<新人採用>

「‥‥今年も定員割れか‥‥。
 一体何故だ?前ボスの頃に比べて組織内の風通しも良くしたし、財団の提携や清浄化にも努めている、確実にイメージアップしているはずなのに、何故入団希望者がこんなに減っているのか‥‥。」

(‥‥兄貴真剣に悩んでるようだが、どう考えてもそのクリーン化が原因だよな。)
(だよなー。クリーンで風通しのいいギャング組織とか、活きのいいゾンビみたいなもんだろ。違和感あり過ぎて逆に胡散臭いわ。)

「嘆かわしい‥‥正義や理想を抱き、セリエAの選手よりもギャングスターに憧れる少年や若者の存在はもはや過去なのか‥‥‥ハァ‥‥。」

(‥‥んなレアケースは兄貴一人だろ。)
(なー。つーかそこらのガキがこぞってギャングに憧れるようなったら、その街はもう老人が自殺する寸前だっての。)


「‥‥聞こえてますよ、二人とも。」
「ゲッ!」
「丁度良かった。ヴェルサス、ウンガロ。
 二人とも、折角ですしうちの組織に入団しませんか?」
「何がどう折角なんだよッ!」
「名前だけでも結構ですよ。よほどの緊急事態の時以外召集かけたりはしませんから。
 念の為入団試験は受けてもらいますが、僕の時と違って死の危険まではさほどないレベルです。大体、リキエル程度の精神力と覚悟があれば十分合格ラインですよ。
 どうせ未だに定職にも就いてないんですし、問題ないでしょう?」
「問題しかねぇよ!
 嫌に決まってんだろ兄貴がトップのイタリアギャングデビューとか!!大体緊急事態の時以外って、そんなヤバイ時こそ呼んでほしくなんかねぇよ!」
「駄目ですか‥‥‥まぁいいでしょう。どの道、組織の新人採用は主にスカウトですからね。留置所とか刑務所とか。
 しかしあまりに犯罪絡みの人材ばかり揃えるのはどうかと思いまして、今年は一般の募集にも力を入れたかったんですが‥‥‥‥ああ、そういえばヴェルサスはそもそも前科がありましたね。」
「うるせェェェェテメェこそ入団前からギャング殺してんじゃねーかッ!」
「あれは事故ですよ。」(さらり)
「兄貴‥‥‥なんてまっすぐな目で‥‥!」
「クソ‥‥こいつのどこが黄金の精神なんだよ‥‥むしろこいつこそ自分が悪と気づいてない最もドス黒い悪ってヤツだろ‥‥。
 ケッ、テメェの部下になるなんて時点で、俺は死んでもごめんだな。それならまだしも親父の部下になった方が百倍マシってもんだ。報酬も気前いいし。」


「‥‥本気でやるなら私は止めんが、その場合主な仕事はジョースターの一行抹殺となるが。それでもやるか?ドナテロ。」(ぬっ)
「うおおおおッ親父ッ!?
 きゅ、急に出て来んなよ!ッつーかこんな与太話マジにとってんじゃねーよッ!!」

「(ヒソ)ビビったな‥‥ヴェルサス。」
「(ボソ)まぁ通常運転ですよね。」

「まぁ、本当に刺客となる気ならば、ドナテロの出る順番は最後になるだろうがな。奴らが館に辿り着き、私と戦ったその後だ。」
「それ話終わってんじゃ‥‥。」
「おお、そうだハルノ。組織人事の話をしていたのならばちょうどよい。
 私の配下も今新規採用の時期でな、先日から面接を行っているのだが、その内の一人を今度お前の組織に回してもよいだろうか?」
「え?父さんの部下候補を、ですか?」
「ちょっ待てオイ!面接やってんのかよ親父のとこも!」
「マジで!?親父の部下になんのも面接が要んのか!」
「うむ、一応な。顔見せ程度ではあるが。
 そいつはエンヤの第一面接とテレンスの第二面接を通過し、先日私が最終面接を行ったところなのだが。」
「‥‥うちの組織よりも選考体制がしっかりしている、だと‥‥?」
「私への忠誠も示しているし、見どころもあると思うのだが‥‥どうにも気に食わんというか‥‥正直なところ、目があまり好かんのだ。ポルナレフとか花京院のときのような印象がある。
 だが、単に不採用にするのも、能力は優秀ゆえ万一敵に回られても厄介だ。かといって、肉の芽を刺すのも少々勿体ない、と悩んでいてな。
 そこでだ、ハルノ。お前の組織で雇えば、少なくとも私と敵対することはない。仕える場所は違えど能力も無駄にすることなく、有効に活用できるのでは、と思ってな。どうだ?」
「ベネ。是非お願いします。
 父さんが不快に感じる精神なら、すなわちポルナレフさんのような黄金の精神の持ち主ってことじゃないですか。素晴らしい、そういう人材を求めていたんですよ。すぐにでもお願いします。」
「よし。ならばすぐ手配をしよう。」
「ありがとうございます。
 ああ、それから、面接を通過したのに採用しなかったとなるとエンヤさん辺りが何か言うかもしれません。その時は、僕の方から父さんに譲ってほしいと頼んだことにしていいですから。」
「うむ、気を遣わせてすまんな、ハルノ。」
「いえいえ。」



「‥‥‥やっぱ、なるなら社長だよな。」
「これ以上夢見んなって、ヴェルサス。」



(組織のトップ二名、無職三名にジョッキーが一匹の家族)









<先行出演>(3部アニメネタ有)

「なぁー、テレンスー。最近親父の部下ランクでペットショップの順位が上昇してる、っつー噂を聞いたんだけど、本当かぁ?」
「そもそも部下内でランクや順位があったことも初耳なんですが‥‥しかもそれが、アニメ効果だという話なんですが。」
「おや、ウンガロ様にジョルノ様。
 ランク、という程ではございませんが‥‥少なくとも、原作より早くアニメに出演した影響でペットショップが脚光を浴びていることは確かですね。
 嫉妬やねたみもありますが、それ以上に本来ならば終盤にようやく登場予定だったペットショップが堂々と先行出演したことで、他の者にも『オリジナルで出番が早くなる、あるいは増えるのではないか』という希望ができたのですよ。」
「つっても、どーせ3部は今回ノーカットだろうし、早いか遅いかの違いだろ?そんな気にする程の事かァ〜?」」
「何分、油断のならない業界ですので‥‥。早いうちに出番があることで、存在を消し飛ばされないという『安心』を得られるのですよ。
 とりわけ、前回(OVA)は本当に削りに削られましたからね‥‥。エンヤ婆は若返るわ、館にはDIO様とヴァニラの二人しかいないことになるわで、ペットショップも予防線を張っておきたかったのでしょう。
 私だって、可能なものならば前半戦の間にほんの少々、せめて後ろ姿や影だけでもいいから出ておきたい‥‥ッ!クソ、兄はOVAでも出ているというのに何故私はッ‥‥!」
「『安心』ですか‥‥父さんの部下らしい考え方、なのかもしれませんね。
 そういえば、エンヤさんも原作より早く出演されてましたよね。」
「あー、そーいやそうだよなァァ〜。ホントならエンヤ婆ちゃん、『恐怖を克服する』云々の辺りで出るはずだったのに、タワーオブグレイ戦の前にもう出てたじゃねーか。
 婆ちゃんなら急がなくてもすぐ出番だったのに、あれは何だったんだぁ?」
「ああ‥‥あれは、『DIO様の部下として一番に登場し名乗りを上げる大役(但し裏切り者を除く)はこのワシじゃ!!あのジジイに先を越されてなるものかッ!!』と言って、無理にねじ込んだそうですよ。」
「‥‥ワンチェンさんのときと言い、順位制といい、父さんの部下内では特に老人同士の派閥争いでも起きているんですか?」



(DIO様親衛隊老人組抗争)









<食物論争>(無駄家族以外も出演)

「‥‥WRYYYY‥‥‥‥。」(ぐったり)
「よう、DIO。テメェがそう疲弊しきってるってことは‥‥。」
「また息子がらみか。久々だな。」
「‥‥‥‥承太郎、ディアボロ。ついでに吉良。参考までに聞くが、貴様ら我が子が兄弟同士で喧嘩をしていたらどう止めに入る‥‥?」
「悪ぃな、うちは一人娘だ。」
「同じく。あとはドッピオだが、喧嘩などしたこともない。」
「うちも息子は一人でね。私相手に多少突っかかってくることはあるが、母親相手に激しく反抗するようなこともないし。一応仲の良い家族をやっているよ。」
「グヌゥ‥‥役に立たん奴らめ‥‥!
 うううう‥‥手はあげない、贔屓をしない、アイスに煽らせない‥‥‥3つともやらねばならないのが『父親』の辛いところだ。覚悟は良いか?私は出来ていない‥‥。(ぐでり)」
「やれやれ、よっぽどだな。」
「とりあえず3つ目ぐらいは止めろよ。部下だろ。」
「DIO‥‥よければ、私が命令書き込もうか?一言『争わない』と、DISCで‥‥。」
「プッチ‥‥好意はありがたいがやめてくれ。」
「喧嘩か‥‥。規模や頻度にもよるだろうが、頻繁なら結構なストレスだろうな。家庭で気の休まる暇がないってのは同情する。とりあえず、原因は何だい?」
「‥‥‥主に、食物論争。」
「はあ?」
「貴様らにもわかるように例を挙げると、そうだな‥‥唐揚げにレモンをかけるか否かとか、酢豚の中のパイナップルはありかなしかとか、そうした類の話だ。」
「‥‥‥想像以上に下らんな。ちなみに俺はレモンは認めるがパインは許さん。」
「いや、これは案外根の深い問題だよ、ディアボロ。何しろ、好みの問題には妥協点がない。AかBか、是か非か、片方が折れない限り永遠に平行線なのだから。私はどちらも美味しいと思うけどね。」
「俺はどちらもなしの方が好きなんだが、酢豚はお袋と徐倫がどうやらパイン派らしいんだよな‥‥。」
「私はその日の気分によるな。レモンもさっぱり食べたい時には欲しいし、パイン入りも甘いのがほしい時にはいい。気分じゃないときに会社の飲み会とかで出ると辛いがね‥‥。
 あ、カーズ。唐揚げ追加で。レモンも頼むよ。」
「喜んでェェィッ!!‥‥全く、味ごときでそうも揉めるとは、つくづく人間とは面倒なものだな。
 そうそう、先日ファニーが店に来た時は唐揚げと共にケチャップを注文していたぞ。小皿に出してつけて食べるのかと思ったら、盛った唐揚げに直接そいつをブチまけてな‥‥。」
「うげ、高血圧で早死にするぞあのメタボ。」
「死んでもどうせ隣の世界から次のが来るんだろ。ディアボロと同じで残機無限だからなアイツ。」
「おいッ!あんな奴と一緒にするな!」

「ええい、このDIOの嘆きを無視して雑談で盛り上がるなマヌケ共がァ‥‥!」
「例を出したのはテメェだろ。
 そういや、そのテメェはどうなんだよ。どうせ料理してるのはお前の部下だろ?お前の好みで統一させりゃ、争いも起こらないんじゃねーのか?」
「‥‥‥‥このDIOの生まれた時代には‥‥というか今もだが‥‥イギリスでは料理の味付けは個人でするものという考え方が一般的だ。素材はシンプルに調理し、食べる者が自身の好みに応じて酢や塩を用いる、ということを食事の前提としている。
 故にッ!!そもそも食事の好みなど各々で異なっていて当然!他者の味付けが気に入らないからと言って争うなど、最早無駄の極みなのだ!我が子のことだから頭を悩ませているだけであって、本来ならば他者の食事の好みや‥‥低俗な諍いなど‥‥‥どうでもよいのだァーーーーーッ!!(バァァーーン!!)
 ‥‥‥‥‥だが、そんなことを息子に言えるわけがない‥‥‥そもそも私人間の食事は息子たちに付き合って摂っているだけで本来は必要ないし‥‥。」(しおしお‥‥)
「あーあー机突っ伏しやがって‥‥こいつやっぱ酔ってんな。」
「食事必要ないって、酒はキッチリ飲むくせにな。
 あ、カーズ。こっち生中と酢豚追加。パイン抜きでな。」
「はい喜んでェェィッ!!」



(愚痴DIO様とよく食うラスボス)









<薬>

「頭痛がする‥‥は‥‥吐き気もだ‥‥くっ‥‥ぐう…。
 な‥‥なんてことだ‥‥このDIOが‥‥‥二日酔いだと?
 吸血鬼の身体は病すら無縁のはずだというのに‥‥‥‥やはり、愚痴を吐きながらのヤケ酒はまわりやすいということか‥‥ええい、100年前とまるで変わらぬこの体質が忌々しい‥‥!」
「大丈夫か?父さん‥‥。昨日は随分遅かったけど、なにかあったのか?」
「い、いや、大丈夫だ、リキエル‥‥心配ない。少々、酒の席が盛りあがっただけだ‥‥。(息子の愚痴で悪酔いしたなど、当の息子に知られる訳にはいかんッ!)」
「そう‥‥付き合いもほどほどにしなよ。でも、顔色も悪いし‥‥。ああ、そうだ。

 父さん、気分が悪いのなら‥‥‥(スッ)この薬を飲みなよ‥‥。」

「‥‥‥ッ!?」
「この間、パニック障害の薬を貰うついでに買ってきたんだ。
 吸血鬼に効くかどうかはわからないけど、気休め程度にはなるし‥‥‥父さん?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥。」
「‥‥‥そんな、凄い顔しなくとも。
 大丈夫だって、毒なんかじゃないから。盛る理由も別にないし、そもそも効かなさそうだし。」
「わ、わかっているッ!別に、恐れてなどいないッ!うむ、貰う、貰うぞ!リキエル!」
「‥‥顔に影かかってるぜ。別に無理しなくてもいいけど‥‥。」
「無理などではないッ!いいか、このDIOはな!息子に毒を盛られ殺されるような父親にだけは決してなるまいと心に誓っているのだッ!!」
「ちっちゃいって、目標‥‥。」(苦笑)



(この後、色々ごまかすように勢いよく粉薬を煽り、大いにむせまくるDIO様)









<観賞会>(3部アニメネタ有&無駄家族以外出演)

「ジョルノ‥‥‥例のものは?」
「ここに‥‥ブチャラティ‥‥。」(スッ、と一枚のDISCを取り出す)
「よし‥‥では、皆を集めよう。全員で、中を確認する。」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ‥‥‥



〜パッショーネ視聴覚室(!?)にて〜


『わかった‥‥いま、見えたんだ‥‥!
 やつは鏡から鏡へ!映るものから映るものへ!飛びうつって移動しているッ!』

「うおおォォーーッ!イカスゥゥーーッ!」
「この短時間で敵の能力を正確に把握するとは‥‥流石だな。やはりあの判断力と冷静さは天性のものだったのか。先週は激昂したところを敵につけ込まれたが‥‥。」
「でもよぉーブチャラティ‥‥妹のカタキって奴が相手じゃあそりゃ仕方ないだろォーー?俺だって、トリッシュが万一ンなことされたら‥‥‥
 ッああーーーッ!!あいつッ、ガキの目にッ!?ちくしょォォーー、なんてヒキョーな野郎だッ!」
「ナランチャてめー声がでけーんだよ!台詞が聞こえねーだろーがッ!!」
「台詞と言えば、さっきのカキョーインの台詞‥‥僕が戦った敵のスタンド能力を根底から否定するあの発言が、どうしても気になる‥‥。」
「フーゴも落ち着いて。そろそろ、見せ場がきますよ。」
「お、そっか。ジョルノは一度見てんだよな。録画すん時に。
 けど大丈夫かぁ?親父さんとか、いい顔しないんじゃねぇか?元は敵同士だったらしいし。」
「大丈夫ですよ。家で見る時は、もっぱら父側の視点で見ていますから。
 このJガイルさんも、この話だけ見ると見事にクズですけど、最近では母親思いのいい‥‥‥ああーーッ、きますよ!!」


『‥‥いまから言うような台詞をはいて戦うんだ‥‥。
 「わが名はJ・P・ポルナレフ」
 「我が妹の名誉のために」「我が友アヴドゥルの心のやすらぎのために」‥‥「この俺が貴様を絶望の淵へ」ッ!』

(ヒュンヒュンヒュン!)

『ブチ込んでやる!Jガイル!』


「「ひょおォォーーーッ!!かァーーッちょイイーーッ!」」


「お前達ッ!!何を見ているだァァーーッ!!
 ここを開けなさいッ!今すぐ!それとそのビデオもッ!今止めるんだァァッ!」


ガンガンガン!!ガンガン!(←扉下部に甲羅をぶつける音)

「マズい、当人にバレたッ!皆逃げるぞッ!」
「クソッ、ナランチャの声がでけーから!」
「なんだよー!ミスタだって叫んでたじゃねーかッ!!」
「それにしても、亀状態でよくこの部屋まで移動してましたね‥‥流石はポルナレフさん‥‥。」
「言っている場合じゃないッ!窓から脱出するぞ!それとジョルノ、録画したDVDをデッキから回収しろ!」






「‥‥‥というのが、昨日の出来事なんですが。」
「ほほう‥‥‥毎週録画したDVDを持ちだしていたのはそういう‥‥。」
「ええ。そういう訳で、今度から護衛チームでの3部アニメ観賞会は組織のアジトではなく、ブチャラティ達が暮らしているアパートで行う事になったので、来週から少々帰りが遅くなります。‥‥聞いてますか?父さん。」
「‥‥‥そうか‥‥‥それほどまでに、お前のチームではポルナレフが人気なのだな‥‥ハルノよ‥‥。」(ゴゴゴゴゴゴ‥‥)
「‥‥動揺が顔のカリスマに出てますよ、父さん。
 何しろ、ポルナレフさんは現在の組織の参謀でもありますし、あの時ディアボロ相手に勝利したのもひとえに彼のおかげでもありますから。僕としても、こうしてTVを通じて彼の全盛期の姿を知ることが出来るのはなかなか興味深いです。
 父さんとの確執は知っていますし、承太郎さんはともかくポルナレフさんとはまだ和解もできていないことは知っていますから、一応館で観賞会をするのは遠慮したんですが‥‥。ですから、そう顔に影をかけないでくださいよ。」
「そうか‥‥あの電柱男ごときが‥‥‥‥‥‥‥‥‥まぁ、よかろう。
 そうそう、ハルノ。今思い出したが‥‥ポルナレフの活躍が気になるのならば、あと数週後に奴の代名詞ともいえる話がやってくるぞ。期待しておくといい。」
「え、本当ですか?しかし、Jガイル戦以上に‥‥?」
「ああ。お前の部下にも伝えておけ。見ごたえがあるぞ?何しろ、あの『エンヤ婆』との戦いだからなァ‥‥。」(ニヤリ)



(流石DIO様!ポルにしかできないTOTOナレフ回をいともたやすく推奨する!そこに(略))









<血の繋がり>

「それにしても、見事なほどにバラバラだよな、ジョルノ達は。」
「ん?急にどうした、ディエゴ。」
「いや、ふとな。
 顔立ちだけじゃなく、性格も、好みも‥‥普通腹違いって言ったって、もう少しは似るものだろうに。よっぽど母親の違いが大きく出たんだな。」
「何だと?貴様、このDIOの遺伝子が貧弱だとでも言うつもりか。」
「そうじゃあない。腹違いでも似たような子供が生まれるってのは、つまり父親が同じなだけでなく母親同士も似たようなタイプになるということだ。本妻と愛人、あるいは二番目の妻にしても、男と言うのは自然と同じような顔立ちや性格の女を選ぶということだ。
 にもかかわらず、ジョルノ達がああも4人とも違っているという事は、すなわち‥‥‥‥お前がどれだけ節操なしか、ってことになる訳だ。」
「やかましい。
 フン、当然だろう。このDIOにとって人間の女などただの食料。それ以上の価値もない。ただ、向こうから寄ってきた無数の女の一人。それだけのことだ。」
「だが、その無数の中から、たった4人は殺さずに解放したんだろう。それも子供まで作って。それは何故だ?
 何か、その4人に異なるものというか、他とは違う何かがあったんじゃあないのか?共通点というか、例えばひときわ美しかったとか‥‥‥いや、まぁ、それはないとしても。」
「貴様今ウンガロのことを考えたな?許さん。」
「そう言うお前も察しただろう。」
「‥‥まぁ、それはともかく。
 共通点、ねぇ‥‥。そうは言っても、最早顔すらロクに覚えてはいないが。そもそも行為自体は戯れに行う事はあったが、大抵その後はよほどのことでもない限り血を吸い尽‥‥‥‥‥‥あっ。」
「ん?」
「‥‥‥もしや、と思うが‥‥うむ、共通というか、生かした理由の心当たりが、1つ、あるにはあるのだが‥‥‥。」
「あるのか!一体何なんだ?」
「‥‥‥その‥‥確か血を吸おうとした女の中で、時折、ひときわ‥‥‥‥飲み込めない程マズ‥‥‥‥‥‥‥ッいや!やはり駄目だ!!よく考えたら貴様に話したら確実にハルノ達にバラすだろう!やはり言えんッ!!」
「ちょっ、おま‥‥‥‥えっ‥‥味!?味なのか!?おいッ!!」
「言えんというのに!!」



(そんなんが生まれた理由だったら息子達悲惨にもほどがある‥‥)









<救急>

「えーと、医者、医者‥‥お、ここはどうかな。
 『Dr.チョコラータのワクワクげんきクリニック』だって。』
「拒否します‥‥!!その病院を受診することだけは許可しない‥‥!!」
「えー?割と評判良さそうだぜぇー?
 ほら、ネットのレビューでも『術中、痛みを全然感じませんでした』『悪いところがドロドロに溶けていくみたい!』『寝たきりの間、先生が優しく言葉をかけ続けてくれたお陰で元気になりました』とか。」
「お、スゲェェー、オペの動画配信までやってやがる。」
「明らかに危険でしょうが!そんなところにかかるくらいなら自力で治療した方がマシです‥‥!」
「っつったって、兄貴が治せるの外傷だけじゃん。自分で自分のハラワタ取り出せんのかよ。」
「アイスの食いすぎで食あたりなんざおこすからだろ。グフッ、自業自得だぜ。」
「ううううう‥‥‥。」(脂汗)
「えーっと、ここが嫌ってなると、他に近所に医者は‥‥‥つーか親父も配下に医者の一人くらい雇っとけよなぁぁ〜。いくら自分が不老不死だからってさぁー。」
「ヌウ‥‥すまん‥‥。」
「あ、こことかいいんじゃないか?
 『ツェペリ診療所』だと。うちから割と近いぜ?」
「待て。
 ‥‥‥そこは、止めておいた方がよくはないか?何やら、ビリィッときたり、パパウパウと治されそうな気がする。」
「いやー、チラシにはなんか、シュルシュルギャルギャル治すって書いてあるけど?」



(カビ医者or鉄球先生。ジョジョ界では味方サイドの回復担当は大体主人公という)









<入院>


〜病室にて〜


「‥‥‥父さんの馬鹿‥‥分からず屋‥‥石頭‥‥ゲロ以下‥‥。」(ズーン)
「まだうじうじ言ってんのか、全くよォォォ‥‥。
 もう15なんだし、入院ぐらいどーってことねーだろォ?俺なんかな、あの館来る前は足に銃弾喰らって入院してたんだぜ?」
「あ、俺はその時バイク事故で入院な。」
「オレなんか、ヤクのショック症状。
 何だよ兄貴、そんなにツェペリ診療所の方がよかったのかぁ?しょーがねぇーじゃん、病室いっぱいだっつーんだから。
 それにほら、ここって兄貴の組織の部下がやってるから、組織割引とかなんかが効くんだろ?よかったじゃん。」
「だからなんで父さんも帝王の分際で割引とか気にするんですが‥‥!お中元は貰うし、あの庶民派帝王‥‥!
 だから、部下は部下でも元敵で、しかも明らかに僕を恨んでいるであろう相手なんですよ!そもそも開業なんて認可してないのに一体いつの間に‥‥!最近忙しさにかまけて油断したか‥‥。
 とにかく、誰か携帯貸してください。ミスタか誰に連絡して、この病院今すぐとりつぶします。僕のはどうやら奪われてしまったらしい‥‥。」
「『奪われた』じゃなくて預けたんだろ。入院手続きのときに。」
「駄目だぜー兄貴。病院内じゃ普通、携帯は使用不可。それ以前にここ、なんか知らねーけど圏外だし。」
「くそ‥‥先手を打たれたか‥‥おのれチョコラータ‥‥。」
「落ち着けって、兄貴。ほら、お見舞いのフルーツ籠。」
「何だかんだ言って、病院が怖いなんざ兄貴もまだガキだよなァァ〜?グフッ。」
「ああもう父さんといい、なんで三人ともそんなのんきしてるんですか!!今僕割と生命の危機なんですよ!!
 ううう、いたたた‥‥叫んだら響いて‥‥あと、入院を決めた元凶の父さんはどこですか。一言文句言わないと気が済まない‥‥。」
「あ、なんか院長と話してくるってさ。同意書とか、あと入院のときに必要なもんとか聞いてくるって。
 そーだ兄貴、心配すんなって。親父もさっき院長見かけた時に『いい目をしてる‥‥うむ、気に入った』って言ってたからさぁぁー。」
「だから、父さんが気に入ってる時点で邪悪な精神の持ち主だって証明されたも同然じゃないですか‥‥!!」



(ジョルノ・ジョバァーナ、絶体絶命)









<入院・2>(無駄家族以外も出演)


〜同時刻、院長室〜


「これほどの幸運が、あると思うか‥‥?なぁ、セッコ‥‥。」
「うお、おあっ‥‥。」
「あの小僧‥‥ジョルノ・ジョバァーナが、我らが新たなボスが!まさか、うちの病院に入院してくるなんて!!
 ああ、忌々しい‥‥この私を一度は倒したことに敬意を評して、こうして今も組織に従ってやっているというにの、あのガキはかつてのボス以上に我々に仕事を与えず、干渉どころか監視すらロクに行わない始末‥‥。私が反逆を起こしたところで、負けるはずがないとでも思っているのか?どこまでも憎たらしい小僧だよ‥‥。だが‥‥何より、何よりも腹立たしいのはッ!!
 年末の組織の忘年会で、私とセッコの芸より奴のモノマネなんかの方が注目を集めたという事だッ!!
 クソッ誰だよディオとかディエゴとか!身内ネタなんかでウケをとりやがって!セッコは去年なんか6つもとったんだぞ6つも!!」
「うっ、うおッ、おっ!」
「ハァ、ハァ、ハァ‥‥。
 ‥‥ともあれ、組織のボスとして奴が守られているうちは手出しが難しいが、今の奴はただの病人で、私は医者。立場は完全にこちらが上!
 外界への連絡手段を奪い、身動きをとれなくしてから、ジワジワと苦しみぬかせてやる‥‥クククク、奴のオペの時には録画は任せたぞォォ〜〜セッコォォ〜〜?」
「うっ、うあッ!うおおッ!!」
「良ぉぉ〜〜しッよしよしよしよしよしよしよし‥‥‥いい子だよお前は‥‥。
 おっと‥‥そろそろ奴の保護者とやらが来るころか。セッコ、お前は奥にいろ。私はちょっと、奴の病状や入院規約の説明をしてやらないとな。面会時間についても‥‥もっとも、すぐに面会謝絶になるんだがな‥‥クククク‥‥‥。」



ギィ‥‥バタム。

「どうも‥‥初めまして。ジョルノ・ジョバァーナの父です。
 このたびは、息子がお世話になります。」
「これはこれはご丁寧に‥‥わたくし、院長のチョコラータと申します。(ニコォッ)
 今回は息子さんが突然のご入院で、お父様もさぞご心配でしょう‥‥。」
「ええ、本当に。
 実は私、これまでの人生で医者にかかることがほとんどなかったもので‥‥こうした場所と馴染みが薄いんですよ。
 加えて、身内が病にかかったときも、薬を買ってきたり、医者が家へ往診に来ることはあっても‥‥‥一緒に暮らす家族が入院する、なんてことは、実は初めての経験でして。そのせいか未だに、病院と言うのは施設が悪いくせに儲けることばかり考えて入院を勧めてくる、なんてイメージがあるんですよ。
 今回は息子の身体を考えて入院させることを決めましたが、どうにも不安で‥‥。」
「ははは、病院に馴染みがないのなら、不安を感じるのも無理もありませんよ。
 だが、安心ください。息子さんが完治されるまで、私が責任を持ってお預かりしますから。そう、『完治』するまで、つきっきりで‥‥‥フフフ‥‥。」
「それはありがたい‥‥が。
 もし、よければ、その『安心』というのを‥‥より明確な『形』にしていただきたい。この私に‥‥あとひと押し、『安心』を与えてほしいのだ‥‥。」
「‥‥‥‥ん?」
「なぁに、難しいことはなにもない。君は何もしなくていいし、報酬もある。
 君にも、その『安心』を、この私が与えてあげよう‥‥。」

キャバパァッ!!
ピジュル ピジュル ピジュル






〜再び病室にて〜


「このままここにいてもらちが明かない‥‥いっそのこと、窓をブチ破って脱走を‥‥駄目か。痛みでスタンドが集中できない。その上、窓ははめ殺しの強化ガラス‥‥。本当なんなんですかここ、この無駄なセキュリティ。もはやただの日当たりのいい牢獄じゃないですか。」
「甘いな、兄貴。モノホンの監獄はこんなもんじゃないぜ。」(←少年院経験者)

 ガチャリ!

「ハーイ、回診のオ時間です‥‥。」

「ゲッ、チョコラー‥‥‥タ‥‥?」
「お、おい、兄貴‥‥あの医者‥‥。」

「こレはコれは我らガボス‥‥ゴ加減はいかガデしょうか?(ニコォ)
 ナぁに、ただの軽い食あタりでス。今はお辛イデショうが、ゴ心配なく。
 このチョコらータが責任ヲ持ッて、貴方を健康にシて、DIO様の元へオ帰し致しまスので‥‥‥。」(カクカク)

「う、動きが‥‥なんか、言葉も片言に‥‥。」
「なぁ‥‥あの額でヒクヒク動いてるあれって、もしかしなくても‥‥。」
「‥‥‥‥‥‥父さん‥‥‥‥‥。」



(万能肉の芽)









<入院・その後>

「ンッン〜〜♪調子はどうだ?ハルノ。
 明日には退院との話だ。大したことがなくてよかったな。」
「‥‥はい。」
「うむ。
 ところで‥‥どうだァ?ハルノ‥‥このDIOは頼りになる父であろう?ンン?(ニヤニヤ)
 洗脳の際、存外精神の抵抗が激しかったせいで多少脳に損傷が出たようだが、知識や腕は概ねそのままだ。今後このままでもかまわんし、お前が不都合だというのならばそのうち引き抜いてやろう。何、承太郎にできてこのDIOに出来んはずはない。」
「‥‥別に刺しっぱなしでも結構ですけど。
 それよりも、次からはああいう事は先に言ってください。‥‥無駄に子供に不安を与えるのは、頼れる父親のすることではありませんよ。」
「んん〜?まさかこのDIOが、可愛い息子のいう事を信じずに敵地に送り込むような酷い父親だとでも思ったか?ん?
 ふふふ、そうむくれるんじゃあない、ハルノ。すまんな、少々冗談が過ぎたか?ほら、リンゴでも剥いてやるから、機嫌を直せ。」
「‥‥‥‥全く、これだから‥‥。」



(ふてくされジョルノと、父親ウン年間やってて多少は(ようやく)余裕も生まれてきたDIO様)









    


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 メディア展開も増えてますます好調のジョジョワールド。
 変わらぬ日常やりつつ、じわりとキャラを増やせていけたらと思ってます。