<短冊>(3部アニメ&ジョジョリオンネタ等含む)

「お、見ろよ兄貴!デッケェー笹!と、飾り!」
「おや、本当だ。
 成程、今夜は七夕でしたね。『ちびっこ七夕祭り』‥‥地域のイベントでしょうか。」
「机と、細長い紙も置いてあるぜ。多分これ短冊だよな。ご自由に、ってことかな。」
「ほぉー。どれどれ‥‥。(ひょい)」
「こら、ヴェルサス。人の願いを覗き見するなんて趣味が悪いですよ。」
「うるせーなぁぁぁいちいち。見られるような場所に吊ってんだから、見てもかまわないってことだろ。
 大体『ちびっこ』なんて書いてあるってことは、こんなもんに参加してるようなやつはガキばっか‥‥‥。」


『勇気を持ちたい   ボインゴ』
『明日って今さ   ポコ』
『スカ○ロ反対!   マニッシュ・ボーイ(代筆・カメオ)』
『どうかこの僕に、人殺しをさせてください   S.K』


「‥‥‥‥‥‥‥確かに子供だけど、さぁ‥‥。」
「なんか殺人予告あったぞ、今‥‥。」
「‥‥後半はともかく、前者二つは一応決意表明と受け取れますし、去年(<願い事>参照)神父が言っていた本来の七夕の意味とも合うのでは?」
「うーん‥‥。あ、こっち側にもあるな。」


『ぜったい×2、JOJOの奴を振り向かせてギャフンと言わせてやる!!   アン』
『ジョースケLOVE ず〜っとウチにいてね   ◇』
『おねいちゃんの かみの毛 ほしいな   つるぎ』
『夫といつまでも『幸福』に暮らせますように   Lucy』


「あー、恋愛系の短冊かー。オンナのコって本当こーゆーの好きだよなァー。おまじないとか、占いとかさぁぁ〜〜?」
「ホントに『女の子』かァ?少なくとも最後のは人妻じゃねーかよォォ。」
「おや‥‥こっちは。」


『アナスイが、早くお姉ちゃんにプロポーズできますように   エンポリオ・アルニーニョ』


「ウゲッ、あのガキかよ‥‥。」
「こういうのはいいですね‥‥自分の為ではなく、誰かのために願うことができるのは、とても素晴らしいことだと思います。この子は、きっと本当にこの二人を応援しているんでしょうね‥‥。僕もよくわかります。」
「ああ、兄貴も確か、ギャング組織内で恋路応援隊の特攻隊長やってるもんな。」
「いえトリッシュは一応一般人で‥‥‥おや?これ、二枚重なってますね‥‥。(ペラリ)」


『あと、神父は早く夢から覚めるべき   エンポリオ・アルニーニョ』


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥辛辣ですね。」
「‥‥エンポリオ‥‥気に入らね―ガキだが、スタンドの性質といい、こういうところは俺と『似ている』奴なのかもしれないな‥‥。
 よし、気に入った。とりあえずこの二枚目の隅に、星マークを描き加えておいてやろう。」
「ツイッターか!」



(短冊ふぁぼ。ちびっこ人選はほぼ14歳以下が基準(一名+代筆を除く))









<人面犬>

「なぁ〜、親父ィ?親父って昔、人面犬作ったことあるんだよなァ?」
「ああ、あるぞ。
 何だウンガロ、見たいのか?呼ぶか?電話すればすぐに来るぞ。」
「いやいらねぇ。‥‥ってか、未だに連絡つくのかよ。とれんのか?電話。
 そうじゃなくてさ、親父って確か犬がニガt‥‥‥‥オオホーン、オホン‥‥その、犬が嫌いだったじゃん。
 なのに、なんでわざわざ人面犬なんざ作ったんだ?」
「ふむ‥‥まぁ、主な目的は『実験』だな。
 何しろ、あの頃の私は人間を止めたばかりだった。傷を癒し肉体を回復させることも重要ではあったが、新たに手に入れた能力について‥‥吸血鬼のパワーについて、可能な限り知っておく必要があった。
 ゾンビ化は人間以外にも通用するのか、死体はどのレベルまで朽ちていても復活させることが出来るのか、別の肉体同士を繋げた場合は果たしてどちらが意識・主導権を握るのか‥‥そうしたことを知るために、色々と思いつく限りを試していたのだ。
 人面犬の作成は、動物も問題なくゾンビにできること、頭と胴体を繋げば脳のある頭の方が主体となることが分かった訳だが‥‥言うなればこれが、のちに自ら首を落として生き延びるという判断材料になったわけだ。」
「ああー!そっか、それでジョナサン伯父のボディ強奪に繋がるわけか!」
「うむ。その通りだ。余裕があれば、縦に二つに裂いた人間同士をくっつけてみるというのもしてみたかったものだ。脳も、身体も、何もかもが半分ずつ『混ざり合った』状態‥‥‥そんな人間は、果たして何者と呼べるのだろうな。フフフ‥‥‥。」
「うっわ、エグぅ‥‥。しっかし時止めといい、親父本当そういうの試したがりだよなぁ。
 なんかアレだよな。親父なら人面犬どころか、てけてけとかも自力で作れそうだよなァー。」
「ん‥‥?テケテケ‥‥とは、何だ?」
「えーっと、上半身だけで動くモンスターだよ。腰から下がなくて、腕だけで歩くやつ。元は、踏切事故か何かで身体が真っ二つになったやつの幽霊だって話だけど‥‥近所だとなんか、こないだ兄貴が入院した病院で見かけたとかって噂もあるぜ。」
「ほほう‥‥面白そうだな。上半身と下半身、か。
 せっかくだ、試してみるかな。ちょうどそういう奴に心当たりがある‥‥。(ニヤリ)」



(ツェペリさん逃げてェ―――――ッ!!あと定助も逃げて!)









<紫鏡>

「なぁ、兄貴‥‥知ってるか?
 『紫鏡』って言葉を二十歳まで覚えていると、そいつの命は二十歳で終わるんだとよ。(ニヤニヤ)」
「‥‥‥そうですか。それで、何故僕に今その話を?」
「いいや〜?別に深い意味はねぇぜ?
 ま、どの道俺やリキエル達は二十歳超えてるから関係ねぇんだけどな。親父はもちろんディエゴも‥‥‥ああーーっと、今気づいたけどそういや兄貴はまだ二十歳超えてねぇんだっけなァァ〜。グフッ。」
「‥‥‥‥‥‥はぁ。
 なんというか、そうやって思い出したように小さな嫌がらせをしてくる所はとてもヴェルサスらしいと思いますが、せめてもう少しTPOや効果を考えて仕掛けてきたらどうですか?」
「あァ?」
「確かに僕はこの館で唯一の十代ですが、現在15歳です。今19歳の半ば頃だというのならともかく、問題の年齢になるまであと五年はあります。こんな雑談の単語を僕があと五年間もずっと意識して記憶し続けると思いますか?」
「う。」
「それとも、僕が二十歳になるまでの五年間、今の話を毎日し続けるつもりでしょうか。それはそれでかなり強烈な嫌がらせにはなるでしょうが。
 どちらにしても、怪談話で人を怯えさせるつもりなら、もっとその場の状況や雰囲気を考えてから切り出すべきですよ。」
「う‥‥‥うるせーーなァァァァいちいちよォォォォッ!(クソッ、兄貴一人だけガキ扱いしてやりたかっただけなんて今更言えなくなっちまった‥‥)
 だ、大体、効果だのTPOだの、ンな細かく考えて怪談話する奴なんざいねぇだろーがよォ!それとも何か?兄貴は生暖かい風の吹く夜にローソクの明かりのついた部屋でしか怪談話をしねーってのか?あぁ?」
「誰もそこまでは言っていませんが‥‥そうですね、では怪談という程ではないですが一つ。」
「‥‥え?」

「風呂場で頭を洗っているときに、『だるまさんが転んだ』と口に出してはいけません。
 頭の中で考えることも危険です。」

「‥‥‥ッ‥‥‥!」
「‥‥‥青ざめたな。(ニヤリ)
 概要は知っているようですね、ヴェルサス‥‥解説の手間が省けました。
 さて、もう夜も更けてきましたね。」
「おい‥‥まさか‥‥!」
「さっき、父さんが風呂から上がったそうですよ。僕はもうシャワーで済ませたので、ヴェルサス‥‥お次、どうぞ。」
「‥‥テメェ‥‥わざわざ入浴直前のこの時間帯に‥‥!」(わなわな)
「‥‥とまぁ、このようにタイミングは重要ということです。」(ふふん)



(ニヤリの角度が父親流なのも長男の小粋な嫌がらせです)









<ありのままで>(※某ディズニー映画の曲ネタ)

「親父のあれ、あの昔の技、気化冷凍法だっけ?あの技だったらあの曲フリ付きで完全再現できるんじゃね?
 なぁー親父ィ、試しにさぁ!いっぺんでいいから、な?」
「ヌウッ‥‥‥ウンガロ、すまんがあれは大分やり方を忘れた上、触れていなければ効果が無いのだが‥‥。あのように手から直接冷気を出すというのは、少々‥‥。」
「‥‥雪ではありませんが、似たようなことなら。」(ブワァッ‥‥)
「おおおーー花吹雪‥‥イケメンアピールだな、腹立つ。」
「ヴェルサスそれ完全にいちゃもん‥‥。
 ‥‥‥『白くて小さいものを手の上で操る』のでいいなら、俺だって一応‥‥。」
「リキエル、ロッズはよしましょう、ロッズは。」

「振りか‥‥そういえば、先日の飲み会で酔った吉良がその曲を踊り付きで歌ったのだがな。
 どうやら、仕事で色々と溜め込んでいたような‥‥サビ辺りから、そこらのテーブルやら椅子やらを手当たり次第スタンドで爆破しつつ、笑顔で『ありの〜ままの〜』と歌う姿は、なかなかに空恐ろしいものがあったぞ。」
「洒落になんねェよそれ!!」
「ま、周りは無事だったんですか!?店とか客とか父さんとか!!」
「うむ、なんとかな。一番が終わる辺りで、店員の一人‥‥ええと、エシディシとか言ったか?あれが、ドモンされるのを覚悟で取り押さえた。
 本来ならば、同席していた我々が先に止めればよかったのだろうが‥‥爆音と共に響く吉良の歌声が、存外美声だったせいで、皆少々動揺して対処が遅れた。いくら酔っているとはいえ、あの吉良が歌って踊るというのはなかなかにレアな光景だったものでな‥‥。」
「聞き入っちゃったのかよ‥‥‥。」



(キラと爆破の女王)









<白い爬虫類>

「昔あったよな、地下の下水道に白い爬虫類が住み着いてるって噂。」
「ああー、あったな。ペットのワニかなんかが逃げ出して、下水道で巨大化して‥‥って話。」

「おっ、ヴェルサスにウンガロ!丁度良かった。この辺で、恐竜を一匹見かけなかったか?
 さっき作った奴が逃げ出してな‥‥場所がうまく感知できないんだ。おそらく暗く湿った場所にいるのはわかるんだが‥‥。地下かもしれない。
 早いうちに見つけないと危険かもしれないんだ。何しろ元の生物がヤドクガエルだから‥‥。」
「‥‥‥なんでそんなモン恐竜にしたんだよ、ディエゴ。」
「急に降ってきたからだよ!大半避けたが、避けきれなかったやつを恐竜化して毒の破裂を免れたんだ。
 全く、ここらの天気は一体どうなってるんだ?この間はやたら虹が出てカタツムリや虫が増えるし‥‥‥今日のも、空から色とりどりのカエルが降ってきた時はなにかと思ったぜ。
 ああ、そうそう。変化させたヤドクガエルの色は『白』だったな。」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥現実になっちまったな、都市伝説。」
「‥‥‥大丈夫だって、ヴェルサス。カエルは両生類だからさ。」



(そういう問題ではない)









<白い糸>

「そういえば父さんも兄貴も、ピアス開けてるんだよな。
 なぁ、この間聞いたんだけど、ピアス穴から白い糸が‥‥‥‥。」
「ああ、視神経を切ってしまったって話ですか。
 いいですか、リキエル。視神経とは脳神経の一つであり、脳と直接つながっています。したがって耳たぶに穴を開けようと、視神経を傷つけたり視力が失われることはありません。
 ゴッホは自らの耳たぶを切り取ったそうですが、その後彼の視力に異常は出ませんでした。
 更にいえば、視神経の太さはおよそタコ糸ほどであり、ピアス穴のような小さな穴から出てくることは不可能です。」
「‥‥‥‥‥さすが兄貴、生物学に特化してやがる。
 でもごめん、そういう話じゃなくってさ。」
「おや、違いましたか。」
「うん、視力奪うなら俺ロッズ使うし。
 そうじゃなくて、この間父さんが『ブチィッ』ってピアス開けてる時に、血と一緒に細長い何かが耳から垂れ下がるのを見た気がしたんだけど‥‥‥あれは、視神経かな、それとも肉の芽かな。」
「‥‥‥‥‥‥肉の芽は通常髪の毛から変化するものですし、視神経なんじゃないですか、多分。」
「兄貴、さっきの話は。」
「あれは人間の話。父さんは吸血鬼ですから。」



(適当長男。吸血鬼の体質なら頭の天辺から足の小指の骨を取り出させることも可能)









<パンケーキ>

「‥‥パンケェーーーキィィ。」

「「「「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」」」」(ゴゴゴゴゴゴゴゴ‥‥

「‥‥生クリーム。」
「メイプル。」
「バター。」
「フルーツ。」


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。


「「「「YEAH――――――ッ!!」」」」(ピシガシグッグッ)


「わ‥‥‥‥和解、だと‥‥‥‥!?」(ゴング手にしたまま呆然)
「‥‥これが、対立もこだわりも全てを超えた、究極の解決法‥‥‥『全 部 の せ』というものなのか‥‥‥!!?」



(カロリー怖いぞ、息子共よ)









<最強スタンド攻略法・2(問題編)>

問題:

 貴方の目の前には、「ジャスティス」のスタンドを使う老婆、エンヤ婆がいます。
 このスタンドは霧状の姿で、広範囲(街一つ分ほど)に幻覚を生み出し、更に死体や人間・動物を大量に操ることができます。
 スタンドに物理攻撃(スタンド同士であろうと)は一切効かず、万一こちらの肉体に傷をつけられるとそこから霧が入り込み、自分の肉体を操られることになります。
 戦いの舞台は幻覚で作られた街ですが、実際には巨大な墓場であり、兵士となる死体は無尽蔵にあります。
 この状況下で、このスタンド使いを、あなたの能力で倒してください。(助っ人や外部干渉はなし)



「‥‥うわぁぁ‥‥‥。」
「来たよ、最強最悪スタンド‥‥。」
「‥‥‥‥‥弱りましたね。傷をつけられた端からGEで治していくにしても、スタンドそのものを攻撃する手段が無いわけですから‥‥‥ジャスティスが普通の霧のように水分や大気として植物に吸収させられればいいんですが、植物自体をゾンビに攻撃されてしまえば終わり。ダメージ反射もゾンビへ行くのだからエンヤさん本体やジャスティスは無傷。
 となるとここは、どうやって死体に囲まれた状態で本体であるエンヤさんを倒すかが鍵になるでしょう。」
「ジョイナーばりの脚力を持つ本体性能も考えてから言えよ、兄貴。なにせあの婆ちゃん『エジプトのダッシュババア』の異名を誇るんだからな。
 まして俺のアンダー・ワールドは接近戦向きじゃねぇし、それもゾンビの群れの中で、傷ひとつ負わずにって‥‥‥‥もう詰んでるだろこれ。」
「‥‥‥‥死体には体温がない、すなわちロッズに攻撃させることも出来ない‥‥。ごめん、この時点で俺も駄目だ。ウンガロ任せた。」
「えー‥‥うー、いっそ物語の中に引き込んで、肉体と精神の分離をだな‥‥‥婆ちゃんの好きな作品ってなんだろ。
 あ、待て。結局オレも弱点オレ本体が攻撃されることだわ。目の前にいるってんじゃ逃げ場ねぇわ。無理。」

「‥‥‥‥‥‥‥エンヤさん、強すぎません?」
「そりゃ、あの年で親父の側近やってるだけあるしな。むしろ倒した空条承太郎が異常なんだよ。」
「兄貴も同じ近距離パワー型だろぉー?同じ方法で倒したり出来ねぇの?」
「無茶言わないでください僕のGEにそんな肺活量はありません。
 ‥‥‥駄目だ、たとえ僕ら四人が協力して対峙していたとしても、ジャスティスを攻略する方法が思いつかない‥‥。」
「ここはもう最終手段『父さん召喚』でいいんじゃないか?」
「助っ人は駄目だっての。」



(タイトルには入ってないけど実は都市伝説ネタシリーズの一つだったり)









<最強スタンド攻略法・2(解答編)>

「お前たち、そう簡単に諦めるんじゃあない‥‥。
 スタンドとは、『出来て当然』と思うことが操る強さの源になるのだぞ?やってみる前に諦めていては勝てるものも勝てんだろうが。」
「だって父さん‥‥相手が悪すぎるよ。」
「全く‥‥ディエゴ、貴様はどうだ?」
「‥‥要は、自分が傷つかずに本体の老婆を倒せばいいだけだろう?簡単な話だ。」
「大した自信だな。だが貴様の恐竜化は生きた生物のみにしかできないのだろう。群がる死体の兵には貴様の能力は通用しない。どう突破する?」
「関係ないな。ただのゾンビに俺が傷一つでも負わされるなんてありえない。スピードも皮膚の強度も、俺のほうが上だ。万一傷をつけられても、霧が俺を操る前に老婆の喉を切り裂けばいい。」
「ふむ‥‥そうだな。貴様の強化した肉体能力であれば、十分にエンヤを殺害できるだろう。」
「もし使用するスタンドがザ・ワールドなら、もっと単純だな。
 ゾンビ共には物理攻撃が通用するんだからザ・ワールドの拳で応戦。本体が姿を表した時点で時を止め、遠方から投石、あるいは一気に接近して腹をブチ抜く。」
「フン、実際には貴様の肉体に傷をつけた時点でエンヤの勝利となるから、そう簡単にはいかんだろうがな。だがまぁ、十分に対応できることは確かだろう。
 ‥‥そういうわけだから、お前たちももう少し頑張りなさい。」
「無茶言うなっての‥‥。じゃあ親父ならどーすんだよ、言っとくがザ・ワールドの話じゃねぇぜ?
 俺のアンダー・ワールドや兄貴のGEでどうジャスティスに立ち向かえんのか、分かるんなら言ってみろよ、ほらよォォォ。」
「‥‥‥色々あるだろう、例えばハルノならば、ハゲタカを大量に生み出して死体を襲わせるとか。そもそも、相手はゾンビ、すなわち死体なのだから、殴った時点でそいつらを材料に新たな生き物を生み出せるはずだろう。」
「あ。」
「次にリキエルなら、ゾンビには体温がないが逆に言えば広大な街の中で体温があるのはお前とエンヤの二人だけということになる。体温を探知し、ロッズが一体でもエンヤに当たり気絶でもさせればお前の勝ちだ。」
「でも‥‥俺のロッズは俺本体の射程距離に比例して制御しやすくなる。逆に言えば離れすぎている相手にロッズを正確に当てるのは‥‥。」
「なに、相手から近づかせれば良いのだ。リキエル、お前が例え傷をつけられ肉体を操られたとしても、ロッズはお前のスタンド能力そのものではない。お前が肉体の自由を失おうとも、ロッズを操るパワーはそのままだ。エンヤがお前を操るために目の前に出てきた時点で、すかさずロッズを打ち込めば良い。」
「‥‥‥なるほど。」
「ウンガロ、お前は敵の意識下のキャラクターだけでなく、周囲にあるキャラクターも呼び出すことが出来たな。道路標識の具現化の時のように、それらはお前を守るために動かすことができる。
 さて、死体や動物、敵の肉体を操るジャスティスだが、果たして『物語のキャラクター』を操ることはできると思うか?」
「うおおおおおッ!!それだッ!絵本なりパンフなりキャラクターの描いてあるモンをオレが持ってれば勝てるッ!」
「勿論、エンヤがキャラクターさえ操る可能性はあるから絶対とは言えんが、試してみる価値は十分にあるだろう。なに、効果範囲で考えればお前のほうが精神力は上だ。自信を持て、ウンガロ。
 そしてドナテロだが‥‥確かお前は、エルメェスとかいう女を穴へ引きずり込む際、そいつの姉を殺したギャングを『過去の姿』として穴から見せ、動揺を誘ったことがあるだろう。同じことを、エンヤの溺愛する息子、Jガイルでやったとしたら‥‥どうなると思う?」
「‥‥さすが親父、悪のカリスマ。エグいこと考えんな。」
「あとは決定打としては『炎』の記憶の再現だな。火事でも、噴火でもなんでもいい。ジャスティスは霧状のスタンド、物理で攻撃ができずとも『熱』で消し去ることが可能だと思われる。ジョースター一行との戦いの時も、アヴドゥルがもしあの場にいればエンヤも危険だったろうな。
 街の景色は幻覚でも、地面は現実のものと同じだ。お前の能力を妨げることはない。」


「‥‥‥以上だ。
 言うまでもないことだが、これは『必ず勝てる』という保証ではない。だが、勝算、可能性の提示としては十分だとは思わんか?」
「「「「おおおーー‥‥‥‥。」」」」(パチパチパチ‥‥‥)
「すげぇぇー、さっすが親父‥‥‥。」
「ふっふっふ‥‥言っただろう、ウンガロ。スタンドに強い弱いの概念はないのだ。能力そのものは重要ではない、発想と準備、そして精神の強ささえあればどんな相手であろうと十分に勝機はある。
 そう、このDIOのザ・ワールドが最強だというのも、時を止めるという能力だけではなくその操り手であるこのDIOの肉体、精神力、頭脳、全てが強靭であるが故なのだ!」
「‥‥そうだな、こいつのこの調子に乗る性格さえなければザ・ワールドが無敵だということを、証明したのがこの俺だからな。」
「ちょっディエゴ黙れ貴様、幼妻なんかに殺された分際で。」
「うるせぇ散々ジョースターに敗れてるくせに。言っておくが俺はジョニィ・ジョースターに敗北したことはなかったぞ。」
「ええい減らず口を!」



(長文考察に定評のあるDIO様)









<口裂け女>

「ねぇ‥‥あたし、綺麗‥‥?」

「ええ、綺麗ですよ。
 大丈夫ですトリッシュ、とても良く似合っています。」
「だって、ジョルノ‥‥あたし、ユカタなんて初めて着るのよ。本当におかしくない?
 足元も袖もヒラヒラして落ち着かないし、反対に腰のところはぎゅうぎゅう締め付けられてるし‥‥こう、上下が変に広がった砂時計みたいになっていない?
 どうしよう、もしブチャラティに笑われたら‥‥。」
「大丈夫ですって。あのブチャラティが、そんな事する人間だと思いますか?」
「‥‥少なくとも、デリカシーはないわよ、彼。」
「‥‥‥‥‥まぁ、それはアレですが。
 とにかく、自信を持ってください。ほら、もう待ち合わせ場所に行かないと。」
「うん‥‥。‥‥ありがと、ジョルノ。」
「‥‥やれやれ‥‥全く、世話の焼ける。‥‥‥‥‥よし、行ったな。(スチャ。‥‥‥とぅるるるるるん、とぅるるるるるん‥‥)
 あ、もしもしナランチャ。ええ、こちらジョルノ。ターゲット先程着替えを終えて出発しました。
 そちらは引き続きブチャラティの誘導と、合流後は遠方より二人の護衛とフォローをお願いします。僕は一度帰って家族で出発後、折を見てそちらに加わります。」



「‥‥なぁ‥‥アタシ、キレイか‥‥‥?」(ゴゴゴゴゴゴ‥‥

「‥‥‥ポマードって三回唱えりゃ、襲わないで帰ってくれるのか?」
「ッテメェェーーーッ人のこと妖怪扱いしてんじゃねぇよッこの穴掘り野郎が!!テメェの墓穴掘らせてやろうか!?」
「うるせぇぇーーなぁぁぁ自分の顔のランクが知りたきゃ家帰って鏡にでも訊いてろ!したら鏡の中から吊られた男が出てきて下から数えて何位か教えてくれるだろうよ!
 つーか何だよその浴衣!シール柄か!?シール柄なのか!?兄貴キャラの分際で薄化粧なんざしやがって、どう見てもデート以外の何物でもねぇだろォォがよォォォォ!!
 どーーせあの金髪まつ毛スーツの奴だろフザけんなもうキレイとか気にするような間柄じゃねえんだろ全くよォォォォォ!!」
「うるっせェェェーーーッそーだよデートだよ!!
 ただ浴衣で夏祭りデートなんざ初めてなんだよアタシだって緊張ぐらいすんだよ!わかれよ!!」
「知るかァァァッ!!せいぜい旧盆にまた帰ってくる姉に『ギャングと交際なんて』って説教喰らってやがれこのリア充が!!」
「おいマジでやめろこないだ絞られたばっかだよクッソ姉ちゃんほんとごめん!!」



「ねぇ‥‥あたし、キレイ?」

「‥‥‥『キレイ』でも『キレイじゃない』でも結局殺されるんだよな、このパターン‥‥。
 たしか本家なら、『まぁまぁ』って答えれば見逃してもらえるっていうけど、徐倫の場合は‥‥。」
「当然オラオラよ、そんな女子の心を全く理解していない回答。
 ちなみに『キレイじゃない』なんて答えたら即効顔面キャッチボール1000球ね。」
「‥‥選択肢の意味がないじゃないかよぉ‥‥‥‥。
 うううう、絶望でまぶたが落ちそうだ。べっこう飴買ってやるから勘弁してくれよ‥‥。」
「いらないわよ、あんなべたべた甘いだけの茶色い飴。屋台のチョコバナナだったら考えてやってもいいけど。」
「ナルシソ・アナスイにおごってもらえよ‥‥。
 ていうか、どうせ彼氏が褒めてくれるのなら他の男の評価なんかどうでもいいんじゃないのか。わざわざ通り魔妖怪みたいな真似して男を半殺しにしていく必要なんかないだろ。」
「‥‥‥もう、一人処刑してきたわよ。」
「え。」
「血染めにしてきてやったわ‥‥出かけに、『まあ、いいんじゃないのか』『少なくとも男には見えねえぜ』と答えたあげく、待ち合わせ相手がアナスイと知るやついてこようとした実の父親を、この拳でね‥‥‥。」
「‥‥‥うわぁ‥‥‥。」



「私‥‥綺麗、ですか?」

「‥‥ああ、美しいな。相変わらず、見事なものだ。
 今日は和装か。‥‥だが、先刻日が暮れたとはいえ、今の季節にそんなに『着込んで』いて、暑くはないのか?」
「あらあら、DIO様ったら‥‥‥女の『化粧』をそのようにからかわれるとは、いけないお人ですこと。」(クスクス)
「フフ、冗談だ。
 待ち合わせのようだが、相手はホルホースか?」
「ええ。花火見物の約束をしております。‥‥もっとも、あの方にとって私が今宵、何番目のお相手なのかはわかりませんけれど。」
「それを承知の上で、か。‥‥ふふふ、どうやら駆け引きの上ではホルホースよりもお前の方に分がありそうだな、ネーナ。」
「うふふふ‥‥お褒めにあずかり、光栄でございます。DIO様は、今宵は息子様方と‥‥?」
「ああ、一度帰って支度をして、再び出かける予定だ。なに、安心しろ。声をかけるような無粋はしない。」
「ありがとうございます。では、私はこれで‥‥。」
「ああ、楽しんでくるといい。」




「くーちー裂ーけーディーエゴーー。」(むにーん)
「ひゃめろウンガロ、頬を引っ張るな‥‥。こら、指喰うぞ。」

ギィィ‥‥バタム

「ただいまー。」
「あ、おかえり―。
 あれ、なんだよ。親父も兄貴達も、みんな一緒に帰ってきたのかぁ?」
「いえ、皆玄関でばったり会ったんですよ。ちょうど家に着くタイミングが重なったようで。」
「へぇー。ま、いーや。んじゃさっそく支度しよーぜ。
 あ、そうだ、さっきネットで見たんだけどさ。今日の祭り、なんか口裂け女が出るらしいぜぇ?ユカタ着てて、『わたしキレイ?』って聞いてくるんだって。」

「「「「ああ、それならもう会った。」」」」

「‥‥えっ?」



(デート女子多発の夏祭り)











    


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 3部アニメ絶賛放送中のため、時折アニメネタも入ります。ご注意ください。
 現在夏のホラーとして「都市伝説シリーズ」更新中。