今の私にそんな暇はない。」
「何ですとおおおッ!?」
「そうそう、DIOは私と共に天国へと旅立つのだものねー♪」(ひょこ)
「プッチ、すまんがそれも延期。」
「えええええええええッ!?」
「何を申されるのですかDIO様!!まさかあの忌々しきジョースターの血統の断絶が先だとでも!?」
「いや、それも当分はもう良い。承太郎とは既に飲み仲間だしな。
 私が現在しなければならない事というのはすなわち、我が息子たちのことだ。」
「息子たち……って、ジョルノ君たちのことかい?」
「うむ。あの子たちが一人前になるまでは、私はあの子たちの側にいてやらなければならない。故に、世界征服や天国などに構っている暇はないのだ。」
「いやあの……一人前って、確か3人は既に20歳を超えていたような……。」
「20歳など私から見ればまだ子供だッ!
 いや年齢の問題だけではなく、もっとこう精神的な意味で、あの子たちはまだまだ手がかかりすぎる。無論私の息子なのだ、能力がないわけではない。ただまだ、少々未熟なだけなのだ。だからせめて、あの子たちが立派に自立できるほど成長し、私を必要としなくなくなるまでは…………む?」


バタバタバタバタバタ……
ドバタムッ!!


「親父ィィ〜〜ッ!!リキエルがロッズ暴走させたーーッ!!」
「うわああん違うんだ俺のせいじゃないーー!兄貴がロッズ作ったりなんかするからー!」
「だって僕が生み出したものなら僕が操れるはずじゃないですか!それをリキエルが横からごちゃごちゃ言ったりするからロッズだって混乱して……!」
「言ってる場合かーーーッ!!うぎゃああーー体温がァァーッ!!」


「あああーー!お前たち動くな今行くから!!ええいっザ・ワールドォッ!!」(ドーン)



「「……………………。」」(取り残された二人)
「……神父よ、貴様が息子なんぞ連れて来たばっかりに……。」
「……ええと、なんかその…………すみません。」



(神父談「まさかここまで子煩悩なパパになるとは思わなかったんだよう」)









<野望・2>

「なぁ〜親父ィ〜。親父って、前は世界征服目指してたんだって?もうしねェの?」
「………………ウンガロ、その話誰から聞いた?」
「エンヤの婆ちゃん。」
「………。(ぬう、外堀から埋める作戦に出たか……)その、以前少々な。今はその、色々忙しくて……。」
「えー?何が忙しいんだよー。親父一日中家にいるじゃねーか。」
「ウンガロ、あんま言ってやんなよ。親父だってこの年でニートやるのは大変なんだぜ?」
「………ドナテロ、それは誤解だ。」
「そもそも、今どき世界をたった一人で支配しようだなんて無謀な話なんですよ。ファンタジーやRPGじゃないんですから。」
「兄貴も一応、イタリア支配してるけどな。」
「いっそよぉ、分担してやらないか?親父一人でやるよりは、俺ら全員でやった方が効率がいいだろ。な?
 とりあえず、俺アメリカ担当な。あとイギリスと、ドイツと、スイスとー……。」
「ヴェルサス一人でそんなに担当出来るとは思えません。せめて最初は一国くらいにしておいた方がいいですよ。」
「ンだとぉ?」
「兄貴は経験者だから、ヨーロッパ全土くらいはイケそうだよな。俺は……どうしようかな。オーストラリアなんかもいいよな、なんかUMAとか多そうで。あとはフィンランドとか、ジャパンとか。不思議の国!」
「ああっリキエル!ジャパンはオレんだぞ!?ジャパニーズコミックカルチャー!ジブリアニメーション!どう考えたってオレの独壇場じゃねーかッ!?」
「早い者勝ちだろ。あと何残ってたっけ、ロシア?チャイナ?」
「ちゃんと父さんが自分で支配する分も残しておかないと駄目ですよ。ええと、世界地図世界地図……。」

きゃっ、きゃっ♪

「……………お前たちなぁ……。」



(親の心、子知らず。)









<野望・3>

「そもそもハルノ、お前まで世界征服に賛成とはどういうことだ。黄金の精神はどうした。」
「別に僕は、支配自体に反対したことはありませんよ。望んだ正義を貫くためには、それ相当の立場や力が必要ですからね。
 父さんが間違ったやり方をせず、正しい統治をするというのであれば、僕にそれを否定する理由は一切ありません。」
「………正しい統治、というと。」
「そうですね……まずは、武力による支配は出来るだけ避けること。父さんいかにも恐怖政治しそうですからね。
 とはいっても、主張を貫くためには力は絶対に必要でしょうから、全面禁止とまでは言いません。対象をどうしようもない悪に限って、自分に刃向う者だけを残らず完璧に排除すること。半端はいけません、下手に生き残りがいるから因縁が発生するんです。やるなら徹底して。
 それから、一般人等の無関係な人間は巻き込まないというのも基本ですね。ギャングは弱者を守るもの、ギャングでなくとも一般大衆を守れない支配者なんてただの暴君です。歩道が広いとかもってのほかですよ。
 まぁこれも、できる時とできない時がありますし、非常事態や止むを得ない場合は無理をしなくともいいですから。もちろん推奨はしませんし命を奪うようなことは許可できませんが、急を要する事態ならば少々車を拝借するとか飛行機を借りるとか、多少運転手を脅して目的地へ向かう、程度ならばセーフの領域でしょう。
 そして当然、信頼関係は重要ですよ。自分に従う部下を重用し、報酬も見合ったものにする。自分についてきてくれる者たちには最大限の敬意を払うこと!なおかつ、裏切り者には血の報いを!
 互いの正義が異なった場合袂を分かつのは必然なんですから、この場合は勝利した側が正義!自分の信じられる道を歩んでいれば、おのずと真実に到達するというもの!己の正しさは己の力を示すことでしか証明されない………!」


「ああそうそう、おやつにハーゲ○ダッツアイスを買っておいたのだった(ポン)。お前たち、全種類一つずつあるから好きなものを選びなさい。」
「あっオレラムレーズン!」
「ちょっ、ウンガロずるいですよ!?ラムレーズンは僕も狙っていたのに!」
「早い者勝ちだろ!第一兄貴いつもチョコ系じゃねーか!なんでアイスの時だけラムレーズンなんだよ!」
「半分は日本人なので、季節限定に弱いんです!あっでも全種ということはドルチェシリーズもありますか?ならガトーショコラにしようかな。」
「今たしかホワイトピーチも出てんだよな、どーすっかなー俺いつもはマカダミアナッツって決めてんだけどよォォー。」
「俺、クリスピーサンドがいいんだけど、あるかな?まだ抹茶黒みつのやつだけ食べたことないんだよ。」

(…………やれやれ、なんとか誤魔化せたか。にしてもハルノ、なんという私の子………。)



(本当頑張れお父さん)









<カタツムリ>

「……おや、壁にカタツムリとは。やっぱり梅雨ですね。しかし、一体どこから入り込んだのか……。」(スッ)
「危ねェェーーッ兄貴ッ!!そいつに触れるんじゃねぇぇーーーッ!!」
「え!?な、何事ですかヴェルサス!この壁に何かあるんですか?触ると安楽死するとか……。」
「壁じゃねえよ!つか、そっちこそ何考えてんだ!知らねえのかよ!?」
「な、何が…?」
「カタツムリに触ったりなんかしたら、カタツムリになっちまうんだぞ!?」
「えええー!?何ですその触ると伝染る的な認識は!?そんな、小学生の言う○○菌とかじゃないんですから。」
「信じなくても別にいいけどよォ……少なくとも俺はちゃんとヤベェって言ったからな。ったく、だから梅雨ってのは嫌なんだよなぁ………。とにかく、こういうのには塩だ、塩。もしくはヴァニラ呼んでガオンさせるとか………………
 って、ああああーーー!!言ってる間に向こうでリキエルが軟体生物にッ!?」
「うわあ本当だ!!え、しかも何か虹とか出てますけど!?室内なのに!
 ヴェルサス、あなた何か原因を知ってるんですか!?一体何故こんなことに!!」
「知るかよ!!多分またどっかで神父とウェザーが兄弟喧嘩やってんだろ!」
「全然わかりませんよそんな説明じゃ!」
「俺だってヤバいとしかわかないんだからしょうが……ってあああンなこと話してる間にまたうじゃうじゃと!
 とにかく兄貴、こいつらがこれ以上大量発生して回り囲まれちまう前に、GEでマイマイカブリ生み出しといてくれ!鳥でも可!虹とカタツムリには死んでも触るなよッ!俺は海の記憶掘り出してるから…………ああっ!そうだあとウンガロ!ウンガロ先に保護してやらねぇと、ただでさえ爬虫類のアイツが両生類にまで退化しちまう!!」
「ひどい!というか、カタツムリは両生類じゃありませんよ!」
「え、マジでか?じゃあ何あいつら。」
「貝類です!陸貝の一種!」




ピルルルルル、ピルルルルル………

「ぬおッ!?え、ええと、どこを押すのだったか……ああ、ここか。(ピッ)
 もしもし…?ああ、なんだプッチ、君か。どうかしたのか?…………何?形勢不利だから、急いでドナテロを現場に向かわせてくれ?くれぐれも車で?
 言ってる意味がよくわからんが、それにしてもプッチ。私携帯を買ってからまだ君に番号を教えた覚えがないのだが。」



(のんびりストーカーの相手してる場合じゃないよDIO様!息子たちピンチ!)









<肉の芽>

「なーなー親父ィー、肉の芽出して肉の芽―。」
「うん?別に構わんが……扱いには気をつけるのだぞ。」

 ビュジュッ!!

「おおおー!!すっげー!本当にウジュルウジュルしてやがるー!キモー!」
「ウンガロ……傷つくぞ、私も。ともあれ、気をつけて遊べよ。」


「おーい、貰って来たぜー。」
「おおー。」
「脳みそに刺さるんだよな、コレ。
 で、どうする?誰で試す?やっぱディアボロあたりか?」
「ディアボロだと恐らく、操られる前に死にますよ。十中八九。」
「あー、そっか。んじゃーヌケサクとか、その辺に植えてみるか?」
「もうその辺親父に忠誠誓ってるじゃねえか、一応。部下だと効いてんのかどうかイマイチ分からねえよ。」
「しかし、一般人に刺すわけにもいきませんし………リキエルはどうしたらいいと思いますか?」
「え、俺?うーん………それじゃあ、芽っていうくらいだし、とりあえず植木鉢に突き刺してみようぜ。」(ぐさっ)
「素敵素敵な花の完成かよ。」
「きょーうふガーデンー。っつっても、大分無茶じゃねーかぁ?確かこれって、脳みその肉を栄養にすんだろ?いくらなんでも土だけじゃちょっと……。」
「大丈夫だって。こんな時にこそ………兄貴ー。」
「あの、いくらゴールドエクスペリエンスでも脳までは作れませんよ。」
「えー。」
「えーって、リキエル時折ものすごい無茶振りしてきますよね……。
 仕方がないなぁ。じゃあ適当に、夕飯の時ちょうど残していたこの鶏肉を肥料として一緒に埋めておきましょうか。」(ザックザック)

「……こら、残すな、ハルノ。」
「わ。父さん。」
「というか育てるな、お前たち。無理だから。」
「まーまー。物は試しだからよォー。」
「じゃ、俺水やっとくなー♪」
「全くもう………変な遊びばかりして……。」



3日後。


「……父さーん。どうしよう、なんか、鶏肉に根がついたっぽいんだけど。」
「………………待ってくれ。今しばらく自分というものの存在とその定義について考え直したくなった。」



(「鶏肉でよいのか、私の脳よ。」)









    


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 とうとう100ネタ突破!!
 思えば遠くへ来たもんだ……これからもこの家族を全力で応援し続けることを誓います!