<エスエム>

「父さん!突然ですが僕はSと思われていましたが実はMです!そして実はリキエルもMです!
 父さんはSですかそれともMですか!?」
「XLだ!!」


      沈   黙。


「………おかしいですねぇ。この間の飲み会の話からして絶対引っかかると思ったのに……。」
「やっぱり兄貴がMってのが無茶があったんだってば。素直にSだって言っておけばよかったのに。」
「だって僕これでも172cmあるんですよ。年齢とか好物とか細身の体格のせいでやたら子供に見られますけど、父さんの遺伝子からして僕だってまだまだ巨大になる可能性が……。」
「いいからお前たち、早くそのロウソクと縄返してらっしゃい。というかどこから持ってきたんだそんなもの。」



(どうやらお父さんも徐々にレベルを上げている模様)









<最強スタンド攻略法>

問題:

 あなたの目の前にはノトーリアスB・I・Gというスタンドがいます。
 このスタンドは物体の動きに反応して攻撃し、その物体の動く速度が速ければ速いほど優先して追いついてきます。
 触れると肉を取り込み、吸収して巨大化&パワーアップします。逆に動いていないものにぶつかるとダメージを受けます。
 このスタンドを、あなたの能力で倒してください。(助っ人や外部干渉はナシ)



「あれは本当に危ない所でした……。そうですね、次もし戦うならば、先にネズミや鳥のような素早い動物を生み出しておいて、相手へのダメージ反射を狙いましょうか。手ごわい相手でしたが、今度は負けるつもりはありませんよ。」

「俺のボヘミアン・ラプソディはなぁ〜……。別にキャラクターがオレのこと守ってくれるわけじゃねぇし、そもそも相手がキャラクターも何も知らないスタンドってのが不利だよなぁ…。んー、とりあえず実体化したソニックあたりを追わせてその間に逃げるわ。」

「…もしもそいつがロッズの動きにまで追い付いてくるようなら、ロッズを囮にして襲っている間に俺が直接攻撃する……。逆に、ロッズについてこれないようなら、俺は動かずロッズで体温奪って肉を腐らせて倒す……うん、いけるな。」

「えーっと……素早いもの……過去の飛行機事故の記憶とかを掘り出して追わせ……いや、その前に穴掘ってる時点で襲われるじゃねえか。え、おい、ちょっと待って………俺に何ができるっていうの?」


「確認しておくが、止まった時の世界に入門してはいないのだよな?……よし、時止めでタコ殴り。」
「シンプルー。」
「最終的にモノをいうのは純粋な力なのだよ。」(ふふん)
「それはいいんですけど父さん、触れると肉を吸収してくるんですよ、相手。」
「…むぅ……厄介な。イエローテンパランスとアヌビス神を合わせたようなやつだな。いっそ肉同士、肉の芽埋め込んで操ってくれようか。」
「実体化はしてますけど基本はスタンドなので、脳があるとは思えませんが。」
「………………時止めとナイフ投げで地道に倒す。」
「それがベストですかね。ただ、父さんのナイフ投げって直前で止まるでしょう。そうしたら時が動き出した瞬間に反応するでしょうから、先に突き刺しておかないといけませんよ。」
「純粋なパワー型って、こういう時大変なのな。」



(こういう考察系のネタも書いててかなり楽しい)









<カウンセリング>

「よいか?リキエル。
 お前は、自分に自信が持てずにいる。自分の事を信じることがなかなかできない。それゆえに、自身の身体の制御を失ってしまうのだ。とは言っても、急に自分を信じろというのも無理な話だろう。だから、まずは私を信じろ。」
「父さんを・・・・・・?」
「そうだ。目の前が真っ暗になったとき、息ができなくなったとき、まず最初に私の姿を思い浮かべるのだ。そうすれば、お前の中の私がお前のまぶたを押し上げる。まずはそうイメージしろ。私を信じるのが嫌ならば、プッチでもかまわない。」
「嫌だなんて、そんな・・・・・・。」
「私を信じてくれるのか?嬉しいぞ、リキエル・・・・。
 私を信じることができたならば、次はこう考えるのだ。お前は、私やプッチが認める人間である、と。お前の信じている男、お前が偉大であると感じている男、その男の血を受け継いでいるのが自分なのだと、そう考えるのだ。お前が心から信じている私が、他ならぬお前のことを認めている。ならば、そのお前を信じられないというのは、私の心を信じないという事になってしまう。」
「そんな・・・・・・!」
「な?そう考えれば、自然と己のことを信じることができるだろう。
 ほら、顔を上げろ、リキエル。私の声を聞け。私の事を見て、私の声だけを聞くんだ。」
「・・・・・・はい・・・・・・・・・・。」
「いい子だ、リキエル。お前は何でもできる、お前は優れた人間だ。お前は成長することができる。お前は覚悟を決めることができる。覚悟をするのだ、そう、このDIOのためならば、例え命をも捨てることができるという覚悟を・・・・・・・!!」

バタンッ!!

「父さん!なに実の息子に催眠術かけてるんですかッ!!」
「え?・・・・・・あ!しまった、つい癖で。
 おい、リキエル?すまん、大丈夫か?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」(催眠状態)



(吸血鬼さま何でもできすぎるよ)









<神父来訪>

「やあDIO!遊びに来たよ!」(ばっ)
「おお、プッチ!よく来てくれた、会いたかったよ。」(ひしっ)
「私もさ。息子たちとはうまくやっているようだね。よかった、君が幸福だと私もうれしい……。」
「ありがとう、だが君のおかげさ。君が息子の存在を知らせてくれたから、私は今この子たちと一緒に暮らせているのだからね。」
「DIO……。」

「………………あんの、ガチ○モ神父。」
「何言ってるんだよヴェルサス!父さんと神父様は親友だろ?」
「あれが!?あれが親友だと!?あれが健全な関係に見えんのかテメェはッ!?バックに点描飛んでんじゃねーか!つーかあの神父がノーマルだっつーならマイケル・ジャクソンなんか聖人だぜ!!」
「そこまで言うかぁ〜?ダチ同士でのハグなんてよくあることだし、親父もスキンシップ過多なトコあるしさぁぁー、別に考えすぎじゃねーのかぁ?」
「ウンガロ、テメェもリキエルと一緒に病院行け。眼科とあと整形外科。」
「ひでぇ!!」
「兄貴!まさか兄貴まで神父擁護派に回ったりしねえだろーなッ!?」
「僕はプッチ神父についてよく知らないので何とも言えませんが、そもそも父さんの交友関係について僕らが口出しするものではないでしょう。ヴェルサスも、どうしてそうプッチ神父を目の敵にするんですか?」
「ちげーよ!あの神父が俺のこと嫌ってるから、俺もあいつが嫌いなんだ!!会うたびいちいち偉そーに指図しやがって………あああッイライラするッ!!」
「まぁまぁ……。」


「そうそう、DIO。これはお土産。近所にエクレアの美味しいところがあってね。よかったら皆で食べよう。」
「おお、わざわざすまんな。」
「(ガサガサ)結構有名なお店でね、今日もすごい行列だったんだよ。なんとか5個買えたけどね。はい。」

(………あれ?5個って…神父様の分を除いて、残り4つ……あれ?)
(もしかして………すげぇさりげなくヴェルサスの分がねぇ?)
(……なるほど、確かに神父も神父でヴェルサスが嫌いのようですね。しかしまあ何とも巧妙というか……。)
「(………っこーゆー陰湿かつ地味に突っかかってくるところが特にムカつくんだよこんのクソ神父がァァァァッ!!!)ッこの……!」



「おや?プッチ、君の分がないじゃないか。」


「……………え?」
「え、じゃないだろう。皆で、と言っているのに、私のと息子たち、合わせて5つしかない。買い忘れたのか?まったく、そういうちょっと抜けているところは昔から変わらないな。
 ほら、私と半分にしよう。それでいいか?」
「……や、その……それは………えっと………………。
 ………あ、ありがとう……。」
「なに、いいってことだ。さ、それじゃ紅茶でも淹れて……。」



「……ッ大岡越前ーーーッ!!」(グッ!)
「さすが親父、なんという名裁き!そこにしびれる憧れるゥ!」
「WRYYッ!?な、何、何!?」



(家族優先思考のお奉行様)









<父の日・準備編1>

「母の日も思ったんですけど、最近無駄に宣伝しすぎですよね。季節行事を何でもフェアに繋げようとしているというか。」
「まーな。休日にもなんねぇような程度だっつーのに大袈裟過ぎんだろ。あっちが散々騒げば騒ぐほど、見てるこっちは冷めてくるってのがわかんねぇのかね、全くよォ。」
「ですよねー。もうホント、あそこまで買え買えって言われるとむしろ『絶対に乗ってやるものか!』って気になりますよね。」
「あー、わかるわかる。そもそもあれって、10歳以下のガキ向けの行事だろ。普通にスルーでいいんじゃねぇのか、俺ももう25だしよォォー。」
「やっぱりそうですよね。それに企業の思うつぼになって動くなんてそれこそ無駄なことですし……………ハッ!」(ガタッ)


「「YEAHーーーーッ!!(ビシガシグッグッ)」」
「おっしゃ早くも二名脱落ゥッ!」
「よーし早速父さんに何が欲しいか訊いてくるか!」(ダッ)

「っだーーちょっと待てウンガロリキエルーーーッ!別に誰も送らないとは言っていない!待て!」
「つーかどこで隠れてやがったテメェらーーッ!抜け駆けなんざ許すかァァァーーッ!!」



(ツンデレ二名と非ィツンデレ二名、共にお父さん大好き)









<父の日・準備編2>

「なーなー親父ィィー、最近こう欲しいものとか………………ってああああ!まぶたがァァーーッ!!」(ストーン)

「ウンガロ、悪いけどしばらくどいてろよ………で、あの、父さん。流石にロードローラーとかそんな高いものなんかはちょっと無理なんだけど、もう少し手軽なもので何かこう必要なものとか、でなかったら好きな食べ物とかでもいいんだけど…………って、何ィィィィィィィッ!!
 へ、蛇が!俺の足に絡みついているッ!!うわあああああああ!!」(ガブッ!)

「毒は微弱ですよ、リキエル。すぐに手当てすれば、大事には至らない………。それはともかく、べ、別に送るつもりとかそういうのでは全然ないんですけど、その、特に欲しいものがなければ、してほしいこととかやってもらいたいことだとか…………っな!?こ、こんなところに何故ベイビィ・フェイスがッ!?」

「『アンダー・ワールド』………自分の過去でも喰らってな、兄貴……。んで!要は俺らに何か不満とか要望とかそういうのがないかっつー話なんだよ親父ッ!!」




「……………………とりあえず、兄弟仲良くしてくれ。それで充分だ。」



(で す よ ね ー)









<早口言葉>

「お、お綾や親におやあまり、おややや親におやあまり……。」(←お謝り、の間違い)
「この竹垣に竹たけかけたてかてたか………あれ?」
「東京とっきょきょきゃ、きょ、きょきゃきょきゅ、きょきゃ、ああああもうメンドくせえ!!」

「親亀の上に子亀子亀の上に孫亀孫亀の上に曾孫亀、隣の客はよく柿食う客だ。スモモも桃も桃のうち、桃もスモモも桃のうち。」

「おお〜……流石だなー、兄貴。」
「……くっそおおお、なんで兄貴ばっかそう色々できるんだよ!」
「たゆまぬ練習の成果ですよ。それに、僕なんて父さんに比べたらまだまだですよ。何しろあの人、人間やめてるだけありますからね。
 さ、父さん。ここはバシッとお願いします!」


「無駄が無駄無駄三無駄無駄合わせて無駄無駄六無駄無駄。」(以下三回繰り返し)


「あ……兄貴!俺明日から練習するよ!無駄無駄ラッシュ!」
「リキエル、やっとわかってくれましたか……。」



(滑舌向上にはボラボラやドララも効果的だそうです)









<父の日・準備編3>

「で、結局親父なんか要求はねぇのかよ、俺らに対してよぉ。」
「むぅ……そう急に言われても、なかなか思いつけなくてな。」
「ま、確かに、ほかのやつはともかく俺なんかかなり出来がいいからな。不満なんか探すのは難しいだろうけどよ。(ふふん)
 だったら他にもこう、普段できないこととか、一度はしてもらいたいこととか、そういうのならどうだ?」
「……してもらいたいこと……それなら……。」
「お、あんのか?」
「その……少々無茶な願いになるかもしれないのだが……。」
「うんうん。」
「………一度でいいから、お前たちに……。」
「うんうん。」
「……………………『パパ』と……。」
「ああ゛?」
「何でもない何でもない何でもない。」



(弱いぞお父さん!!でもこの後、部屋の中でこっそり『パパ』と呼ぶ練習して挫折するヴェルサスが見られるかも)









<父の日・準備編4>

(やっぱなんだかんだ言って、アレしかないよなぁ〜……親父のほしいもの、っつったらよぉ〜。)
(僕の力だけではそろそろフォローしきれないし、父さんのためにもこれが一番いいはず……。)
(本当なら、俺のをそのまま使うってのが一番手っ取り早いんだが、それじゃ親父の場合絶対受け取らないからな。全くメンドくせぇ……。)
(リスクは高い……だが、ほかに心当たりもない。俺ならできる………やるしかない!)



「おや?お前たち、4人そろって出かけるとは珍しいな。どこへ行くんだ?」


「ちょっとジョナサンおじさん家まで。」(注射器(使用前)片手に)
「ちょっとギャングのアジトへ。」(『パッショーネ愛の献血キャンペーン』のポスター持って)
「ちょっとSPW財団んとこ行ってくる。」(空条博士に関する新聞記事握りしめて)
「ちょっと徐倫と一戦やらかしてくる。」(悲壮な覚悟を抱いて)


「「「「ッッ!!」」」」(ハッ)


「…………テメェら、まさか………!」
「そういうヴェルサスこそ………っていうか承太郎さん狙いはいくらなんでもハードル高くないか?」
「お前こそよく徐倫の血なんて狙えるな、リキエル。あんだけタコ殴りにされて。」
「そもそも3人とも、そこまでジョースターの血統にこだわらなくともいいのでは……。」



(プレゼント、もろ被り)









<父の日・準備編5>

「えーっ、父さんって薔薇の花嫌いなんですか!?」
「うん、そうらしいよ。」
「意外だ……吸血鬼って言ったら普通は薔薇の花オプションが定番でしょうに……。」
「ディオの場合、昔ある人に薔薇の花を右目に突き刺されたことがあってさ。それ以来、なんか駄目なんだって。」
「そうですか……父の日にはカーネーションの代わりに薔薇を贈るのが習わしだって調べたんですけど……。」
「力になれなくてごめんね、ジョルノ君。」
「いえ、ありがとうございました、ジョナサンおじさん。助かりました。」


「うおっ、赤い瓶がこんなに……!これ、全部血液かよ!?ワインじゃなくて!?」
「ええ。以前栄養失調寸前までなったこともおありでしたから、それからDIO様自身体調管理に気を配るようになされたそうです。それで常にこちらのセラーに保存するようにと。」
「つうか……誰の血だよ、こんなに。」
「DIO様に血を捧げてもよい、あるいはぜひ捧げたいと願う多くの女性からの寄付です。死んでいなければ何度でも持ってくることができますから、長い目で見れば前よりも効率が良いくらいですよ。」
「っつーことは、こっちは間に合ってるってことか……ジョースターならもうちょっと違ってくるだろうけど、本気でハードル高ぇしな。」
「ええ……。私も一度オラオララッシュを受けた身として忠告させていただくならば、承太郎だけはやめておいた方がよろしいかと。本当に。絶対。」
「わーったよ、テレンス。俺だってイヤだ。さて、ならどうすっか……。」


「黄色のジャケットに黒のインナー。」
「合わない。」
「では、神父めと会うとき着ていらした黒のお召しもの。」
「着ける場所がない。」
「ならば、わしと話をしていた際の紐服……。」
「その格好で着けたら変態だろ!
 ああもう、やっぱり父さんにネクタイってのは無理があるのか!!クソッ!」
「…………ですなぁ。わしもちょっと無理ではないかと……。」


「なー、ヌケサク。」
「え?あ、ウンガロ様。あの、何か?」
「聞きてぇんだけどさー………吸血鬼ってさぁ、肩って凝る?」
「え……?えーっと………凝らないってほどじゃないんですけど、でも別に揉んでいただくほどのもんじゃないというか、別段お気になさるほどのもんじゃないっていうか、つーかウンガロ様なんぞに揉んでいただこうもんなら俺がDIO様に殺されちまうんでお気持ちだけというか………。」
「いや、別にお前にじゃねえし。てことは、そんな凝らねえんだな?」
「は、はあ……。人間より筋肉使わずに怪力出せますからねぇ……。」
「そっかぁ……。くそう、肩叩き券ってのは定番かと思ったんだけどなー……。」
「はぁ……?」



(4人息子、それぞれ努力中)









    


------------------------------------------------------------------------------------
 季節行事も色々こなしつつ、無駄家族は今日も平和です。