<年末の義務>
「そりゃあね、僕だって伝統を軽んじるようなつもりはありませんし、これが歴史と文化ある素晴らしい行事だということも分かっているつもりです。年の初めに親しい人に挨拶を送り、礼節を持って接する、良いことだと思います。
…………ですが、いくらなんでも組織の構成員全員に年賀状を送るだなんて無駄すぎるでしょう。僕ほとんど会ったこともないんですよ?」
「しょーがねぇだろ〜?お前が言ったんじゃねぇか、『前ボスの秘密主義な方針は廃して、もっとオープンな組織にしていくべきだ』って。
ただでさえお前就任したてで顔が売れてねえんだから、ここらで一発ガツンとアピールしとかないと。大丈夫だって、どーせパソコンでがーーっと印刷しちまうだけなんだしよー。」
「そんなこと言ったって、僕住所録の作り方なんてわかりませんよ。そんなに言うなら、ミスタ代わりにやってくださいよ。」
「馬鹿野郎、俺がわかるわきゃねーだろ?ブチャラティもその手のことには疎いし、ナランチャは当然論外だし。でも、全部フーゴとアバッキオにばっか任せるわけにもいかねーだろぉ?
ま、これも上に立つもんの仕事だと思って、諦めて頑張れや。」
「そんなぁ………。」
「まだよい方ではないか、ハルノよ………。
……なぁ、テレンス?やはりお前がさくっとプリ、ええと、プリントクラブ?だったか。あれで作ってしまうわけにはいかんのか?」
「プリントごっこ、ですよね。どちらにしても古いですが。
もちろん、宛名書きや裏面は一気に印刷するつもりではありますが、DIO様にはその後全ての葉書に一言書いていただきませんと。トップに立つ者として、部下に対してねぎらいの言葉をかけるのは義務のようなものですから。」
「ッ私の配下って世界に何万人いると思っているのだ!それら全員にそれぞれ一言考えて書けと!?やってる間に年が明けてしまうわ!」
「勿論、すべて違う言葉になさらずとも結構ですよ。多少の変化は必要ですが、『今年もよろしく』とか『仕事ぶりを期待している』『信頼しているぞ』程度でいいのです。ようはDIO様自らが部下に向けてお書きになった、という事実が重要なのですから。」
「しかし、それにしたって数が……。」
「はい、時間がないのは確かですからね。というわけで、今日からノルマ千枚でよろしくお願いします。」(ドサッ!)
「何ィィィィッ!?」
「時止めと、あとザ・ワールドの精密動作性及びスピードを利用すればかなりの時間短縮が可能なはずですから。なんとか30日までに間に合わせて下さい。
あ!それと、エンヤ婆やワンチェンのような特別な部下にはちゃんとそれらしい言葉を書いてくださいよ!適当に済ませると後でネチネチ言われるんですから!」
「WRYYYYYYYYッ!!無茶を言うな無茶をォォッ!!」
「…………………………。」
「………えーっと…………。」
「……………あ、神父に出さないとな、俺ら。」
「俺は出さねえ。」
「……ヴェルサス、意地張んなよ。お前、神父に出さないとマジで一人もいな………。」
「うるせえッ!!それでも嫌なんだよッ、畜生ッ!!」
「………上に立つ人って大変なんダナー。(棒読み)」
(諦めるな(友達いない)三人よ!まだジョナさん伯父さんがいる!)
<クリスマスイヴ・前夜>
「………去年はまぁなんとなく流しちまったけど、よくよく考えたら今年も貴重なクリスマスを彼女でもダチでもなく野郎だらけの家族5人で過ごすって俺ら……。」(orz)
「言うなってヴェルサス、そういうこと……辛くなるだけだろ。どの道今年もそうなるに決まってるんだし。な、兄貴?」
「あ、僕は違いますよ。明日護衛チームでやるクリスマスパーティに行ってきますから。」
「ええええええええ!?なんだよそれ!裏切りじゃねーかッ!!」
「兄貴の馬鹿野郎ッ!そんな奴だとは思わなかったぜ!」
「いや、夜にはちゃんと帰ってきますから……。」
「この卑怯者!コロネ!
つかイタリアギャングのくせにみんなで集まってクリスマスパーティやるとかありえねぇだろ!女か、女がいるからか!このリア充が!」
「や、だからそんなんじゃないですってば!
だいたい、今年だけじゃなくて去年も誘われていましたし!」
「んじゃ何で今年は行くんだよ!去年は別に出かけてなかったじゃねーかッ!!」
「っそれは………あの………
………去年は……初めて家族で過ごすクリスマスだったから………。(小声)」
「………え。」
「………………………。」
「………………………。」
「……………な、なんですか!こっち見ないでください!もう!」
(長男の貴重なデレシーン)
<餅>
「……あんこ。」
「きなこ。」
「磯辺。」
「砂糖醤油。」
「「「「……………………………………。」」」」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「…………ファイッ。」(カーン)
「誰が何と言おうと絶ッッ対あんこ!それ以外は全部邪道だオレは認めねぇッ!!」(ガスッ!)
「うるせええええンなクソ甘いもん食ってられるかああ!(ガッターンッ)
海苔と醤油だけっていうあのシンプルさがいいんじゃねえかッ、ベタベタ甘くしたらモチ食ってんのか砂糖食ってんのかわかんねーだろーがよォォォ!」
「そんなにシンプルがいいなら、もう何もつけずにモチだけで食ってろヴェルサスは!
ていうか兄貴、なんなんだよ砂糖醤油って!甘いのかしょっぱいのかはっきりしろよな!」(ばんっ!)
「しっかり味がついてないとなんか食べた気がしないんです!でも甘くないと嫌なんですよ!
リキエルこそ、きなこなんて結局砂糖と混ぜなかったら味なんかしないじゃないですか無駄なんですよ無駄!」
「んだとォォォォッ!!兄貴ッ、テメーは今俺と大豆を侮辱したッ!!」(ヒュンヒュンヒュンヒュン)
「あああああ!皆様落ち着いて……!
ヴァニラ!あなたもそこで煽ってどうするんですか!何ゴング鳴らしてんです!」
「……あの状況では、ああするのが最良の選択と判断した。」
「なにがですか!ちょっ、リキエル様、ロッズは飛ばさないで本当!
ああもうDIO様も、黙ってないで早くご子息を止めて下さい!」
「そーだ親父ッ!!親父は一体どれ派なんだ!
ちなみにここにきて大根おろし派とか言ったらマジでキレ………。」
「………………ぐっ………むっ……。」(顔面土気色)
「ぎゃああーーーーーッ!親父(約120歳)がモチ喉に詰まらせたぁぁーーーッ!!」
「ああああー!だから飲みこむときは注意してよく噛めよって言ったのに父さん!ちょ、誰か掃除機!掃除機ーーー!」
「むぐ、ぐぐぐむうんぐぐ、んぐ………。(いや、吸血鬼だし別段窒息とかの心配はいらないのだが、しかし苦しいことは苦しいし喋れないので、誰か水を……。)」
「どどどどうしよう!掃除機が見つかんねえ!つかあれ?ウチで掃除機って見かけたことあったっけ?」
「そういえば使った覚えがないような……!あのテレンスさん、この家の掃除機はどこに……。」
「申し訳ありません、大抵掃除はヴァニラのクリームに任せるか、ヌケサクが箒で行うものでして……。」
「ねえのかよ!マジかオイ、どうしたらいいんだよこういう場合!」
「んう、んぐぐんむうぐむう………。(いや、だから掃除機ではなく水を……。)」
「えーと、えーと、モチを吸い出すには掃除機が必要、でもウチは掃除機がなくてヴァニラが掃除機代わり…………ッてことは、ヴァニラに親父の喉ガオンさせてモチを取り戻せば解決じゃね!?」
「おお!それです!ベネです!」
「ウンガロお前マジ天才じゃね!?」
「んうーーーーーーッ!?(やめてーーーーーッ!?)」
(DIO様の生命の危機と引き換えに、息子たちの心が今完全に一つに!)
<雪の日>(無駄家族以外も出演)
「WRYYYYYYッ!!気化冷凍法ッ!
この凍りついた雪玉を食らって生存していられるかァァッ!?承太郎ッ!」
「やれやれだぜ…。いくら硬度を上げようと、当たらなければどうということもないぜ!」(ヒュッ!)
「ぬぅっ…!」
「次はこっちの番だな……。
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァッ!!スタープラチナ雪玉100ラッシュだッ!!」
「甘いッ!日傘バリアーッ!」(バスバスバスッ)
「親父ー、少しはこっちのかまくらも手伝えよなー。飲み仲間とはしゃぐものいいけど、兄貴やヴェルサスだけじゃ全然頼りにならねーし。」
「うるせーなァァァ、俺はパワー型のスタンドじゃねえんだよ。文句なら近距離パワー型の癖にパワーCの兄貴に言えよな。」
「ていうか、俺は?ウンガロ。もしかして戦力外通知?
なんだよ…お前だってそんなに雪運べてないくせに……。」(ぶつぶつ)
「父さーん、あんまりはしゃいで、日に当たっても知りませんよー。」
「うむぅ、出来れば私もそろそろ切り上げて家族団欒がしたいのだが……。
うおーい承太郎ー!いい加減、一旦休戦にしないかー?」
「テメェふざけんじゃねえそんな真似許すわけねぇだろうがァッ!!(マジギレ)
こっちは娘とも別居で、その上『雪降ったし折角だから女友達で温泉行って来るから』とか言われて親子の交流も出来ずにいるんだよ!
そんな中、テメェだけに家族との暖かな幸せ噛み締めさせてたまるかッ!なあディアボロ!」
「おうともよ!普段娘からないがしろにされる父親の悲しみがあんなやつにわかってたまるか!
我々の持てる力とこの雪玉で、必ずや奴の円満家庭も粉々にして………!
あ、ちょっとタンマ、凍死しそう…。ドッピオー、すまんがあったかいお茶ー。」
「はーい!そうじゃないかと思って、魔法瓶と一緒に上着も持ってきておきましたー!どうぞ、ボスー。」
「おお、流石だ私のドッピオ……お前だけが私を理解している……。」
「テメェも同罪だァァァァァァ!スノー・フィンガァーッ!」(←?)
「ヤッダァバアアーーーッ!!」
今日のディアボロ…なんかよくわからん新技を食らって死亡
「やれやれだぜ……やはりスペランカーなんかに期待しても無駄ってことか。
こうなりゃ、行け!花京院!」
「食らえDIO!半径20Mの雪玉スプラッシュを!」
「WRYYYYYYYYYYYYッ!!?卑怯なァッ!!」
「楽しそうだな、父さん……。」
「ま、向こうに意識が向いてる今の内に、こっちのワールド型雪だるま完成させちまおーぜ。」
(なんだかんだで仲良し。そしてウンガロって無駄に造型とか器用そうだ)
<正月の後>
「………父さん……。」
「……予感は、していた。しかし、まさかここまでとは……!」
「その、足元の体重計……。父さん、まさか……。」
「………考えてみればすでに、年末から罠は仕掛けられていたのだ。
クリスマスのターキーにケーキ、年越しそば。年を越えれば雑煮におせちにみかんとコタツ。
家でのんびり過ごすのが伝統だというから外で運動することもほとんどなく、ひたすら喰ってはまた寝る生活……こうならないわけがなかったのだ。ああしかし……!
違う、私は悪くない、悪いのは全てこの季節だ、私のせいではない……!」
「父さん……。それで、体重は。」
「………………………………………58kg。」
「……もうそれ、成人男性の体重でさえありませんよ。」
「私のせいではないのだ!全てはこの、冬という季節がいけない!
私だってあれから(<体重>参照)体調管理には気をつけていたし、ちゃんとうっかり生き血を飲まずに栄養失調にならないよう、食事の後にグラス一杯の血液を飲むよう心がけていた!
だが、冬の間はそりゃあもうがっつりと食べてばかりで、血液の入る余地などなかったのだ!それで、つい後回しにしているうちにずるずると………私は悪くないのだ!」
「父さん……父さんの言い分は一応わかりました。しかし、今父さんは全国の正月太りに悩む人々を敵に回しました。(僕ら含む)」
「ゆえにオレらは助けねぇ。ま、しっかりエンヤ婆ちゃんに叱られてこいよ、親父。」
「WRYYYYYY………。」
(ばあやのスーパーお説教タイムはっじまっるよー)
<3月19日>(他作品パロ。苦手な方は注意)
「ふわぁぁ……あ、はよ、兄貴、リキエル。」
「おはようございます、ヴェルサス。」
『……はい、気象予報士のウェザーさん、ありがとうございました。
それでは次のコーナーは、モハメド・アヴドゥルのファイアータロット占いです。アヴドゥルさん、どうぞー。』
『…はーい。皆さん、おはようございます。モハメド・アヴドゥルのファイアータロット占いの時間です。さて、今日の運勢は………ムゥン!!』
………えー、今日一番ついていない方は、6部キャラのあなたです!今日はなにをやってもうまくいきません。』
「げ、マジかよ…。朝からテンション下がるなぁ……。」
『特に、6部キャラで、ラスボスと敵対していて、今日が命日であるあなた。』
「……ん?」
『今日、死にまーーす♪』
「えええええええええええッ!?」
『幸運を切り開くラッキーアイテムは、DISCです。DISCに残った記憶から、誰があなたの命を狙っているのか察知しましょう。避けきれるとは限りませんが。』
「つかDISCって時点でモロバレだろ!どう考えても神父しかいねぇだろーがッ!!」
『それでは、素敵な一日を〜♪』
「送れるかァァァァァァッ!!
……ったく、なんつー不愉快な番組だ、馬鹿らしい……。大体こんなもん当たるわけがねーだろ、全くよォォ。世の六部キャラが全て消えてみろ、このシリーズも『無駄家族』から『無駄親子』に戻っちまうだろーが。なぁ?リキエル?」
すっ。
「……はい、これ。神父からこないだ借りたハレルヤのDISC。一応、お守り代わりに……。」
「………………。」
すたすたすた……
「………お守りって、何から守るっつーんだよ……。
リキエルも意外と心配性なやつだよな、なぁ兄貴?」
すっ。
「…………これ、ウンガロから借りているQueenのCDディスク。ウンガロには僕から言っておきますから。」
「………………。」
すたすたすた……
「……………ちょ、なぁおい……俺また死ぬの?ねぇ、俺また神父に殺されちゃうの?ねぇ……。
……………………親父ィィィィッ!!!頼む!頼むから助けてェェェェェェェッ!!」
(ヴェルサス命日記念。この後、同じ運命を背負うウェザーと色々騒動があったり、なかったり)
<桜伝説>
「桜の木の根元には……。」
「掘ろうか?」
「よせヴェルサス、すな。」
「なんでそういらんことしいなんだよお前は……。」
(死体発掘経験有、隠された過去なら任せとけ!)
<触れ合い>
べたべた。
べたべた。
「…………親父。うっおとしい。」
「……だって……だって……!
冬の間は抱きつくどころか、手を触れることも近づくことさえ嫌がられて……ああ、吸血鬼になどなるのではなかったと何度思ったことか…ッ!!」
「…そう簡単に一世一代の決断否定すんなよ。」
「しょーがねえじゃん、親父体温ねぇんだもんよー。急に触られるとひやっとするんだよ。」
「……春という季節が巡ってきて、本っ当によかった……!」(泣)
(夏はあんなに大人気だったのにねぇ)
<待ち受け>
「………………これ、僕写真持ってます。同じ構図で。」
「親父………自分の写真待ち受けにすんのだけはやめろ……。」
「っな、何故だドナテロ!折角必死に説明書呼んで何回も撮り直して、ようやく一番いい角度でとって二日がかりで壁紙設定したというのに!!」
「いいから即座に変更しやがれぇぇぇーーーッ!!!しかも自分撮りとか痛すぎんだろ!!!」
(ナルシス全開携帯)
<待ち受け・2>
「……………………親父、変更しろ。」
「だから何故だ!私の顔ではいかんとお前が言うから、あれからちゃんと別の写真に変更しただろう!?」
「だからってなんでヌケサク!!?」
「ピースが!ピースが余計むかつく!」
「せめて無難に風景とか同じペットでもペットショップとか色々な選択肢があったはずでしょう!!!」
「いや…ちょうど手頃なところにいたから……。撮ろうとしても飛び回っていて全てピンボケになってしまったペットショップと違って、ヌケサクは動くなといったらちゃんと動かなくなったし。」
「この機械音痴!!言ってくれりゃ代わりに撮るぐらいいくらでもしてやるんだから少しは被写体選びやがれ馬鹿ーーーーーッ!!」(ダッ)
「ああ!ドナテロー!」
(素直に息子達の集合写真に……は、出来ないんだっけ(無駄家族一話参照))
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節分の話ちゃんと用意していたのに更新できなかったのが心残りです…orz