<食欲の秋>

「では………始めるぞ。テレンス、照明を。」
「はっ。」


カチッ。(OFF)


「ちょ、暗っ!これ中身どころか鍋もちゃんと見えるか怪しいぜ?」
「いいですか、箸で触れたものは必ず食べるんですよ。あ、それと、父さんは夜目がきくんだから、特別に目隠ししてくださいね。」
「うわっ、なんかぐにゃってした、ちょっ掴めねえってこれ絶対!なんか滑る!つーかハシ使い辛え、なぁフォークじゃ駄目か兄貴ィー?」
「……今、口入れたら、しゃくって、しゃくってゆった、なあ何?これ何なんだ本当何?何か口ん中でしゃくってゆったあと酸っぱい味が広がってって、んでしゃくって、白っぽかったから多分白菜かなって思って油断してたらしゃくって飲み込めな…………うえええええん。」
「泣いてんじゃねえリキエル!食えるもんしか入れてないハズなんだから黙って飲み込め!……つか本当になんなんだそれ。」
「あ、それ多分、オレの持ってきた漬物。」
「テメェかウンガロ…………うえっ、おい誰だよ大福入れたの。チョコとかそういう溶ける系は後半戦からって決めてたろーがッ!兄貴、てめぇか!?」
「違いますよ、僕今回魚介類しか入れてませんから。」
「……ということはハルノ、お前か。デビルフィッシュを入れたのは。」
「本当に美味しいんですよ?タコ。」
「よっほっ……おしっ、やっと掴め…………にぎゃあああーーッ!」(びちちちちちッ!!)
「どっ、どうしたウンガロ!なんだ何の音だ一体!?」
「あああ兄貴ー!サンマ生きてる!跳ねてる!!」
「え、駄目でしたか?!旬のものですし、新鮮な方がいいかと思って。魚なら生でも食べられるし………一応作りたてですよ?」
「獲れたてじゃなくて作りたてってところから既に………じゃなくて!サンマ苦しんでるから!鍋で煮られて熱さで暴れまくってるから!!!」
「ああー!ウンガロが尻尾ビンタされまくってるーーー!!」




「…………ぜぇ………はぁ………。」
「お疲れ様でした、DIO様。」
「……息子たちが『家族ダンランの伝統行事らしいから』と言うから決行したが………『ナベ』とは、こんなにも苛酷なものなのか……?デビルフィッシュといい、東洋の食文化はどうにもわからん……。」



(明らかに別の知識が混ざってることに早く気づいてDIO様)









<行楽の秋>

「ただいまー。なぁ父さん、聞いてくれよ!今日ちょっとバイクで出かけたんだけど、なんと帰ってくるまで一度も事故らなかったんだ!!
 それで、途中見た紅葉がすごくきれいだったから、一枚持って帰ってきた。はい、これ。」
「ほう、見事な赤だな。ありがとう、リキエル。」
「ただいまぁ〜。親父、ほら、これ!何の花か分かるか?
 道歩いてたらなんかすげぇ強い匂いがして、見たらこれが咲いてたんだよ。親父なら何の花か知ってるかもって思って、こっそり一枝持ってきちまった。へへ。」
「ああ、これは金木犀だな。せっかくだから、花瓶に活けておこうか。」
「あー、疲れた……ったく、ひでぇ目にあったぜ。公園でうっかり徐倫たちと出くわして、無理やり銀杏拾いとかいうのを手伝わされてよォォー。結局いくらか分けてもらったけど、食えんのかぁ?これ。やたら臭ぇし。」
「はは、大変だったなドナテロ。後でテレンスにでも、調理方法を調べさせるとしよう。」
「すいません、遅くなりました。この間ブチャラティ達と山へ行った時の写真を取りに行ってて……。
 ほら、父さん。これは僕が撮ったんですよ。頂上で見た夕日が、とても綺麗だったので。父さんにあげますね。」
「夕日か………美しいな。
 うむ、楽しかったようで何よりだ。ありがとうな、ハルノ。」
「どういたしまして。」


「さて………と。今、何時だろうか。」
「えっと、7時半ちょい過ぎ、ってとこかな。」
「ふむ、そろそろ月も昇ったころか。では、出かけるとしようか。」
「ええ。……旬は大分過ぎてしまいましたけど。」
「団子もってこーぜ、団子。」
「ススキもな。」



(昼間外に出られぬ貴方へ、秋のお土産を)









<スポーツの秋>

「…………それで、ディオ。どうしてこうなったのか、できれば説明してもらえるかい?」
「……いや、まぁ、話せば色々あってな。
 ほら、最近すっかり涼しくなってきたせいか、息子たちもよく外に出るようになってな。
 私もここのところ身体を動かしてないし、というか息子たちに合わせて昼型の生活にしたらめっきり外出する機会が減って、これではいくらなんでも体がなまると思ってな。
 それで、息子たちが寝静まった後に、ちょっと夜の散歩をと思い立って………。」
「夜の散歩、ねぇ。」
「うむ、まぁ、散歩というか、ジョギングというか、マラソンというか、まあそんな感じの。
 先日『SASUKE』を見たせいもあって、ちょっと吸血鬼の血が騒いだというか……それで、こう、屋根から屋根へ。」
「豪快だね。」
「うむ。多分昨晩の私には、ねずみ小僧かなにかが乗り移っていた。」
「………で、うっかり夜が明けるまでやっていた、と。」
「あれだなー、秋の日はつるべ落としなどと言うが、日が落ちるが早くなったからと行って同じだけ夜明けが遅くなるわけではないのだよな。まったく油断した。
 ………で、家まで大分あるのに朝日が昇ってきて、これはマズいと思ったとき、たまたま傍にジョースター邸が見えて………。」
「……………で、僕の部屋の窓ぶち破って飛び込んできた、と。よくわかったよ、ディオ。
 それで、これからどうするんだい?」
「………とりあえず、手首が溶け落ちる前にこの微弱に波紋の流れる縄の拘束を解いてもらいたい。
 あと日が暮れるまで帰れんから、夜までここに置いてもらえないだろうか。」
「………君ん家に連絡して、ジョルノ君たちに日傘持って迎えに来てもらいなよ。」



(正座で紳士のお説教タイム受けるDIO様、それでも図々しいです)









<愛のカタチ>

「うっがあああああ…………。
 駄目だ………俺はもう駄目だ………!」
「いきなりどうしたんだよ、ヴェルサス?」
「またなんか不幸な目に遭ったのかぁ?」
「……さっき、外歩いてたら。」
「うんうん。」
「…………あからさまにデートっぽい雰囲気の徐倫とナルシソ・アナスイが歩いていた。」
「うわぁ。」
「……まぁ、ただでさえこないだナンパ行って入院したばっかりだもんな。ちょっとタイミング的に傷に染みるものがあるかも………あ、でもさ、あの二人厳密にはまだ恋人ってほどのものじゃないらしいぜ?そう落ち込むほどのことでも……。」
「それだけじゃなかったんだよ。」
「え?」
「その二人の後ろくらいにエルメェスも歩いてて………隣に、なんか高そうなスーツ着た金髪まつ毛ばしばしのモデルみてぇな男連れてやがった。」
ちょっま゛っ、ええええええええええ!?」(ショックのあまりまぶたストーン)
「………それ、ホストとかだったんじゃ?」
「最近のホストってのは、真昼間から堂々他のカップルと混ざって大通りで店外デートするもんなのか?」
「うー、あー……いや、あるかもしれねえじゃん、そういうサービスやってる店が。オレは行ったことないから知らねぇけど。」
「……よしんばあるとして、友人が恋人(仮)とデートしてる所をわざわざホスト連れて来て一緒に歩くようなことするのか?今時の女は。」
「………………ないな。」
「なぁ……俺さっきからまぶたが上がりそうにないんだけど、マジでそうなのか?なぁヴェルサス、なんかの勘違いとか、見間違いとかそういう可能性は……。」
「あいつ家族は姉だけだったはずだから、姉とか親戚とカの可能性はねぇ。つかそもそも似てないし。
 でもって、たまたま横歩いてた赤の他人って線も考えたけど、普通に親しげに会話してたから…………つーか、よく考えてみりゃ夕飯の献立の話してたってことは家に呼ぶ気満々じゃねーか……ッ!」
「え、マジでか?そこまで?」
「なんか、夕飯に生ハムサラダ出してやるよ的なことエルメェスが言ったら、このやろうって相手の男がちょっとこづいたりとかして……………あああああああ、なんかもう思い出したら死にたくなってくるほどイチャついてやがった……!
 なんでだ、なんであんなヤツに男ができる時代に俺は一人なんだ。おかしいだろ常識的に考えて。ありえねぇ、絶対ありえねぇ。あんな『性別:漢』みたいな女と付き合うとか、顔は良くても一体どんな変態野郎だよ、むしろゲイか?ゲイなのか?」
「ヴェルサス、その辺でやめておかないと、どこからともなくシールが飛んで来ないとも限りませんよ。」
「うるせェェーーーッ!どーせモテる兄貴には理解されねぇ思いだよ!!つか兄貴もなんでそんだけモテるくせに彼女作んねぇんだよ!!嫌味か!嫌味のつもりか!?畜生余裕こいてんじゃねえよテメェェェーーッ!!」
「落ち着いて、いいから落ち着いてくださいヴェルサス………。
 あのですね……僕がそういった関係の女性を作らないのは、ギャングの仕事が忙しいからです。懐疑的になっているのはわかりますが、僕にまで当たらないでください。
 というかギャング以前に、色恋沙汰なら僕『トリッシュとブチャラティの進展を生暖かく見守り隊』の特攻隊長に任命されているんで、そっちで忙しいってのもあるんですけどね。ちなみに総隊長はナランチャです。」
「………色恋の特攻隊長って、なにやるんだよ。」
「要は馬の足役ですよ。主に二人の恋の障害になりそうな存在(ボスとか)を蹴り殺す役割です。
 色恋沙汰って絶対自分が当事者になるより他人のそれを応援する方が楽しいというか、盛り上がると思うんですよね。というか女性と付き合うのって、いちいち嫉妬されたり依存されたり理不尽な要求突きつけられたり面倒なことが多すぎるんですよ。無駄すぎます、無駄。どう考えてもリスクとリターンが釣り合わなさすぎますよ。正直理解できないというか…………。」
「あの、兄貴、もうその辺で………なんか向こうで、父さんが今の聞いて泣いてるから……。」





 その日の晩の、居酒屋『究極生物』にて。


「………長男が、孫作る気微塵もない………ッ!!」(ダンッ)
「……まぁ、なんだ。飲め。」
「なぁ、そんなことより俺昨日お前の所の長男に蹴り殺されたんだけど……。」



(唯一の希望、潰える。そしてエイプリールから半年、嘘からまことが出ました)









<台風>

ビュゴォォォォォザザザザザガガガッガゴゴゴゴゴ…………

「………また神父、ウェザーと喧嘩してんのかな。」
「ご近所全体巻き込んでとは、相変わらずはた迷惑な兄弟ですね。」
「ほら、お前たち。外確認し終えたらちゃんと窓は閉めなさい。戸締りもしっかりと。くれぐれもカタツムリが入ってこないようにな。」
「はぁーい。」(バタム)



「さて、お前たち。見ての通り、今日は台風だ。風も強く、外に出るのは非常に危険だ。よって、今日は皆外出を控え、家で大人しくしていること。いいな?」
「「「「はーい。」」」」
「ハルノは今日、ギャングの仕事は休むように。例の、ええと、なんだったか、こけしに似た奴に連絡しろ。」
「……ブチャラティのことですか。」
「リキエルも、念のため一旦バイクは家の中にしまった方がいい。仕舞う際は自力でやらず、ヴァニラやヌケサクに任せるのだぞ。あいつらならば多少トタン屋根が飛んでこようと大丈夫だから。」
「うん、わかった。」
「あと、ウンガロ。もう戻ってきているとは思うが、一応ペットショップに一声かけておいてくれるか?この風では、あいつも屋内の方がよかろう。」
「うーい。」
「そしてドナテロ………わかっているとは思うが、何があろうと決して外に出ないようにな。窓の傍に立つのもやめておいた方がいい。何が飛んでくるかわからんから。」
「待てよオイ、なんで俺にだけ繰り返して言うんだよ!そんなに俺が信用ならねーかッ!!」
「そうではない。………万が一プッチから連絡があったり引力にひかれたりでもしたら一大事だろう。」
「………把握した。了解。」
「よし。
 では、全員気をつけるように。私は台風の勢力と規模、及び近所の被害状況を知るためにも、ちょっとばかり吸血鬼の身体能力活かして直接調べてくるからなーー!(うきうき)」(バーン!と出ていく)
「ようはここぞとばかりに昼間外に出たかったわけだな親父わっかりやすー!」
「あ、ちょ、父さん!出かけるのはいいですけど先に天気予報見てから……!」



 ……2時間後。


『WRYYY…………晴れてしまった……。家に帰れない……!』(電話越しに)
「あーもうー!だから言ったのにー!」



(どうやら今回は、2時間で決着がついたらしい)









<受け継ぐ>

「…………君たちは、ディオの何を受け継いだんだろうね。」
「うん?おじさん、受け継ぐって何が?」
「ああ、いやね。ディオが聞いたら怒るかもしれないけど、正直僕には、いい意味で君達がディオの息子とは信じられなくてさ。
 子供っていうのは、親が持っているものを受け継いで成長していくものだと、僕は思っている。僕が父さんから『ジョースターの精神』を受け継いだように、人は皆、誰かから何かを『受け継いで』生きていく。
 だから、君たちも……ディオの、その………心を、受け継いでいるんじゃないかと、思ってね。」
「………受け継ぐ………。」
「親父の………。」
「「「「………………………。」」」」
「うん、だから最初会うまでは、ディオの邪悪な部分まで受け継いでるんじゃないかって心配だったんだよ。それで……。」
「……まぁ、さしずめ僕が受け継いだのは、父さんの人を引き付けるカリスマ性と人心掌握術、といったところでしょうか。あと強運と、髪の色。」
「あっ兄貴、長男だからってズリーよ。オレだって、こないだケニーGに『やっぱスタンドのスケールのデカさがDIO様そっくりですね』って言われたんだぜ。」
「そりゃお前、顔に対するフォロー入れられたんだよ。なんにせよ、グフッ、勝ったな。俺なんか親父本人から『お前は昔の私によく似ている』って言われたことあるからな。」
「ヴェルサスそれ、黒歴史乙って意味だったんじゃないですか?」
「………………………………………。」


ストーン。
ストンストンストーーン。


「まっ、まぶたがァァーーッ!!」
「ちょっリキエルてめぇ!口で勝てなかったからって暴力に訴えるのはDQNのすることだぞ!?」
「あの、悪かったですから!僕も髪の色まで持ち出してちょっと大人げなかったって謝りますから!だから脳幹の体温だけは……!」
「待ってくれ、なんで僕まで……!というかジョルノ君たちも、途中から受け継ぐ関係なしに父親と似てるとこ自慢になっていた気が……!」



(多分全員、沸点の低さと迷惑度は十分受け継いでるよ)









<兄弟喧嘩>(無駄家族以外も出演)

「本当に、弟なんて持つもんじゃありませんよ。似ていないわムカつくわ変なとこで張り合おうとするわ些細なことですぐつっかかってくるわ、ろくなことがありません。おまけに少したしなめただけで『偉そうに兄貴面すんな』ですって?そっちこそ、勝手に弟になった分際で偉そうにするんじゃありませんよ!!」
「あー、わかった。わかったからジョルノ、少し落ち着け。な?」
「よおブチャラティ、どうした?なんか随分とジョルノ荒れてるみてぇだけど。」
「ああ、ミスタか。いや、どうやら今日、すぐ下の弟さんと少しもめたらしくてな。」
「またかよ!毎回よくやるよなー。」
「僕のせいじゃありません、ヴェルサスがいけないんです。」
「はいはい、わーったから。」
「なんですか、その口ぶりは。
 ああ、そうですね。たしかにヴェルサスのいちゃもんは今に始まったことじゃないし、無視して軽く流してやればよかったものを同レベルになって張り合った僕にも非がありますね。年上とはいえ向こうが弟で、例え10歳差とはいえ僕の方が兄なんですから、僕が大人になって譲ってやるべきでした。ええ、全面的に僕が悪いですよ。」
「おいおい、そうヤケになるなって。」
「なんだかなァ〜、普段は15とは到底思えねぇくらい大人びてるくせに、家族の事となると途端にガキになるんだからよ。」
「いいなぁ〜、ジョルノ……父親とか弟とかさー。俺も兄弟欲しいなぁ〜。」
「欲しいのでしたらいくらでもお譲りしますよ、ナランチャ。ただし、20代も半ばになって未だに社会に適合できてないニートヒッキージャンキー三点セットでよければですけど。今ならおまけで、息子が口論してても『こらこら』くらいしか言わないで仲裁もせず笑って見ているだけの役に立たない人外の父親も付いてきます。」
「ジョルノ、いい加減その辺にしておけ。喧嘩ができるのも、相手がいるおかげだろう?」
「ブチャラティまでそんなこと言って……!ああもう、いっそ一人暮らしでもしようかな。前は金銭的な理由で学生寮以外選択肢がありませんでしたけど、今はもうギャングの収入がありますし。」
「こらこら。」
「ったく、バカか。いくら金があろうと、15のガキが一人暮らしなんざできるかよ。」
「馬鹿にしないでください、アバッキオ。それぐらい僕だってなんとかなりますよ。
 料理なら煮たり焼いたりの簡単なものなら一応できますし、洗濯や掃除だって同じです。もともと学生寮だって、朝食と夕食が出る以外はアパート暮らしと大差なかったんですから、一人でだって…………………………。」
「……………?どうした、ジョルノ?」


「……………………ひとりで、平気……ですとも。
 前まで、そうだったんだから……朝、起こしに来てくれる人がいなくたって、食事の時誰かと話すことがなくったって、平気の……はず、なんです…………。」


「……………。」
「………すいません、僕、帰ります。
 ……あの、書類、書類を忘れたので。ちょっと取りに戻るだけですから。」
「ああ、わかった。行ってこい。」
「多分その書類、サインするのは明日でも構わないからな。そのまま帰ってもいーぜ。」
「取りに行くだけなんですから、そんなにかかりませんよ。…………けど、そうですね。明日できることを今日するのは無駄ですからね。今日は、直帰します。……………じゃ。」

ガチャ……バタン。

「………やれやれ。全く手のかかるボスだ。」
「ブチャラティー、なぁー、俺も弟欲しいー。」
「はははは、何故俺に言うんだナランチャ。俺は産めないぞ。」
「あ、俺は彼女が欲しい。」
「ミスタ、それは自力で頑張れ。」



(護衛書き分けできねぇ。そしてごめんフーゴ、入らなかったorz)









<兄弟喧嘩・翌日>(無駄家族以外も出演)

「おはようございまーす!」
「お、ジョルノおはよう。で、昨日はどうだった?」
「え?何がですか?ああ、書類でしたら、昨日家でサインすませましたよ。ほら。」
「そうか。………ふふ、その様子じゃ、弟さんと仲直りしたんだな。」
「あ!そうなんですブチャラティ聞いてくださいよ!
 昨日帰ってみたら、ヴェルサスがなんとプリン買って帰ってたんですよ!あのヴェルサスが!
 で、そっぽ向きながら『昨日はちょっと言い過ぎた』だなんて言ってきて、もう僕驚くを通り越して笑っちゃいましたよ。でも、謝る時でもまだ優位に立とうとして上から目線を貫こうとするあたり、いかにもヴェルサスらしいですよねー。しかも、そのあとに続けて『でもまだ砂糖入りは認めてねぇからな』って言って、そこでまたちょっとムッとしたんですけどそこはやっぱり僕が大人になって……。」
「ちょっと待て………オイ、今何か気になる単語がなかったか?」
「はい?どうかしましたか、アバッキオ?」
「いや………その、『砂糖入り』ってなんだよ。つか、そもそもテメェら一体何で喧嘩してたんだ?」
「………ああ!そのことですか。
 だって、ヴェルサスったら信じられないんですよ?お前はおかしいとか、兄として認められないとか好き勝手なこと言って、挙句にそんなに嫌なら別々に作りなおしてもらえばって僕が言ったら『兄貴のわがままでヴァニラにそんな手間かけさせられるか』だなんて……わがまま言ってるのはそっちだって言うのに本当に………。」
「いいから、何が原因だったのか言ってみやがれ。」
「……………ヴェルサスったら、『例え天地が返っても卵焼きに砂糖が入ってんのだけは許せない』なんて言うんですよ?甘くなかったら卵焼きじゃないでしょうに。あんなことでマジギレするなんて、25にもなって本当に子供ですよね?」

「ガキはテメェだよ!!!!」



(気持ちは分かるが落ちつけアバッキオ、それ一応上司)









<芸術の秋>(無駄家族以外も出演)

「彫刻家……ねぇ。」
「はい。まだあまり売れているとは言えないのですが……。
 それで、今日は資金援助のお願いに来たのと、それと、もう一つ………。」
「なんだ。一応言ってみろ。」

―――――――バァン!ドダダダダ……ゴガンッ!!

「………是非とも、貴方をモデルに像を作らせていただきたい。」
「ほほう!」

―――――――ガラガラガラガラガラ………ガズゥッ!

「今日ここへ来て驚きました……。貴方は、他の誰とも違った魅力を持っている。腕に自信はあります。どうしても、貴方のその得体の知れない雰囲気を、自分の手で表現してみたいのです。突然の、不躾な願いだとは承知しているのですが……。」
「ふむ、いやいや、このDIOの美しさに目を付けるとはなかなか見どころのある………まあ、いいだろう。
 そうだな、あまり気は乗らんが、そこまで言うのであれば仕方がない、まぁ許可してやらんこともないな。ついでだから、援助の方も都合してやろう。好きな額を言うといい、8ケタでも9ケタでも。」
「ありがとうございます。」

―――――――兄貴!そっちいったぞ!
―――――――うわっ!危ないッ!

「そうそう、それと………スコリッピ君、といったか?
 君は他の人にはない、何か特別な能力を持っているそうだね?私も実は似たようなものを持っているのだが………ひとつ、それを私に見せてくれると嬉しいんだが。」
「はい。ローリング・ストーンズと………そう、私は呼んでいます。」

―――――――ちくしょう、下から襲ってくるぞ!
―――――――違うヴェルサス!上だッ!逃げろ!!

「ローリング・ストーンズ……それはどういう……………ああ、すまない。どうにも騒がしくていかんな。
 たぶん、息子たちが遊びに熱中しているのだろう。一言言ってくるから、そこで待っていてくれ。」

…………ガチャ。

「おい、お前たち?盛り上がるのはいいが、今客人が来ているからもう少し静かに………。」
「っだぁぁーーーッ部屋から出てくるんじゃねぇぇーー親父ッ!!」
「WRYYYッ!?ど、ドナテロ?何事だいきな………む?何だこの岩は……。」
「わーーっ危ない危ない!触るな父さんそれ絶対触るなよ!!時止めても殴っても駄目!!」
「親父とヴェルサスは死の運命背負ってんだから、触った瞬間安楽死するぞ!?兄貴早くGEで粉々にしろって!」
「やってますよ!でも僕破壊力Cだし、動きが不規則だから狙いづらくて……ッ!誰か、ヴァニラさん呼んでガオンさせてください!それかディアボロ召喚して!」
「くそっ、いいから扉閉めろ親父!ここは俺が穴掘って食い止めるから、まだ部屋から出んじゃねぇぞッ!!」

ドバタムッ!!

「……………………………何が起こっているのだ、一体。」
「……どうも、ウチのスタンドがご迷惑おかけします。」



(世界で最も危険な芸術と思われる)









<読書の秋>

「兄貴って、普通そうに見えて実は結構変わってるよな。生物図鑑を『読む』って発想が俺にはもう理解できない。」
「スタンドのこともありますし、眺めているだけでも案外楽しいものですよ。大体それを言ったら、リキエルなんて買ってくる本といったらバイク雑誌とオカルト本だけじゃないですか。」
「う……い、いーじゃん。子供向けの絵本か漫画しか読まないウンガロよりマシだろ。」
「あっ、なんだとぉ?絵画とかの本だって見るんだからな、親父に借りて。」
「………そういえば、ヴェルサスってどんな本読んでるんでしょうね。」
「読むのか?まず。なんか本とか嫌いそうじゃね?」
「スタンド絡みで考えたら、意外と史実の本とか、歴史小説とかかな。あるいは世界仰天ニュースみたいなのとか。」
「ちょうど今留守だし、こっそり部屋の本棚覗いちまおーぜ。えーっと、何々……。」(ごそごそ)


『幸せになるには 〜自分を変える10の方法〜』
『幸福人生論』
『後悔しない一生の送り方』

 etc……



「「「…………………………。」」」
「ただいまぁー……っと。あっ、お前ら何勝手に人の部屋……。」
「ヴェルサスゥゥーーーッ!!俺らっ……俺ら、きっと幸せになろうなぁ!!」(ひしぃっ)
「ななな何だよ突然!?」



(でも多分、本屋でタイトル見て衝動的に買ってそのまま読まずに放置してるだけとかだよ)









    


------------------------------------------------------------------------------------
 秋の無駄家族フェア開催中。ようやく5つ全てコンプリートォ!