<プレゼント>

「おかえり、兄貴。で、誕生日おめでとう。これ、プレゼントな。
 季節限定のさくらプリン。こないだ食べたいって言ってたろ。」
「ありがとうございます、リキエル。覚えててくれたんですね。」
「ああ。それと、冷凍庫にディエゴからのプレゼントも入ってるから。
 濃厚カタラーナだってさ。この間レースで行った辺りで評判の店があったから買ってきた、って言ってたぜ。」
「本当ですか?それは楽しみです。では夜にいただきますね。」
「お、兄貴おかえりー。オレからもプレゼントあるぜ。ほら、これ!
 ポムポ〇プリン!の顔のプリン!スゲェ―だろぉ?こいつも今日誕生日なんだってさ!偶然だよなぁ?」(U・ω・U)
「‥‥ありがとうございます、ウンガロ。しかし、あの‥‥。」
「あ、それとさ、宅急便も届いてるぜ、兄貴宛に。
 ジョナサン伯父からは、高級お取り寄せプリン。エンヤのばーちゃんからはロズビラバンっていうエジプトのライスプリン。んでディアボロからは手作りの焼きプディング。」
「ディアボロからまでッ!?
 もうこれお祝いじゃないですよね嫌がらせですよね!?」
「そしてッ!!発案者であるこの俺からは、バケツプリンをはるかに凌駕するこの物量ッ!!
 『ドラム缶プリン』だッ!!」

 ドドドドドドドドドドド
(※容器のドラム缶は使用前に厳重に洗浄・消毒してあります)

「ヴェェルサァスゥゥ――――――ッ!!
「スゲエwwwwwもはやプリン風呂wwwww」
「本当に作っちまうヴェルサスも半端ねぇwwwww」
「貴方って人は何考えてるんですか本当!食べ物粗末にするんじゃありませんッ!!」
「はぁ〜〜?何言ってやがる、どれも完食すれば全ッく無駄にはならねぇぜ?
 ほらほら無駄はよくないんだろォォ〜兄貴ィ〜?自分の誕生日に贈られたプレゼント、当然残さずひとりで食べ切ってくれるんだよなァァ〜〜〜?グフッ。
 今日ギャングの仲間からも、ネアポリスの有名ドルチェ店でプリン贈られたことは知ってんだよッ!この日のために散々根回ししてきたんだ、精々たっぷり味わってくれよなァァァ〜〜お誕生日サマよォォォォ?」
「ヴェルサス‥‥貴方、覚悟してきてる人ですよね?人を甘味地獄に叩き込もうとするってことは、逆に自分が無間地獄に叩き落されるかもしれないという危険を常に覚悟してきている人ってわけですよね‥‥。」(ゴゴゴゴゴゴ‥‥!)
「落ち着け兄貴ー、GERはよせって。」
「ヘッ、これが誕生日不詳の怒りだ!
 こっちは誕生日どころか生まれた年すら曖昧(1986年説と88年説がある)だってのに、家族で一人だけ誕生日が明らかになってるっていい気になってたな!いい気になってる奴は、俺の怒りとプリンを飲み込んでくたばりやがれッ!
 安心しな墓にはちゃんと『イタリアギャングボス、卵と牛乳と砂糖に散る』って文句とプリンのマーク彫り込んでやるからよォォォ。」
「‥‥‥‥‥ふっ‥‥‥見くびらないでもらいたいものですね。
 まさかこの程度で、この僕が!このジョルノ・ジョバァーナが、ひるむと思っているんですか‥‥?これしきのことでッ!
 ここまで阿呆な勝負を仕掛けられた以上、僕も引くわけにはいかないッ!
 いいでしょう!完食してやりますよ!ただし賞味期限いっぱいまでは粘らせてもらうし今後一週間ほど食事はすべてプリンの消費にあてさせていただきますッ!」
「栄養偏るぜー兄貴‥‥。」
「無理すんなー、ドラム缶は流石にオレらも手伝うからよぉー。」
「グフッ‥‥兄貴ならそう来ると思ったぜ。流石主人公様の精神力は伊達じゃあねえなァァ‥‥‥だが、これで終わりだとでも思ったか?」
「何‥‥!?」


(ガチャッ)
「おお、ハルノ帰ったか!丁度良い、今バースデーケーキが焼けたところだぞ!(うきうき)
 ドナテロたちから、今年のお前のリクエストは聞いていたからな。プリンケーキというものを作ったのは初めてだったが、なかなか良い出来に仕上がったぞ!さぁ全員食卓に着くのだ!
 ‥‥なッ、おいハルノッ!?どうした急に膝から崩れ落ちるとは!?具合でも悪いのかッ!?おいッ!!」
「‥‥‥‥‥‥‥‥父さん‥‥‥‥。
 『息子を疑わない』って例の誓い、例外作ってください‥‥‥!」(OTL)



(とうとう心折られるギャングスター)









<吸血・2>

「‥‥父さんが前に、血を吸うときは普通指を突き刺して行うって言ってたんだ。
 けどヌケサク、お前は承太郎を相手にしたときは噛みついて攻撃したんだよな?あれは何だったんだ?」
「何だった、と言われましても‥‥別に、指からしか吸えないわけじゃないですよ、リキエル様。指でも口からでも、どっちからでもいけるってだけで。」
「え、そうなのか?
 じゃ、単に父さんが指から吸血派で、ヌケサクは口から派だったってことか?」
「やー、そんなこだわりとか大層なもんじゃありませんて。単に承太郎の時はこう、皮膚も筋肉も堅そうっていうか、ゴツすぎて指じゃ刺しきれなさそうな感じがして‥‥ほら、下手に刺したら逆にこっちが突き指になりそうっていうか。」
「ブフォッ(きゅ、吸血鬼が突き指の心配してる‥‥w)」(プルプル)
「単純に、指からのほうが直接体内に入るんで効率がいいとか、そんな程度の違いだったと思いますよ。口からだと一旦胃袋に入る手間はありますけど、その分味がしっかり感じられるって面があるんで。
 DIO様だって、普段はもっぱら指からですけど、気分が乗ってるときには噛みついて吸血されることだってありますから。」
「へぇ、そんなもんなのか‥‥。ちなみに、気分が乗ってるときって?」
「そりゃ、大体ベッドのうe(げふんげふん、オホホーーン‥‥)ああーーっとォォ、すいませェん、度忘れしちまいましたねェェ〜〜。アハハハ‥‥。」
「(あー‥‥成程‥‥。)」



(くだらないことから生々しいことまで、意外と色々知ってるヌケサク)









<端午の節句>

「うおォッ、なんだこの匂い‥‥それに、この草の束?」
「あ、ウンガロ、すみませんがそれ適当に積んでおいてもらえますか?
 それ、菖蒲の葉です。一部は今晩湯船に入れて、残りは軒先に吊るすので。」
「あ、兄貴。あーそっか、今日こどもの日だっけ。兄貴手製かぁ?しかしいくら何でも作りすぎじゃねーかぁ?」
「この館は大きいですから、この位は必要かと。」
「まず軒先ってあんのかな‥‥‥あれ、つーかこれショウブなのか?花ついてねぇけど‥‥。」
「ついてますよ。その茶色の棒状の部分が花なんです。
 ああ、多分貴方が今想像しているのは、紫色の花がつくやつでしょう。それは『花菖蒲』と呼ばれるアヤメ科の植物です。
 菖蒲湯や吊るし菖蒲につかうのはこちらの『匂い菖蒲』といわれるサトイモ科の植物なんです。ほら、葉や根の付近に独特の香りがあるでしょう?この香りが邪気を祓うとも言われているんです。ひな祭りの桃の花みたいなものですよ。」
「ほー、邪気をねぇ‥‥‥。」


(ドアの外より)
『ふぁ‥‥ックチュン!』
『父さん、大丈夫?風邪かな‥‥Bless,you.』
『ありがとう、リキエル。‥‥今日は何やら、館の中に慣れぬ匂いがするものでな。吸血鬼は人間よりも五感の感覚に優れている故、少々鼻がムズムズするのだ。
 なにやら、この辺りは特に匂いが強‥‥‥ップシュン!』
『確かに何か妙な匂いがするけど‥‥そんなに辛いのか?』
『ぬうう‥‥しばらく出かけていようか。まだ日はあるが‥‥。』


「‥‥‥‥‥兄貴ー、ショウブの匂いで邪気っつーかわが家の邪悪の化身が追い祓われそうなんだけど、いいの?」
「‥‥‥すみませんがウンガロ、手伝ってください。これ全て撤去します。」
「へいへい。」



(節分といい、おちおち邪気も祓えないブランドー家)









<母親>

「あれ、ヴェルサス、父さんは?」
「さっきディエゴと買い物出かけたぜ。」
「あの二人が一緒に?珍しいですね‥‥。」
「それぞれ、こっそり一人で出かけようとして玄関でかち合って、あーだこーだわめいた挙句一緒に出ていったよ。目的地が同じ花屋だったんだとさ。」
「花屋‥‥?‥‥‥ああ、そうか。
 今日は、母の日でしたね。」
「ったく、なんであんな所だけ似てるかねぇ、あの二人はよォォォ。
 母親に感謝だぁ?馬鹿馬鹿しい‥‥。俺は死んでもごめんだぜ、冤罪の息子を欠片も信じず少年院に送り込むような女に、感謝なんざ。どの道、今どこで何してるかも知らねぇが。」
「‥‥僕も、母は既に他界していますから、縁のない行事ですね。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥。

 ‥‥‥‥‥『似てない』って言われたよ。何度も。」
「‥‥!」
「結婚するまで、何かにつけて繰り返し、呪いのように俺に向かってこぼしてた。ちっとも似てない、同じ所なんて精々首の痣しかない、ってな。
 結婚してからは、愚痴るどころか俺に目もくれなくなったが。」
「‥‥‥‥そう、ですか。」
「‥‥ヘッ、これも兄貴にゃ縁のねぇ話だったかね。」
「‥‥いえ、僕も‥‥同じことを言われてましたよ。似てやしない、って。」
「!‥‥へぇ‥‥。。」
「昔は、黒髪に黒い瞳だったので。元々子供に無関心な人でしたから、毎日というわけではありませんでしたが‥‥。」
「‥‥‥‥‥ふぅん。」
「‥‥‥‥‥‥‥。」
「‥‥‥あーあ、リキエル達はいいよなァァ〜。あいつら、母親に会ったこともないんだとよ。」
「‥‥多分、それも色々あると思いますがね。」



(たまには静かに話す年長組)









<手>

「指長ぇよなァー、親父‥‥。肌は男にしちゃちょっと白すぎるが、ゴツイし、がっちりしてるし‥‥爪なんかも意外とキチッと揃えてるよな。
 ‥‥あ、今日はマニキュア塗ってねぇ。」
「まぁな。あれは気が向いた時だけだ。」
「ふーん‥‥やっぱいいよなァァー、手がでかいとそれだけで男らしいっつーか、強い感じがするよな。俺も今からでも指伸ばしたりできねぇかな‥‥。
 ‥‥‥‥兄貴に‥‥いや、でもなぁ‥‥。」
「すげ替え手術はやめておけ、ドナテロ。
 それに、それほど気にすることもあるまい。お前の手とて十分‥‥。」(ぴと)
「うおおッ!きゅ、急に合わせてくんなよッ!」
「‥‥‥!‥‥‥‥‥。」
「‥‥あん?どうした、親父?」
「ん、いや‥‥‥その、な。少し驚いただけだ。思っていたよりしっかりとしていたのでな。
 つい子ども扱いしていたが、やはりお前も大人の男なのだな、と‥‥。」
「は、はぁぁ?当たり前だろンなこと、何言ってんだよッ!」(照)


「(‥‥‥危なかった。うっかり口に出すところだった‥‥『感触といい大きさといいプッチの手とそっくり』だなんて、言えば間違いなくドナテロを傷つけることになる‥‥!
  あくまでドナテロの心を守るため、ゆえに嘘や偽りではなく、ノーカウントということに‥‥。)」(ドキドキ)



(賢明なご判断ですDIO様)









<クライマックス>(アニメネタ)

「‥‥これより一ヶ月間、テレビの使用を禁ずる。」
「「「またかよ!!!!」」」
「どうした父さん!?出番これからだって時に!マリッジブル―ならぬ最終回ブルーか!?」
「まさか、公式ページの顔出し(微笑みドヤ顔)各所でネタにされたのがそんな嫌だったのか‥‥?」
「いや、そういう訳ではなく‥‥‥‥‥‥どうせ負け‥‥いや、その、どのみち見てもつまらぬだろうし‥‥。」
「何があった!?」
「親父大丈夫だから!オレらもうちゃんと結末知ってるから!!」
「つーか負けるシーン見られんのが怖えからって自分の一番の見せ場封印しようとしてんじゃねえよ本末転倒だろうが全くよォォォォ。」
「大切なのは結果ではなく、向かおうとする意思なんですよ。
 大丈夫、父さんの意思はちゃんと5部6部で、僕とかプッチ神父やヴェルサスたちが受け継いでいますから。」
「神父はともかく兄貴は受け継いでるとは言えないんじゃ‥‥。
 ともかく、ここまで来て最終ラウンドだけ見せないなんてのはナシだぜ。」
「‥‥WRYYYY‥‥‥。」(しゅん)



(突然のいじけDIO)









<クライマックス・直前>(アニメネタ)


※↑上記の数十分前

「ンッン〜♪登場シーンも完璧、顔出しによる話題も十分‥‥例の放送も、いよい大詰めだなぁ、なぁディエゴよ!」(上機嫌)
「例の‥‥?」
「そう、いよいよこのDIOの華麗なる活や‥‥!」
「ああ、お前が宿敵の子孫に散々してやられた挙句、真っ二つになって負けて灰にされる、あの最終話か。楽しみだな。」
「‥‥‥‥‥‥‥。
 ‥‥勝敗だけ見ればそうかもしれんが、そこに至るまでの、このDIOがいかにジョースターの一行を苦しめ、承太郎を追い詰めるかという‥‥。」
「過程や方法なんぞより、結果こそがすべてなんだろう?
 ああ、だが確かにあの無残な末路を知っていれば、それまでの調子に乗りっぷりも、より滑稽さを誘うって点で価値があるかもな。
 ジョルノ達もさぞ楽しみだろう、お前のマヌケな最期を見るのは。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」(がたん、と立ち上がる)

 スタ、スタ‥‥‥‥バタン。

「‥‥‥無言で出ていくか‥‥思っていたより効いたか?
 まぁ、少々言い過ぎたかもしれんが‥‥多少凹んでいてくれてた方が、延々浮かれているよりは静かでいいし、別にいいか。」



(いじけの真相。ディエゴ血も涙もねぇ)









<6月5日>

〜深夜、厨房にて〜


「‥‥‥真っ白の丸い帽子のようなレアチーズケーキ、サイドには二本のツノ‥‥のように見えるチョコレートの飾り。
 上には涼やかな、薄い青のゼリーを乗せる。中には丸くカットしたフルーツを二つ入れて‥‥そう、まるで、湖に沈んだ小さな丸い髪飾りのような‥‥。
 ゼリーを囲むように、三角錐の形のクリームで飾り付け‥‥ちょいとクリームの背を高くしたのと、位置が一か所に偏ったせいで、三角の白い頭巾をかぶった奴等が大勢集まっているようにも見えるかもなァ‥‥。
 更に、皿はこの巨大なシェルプレート!純白の貝の形の皿で一足早い夏らしさを演出!貝アレルギー?エキスは入ってないですが何か?
 とどめにケーキの横に、このッ!『一巡サブレ』(焼模様に潰れ神父顔)を添えてッ!!」

 ジャアァァ〜〜〜ンッ!!

「‥‥完ッ璧だ‥‥!グフッ、フフフフ‥‥!
 あとはこれを、いかにも有名店ぽいケーキの箱に入れて冷蔵庫に入れておき、『6月5日』とメモをつけておくだけ‥‥。
 明日親父がこれを見つければ、神父の誕生日のためにヴァニラあたりが用意したものと思い、教会へ持っていくだろう‥‥神父も親父がケーキ持参で祝いに来てくれたなら、大喜びで受け取るに違いない。そしてこのケーキだッ!!
 このヴェルサス手製の、対クソ神父用アルティメット嫌がらせケーキ!あの野郎のトラウマをふんだんに盛り込んだ、まさしく究極のお呪い菓子!親友から贈られた誕生日ケーキとしてこれを見た時のあいつの顔を想像しただけで‥‥グフッ、グフフフッ ‥‥!
 これが誕生日不詳の怒りだぜ、クソ神父‥‥グフッ、明日が楽しみだぜ‥‥!」




「ってそれがなんで俺らの3時のおやつに切り分けられて出てくるんだよォォ〜〜〜っ!!!!どういうことだよオイッ!!」
「な、何か間違っていたのかドナテロ!?
 これはお前が自分で作ったケーキだと聞いて、それならば是非家族全員で味わって食べねばと思い皆を集めたのだが‥‥。」
「えっちょっ、何で俺が作ったってバレて‥‥。」
「ドナテロ‥‥私は嬉しいぞ。お前たち兄弟は皆料理が苦手なのかと思っていたが、まさかお前が、こんなにも見事に菓子が作れるとは‥‥。」
「確かに旨いよなー、これ。ゼリーも甘すぎず、さっぱりしたクリームとも相性がいい。チーズケーキとゼリーって意外に合うんだな。」(もぐもぐ)
「オレはもうちょっとフルーツとかどっさり乗ってる方が好きだけど、まぁ甘いもんそんなに好きじゃないヴェルサスらしいケーキだよなぁ〜。」(まぐまぐ)
「や、別に‥‥味は流石に細工はしてな‥‥じゃねぇ、単にレシピ通りに作っただけっつーか‥‥(ごにょごにょ)」
「本を見ただけでこれほど上手に出来るとは、要領がよいのだろうな‥‥よしよし、ドナテロ、お前も座って食べるといい。今紅茶を淹れてこよう。」
「お、おう‥‥。(///)」


「(‥‥‥先日の僕の誕生日のような真似はさせまいと思ったのと、少々の仕返しのつもりだったんですが‥‥結局嬉しそうだな。しくじったかな‥‥。)」(むぐむぐ)



(嫌がらせ次男と密告長男。一応被害は防いだが、リベンジは不発)









<Question・2>

「親父って、何型の血が好きとかあんのかぁ?O型が美味い、とか。」
「特にはない‥‥というか、型で限定して飲んだことがないからよくわからんな。一目見てすぐわかるわけでもなし。
 AだのBだのよりは、健康で若いほうが好みだ。」
「シンプル―。」
「カーズ達も以前、黒人だの白人だのの違いよりは身の締まり方のほうが重要だとか言っていたな。」
「メーカーやブランドよりも肉質重視ってことかぁー。」


「その‥‥満月や新月の晩に力が弱くなったり、逆に力がみなぎったり、とかは‥‥。」
「‥‥日光は未だ弱みではあるが、月光は特に体調に作用したことはない。」
「だよなぁ‥‥。
 でも、月だって太陽の光を受けて輝いてるんだし、少しくらい影響があったりしてもおかしくはないと思うけど。」
「吸血鬼の肉体を崩すのはあくまでも太陽の直射だからな。反射光はよほど強くなければ問題ない、ということだろう。
 それに、そんなものまで作用していたら、私は昼どころかどの時間帯も外に出られなくなるぞ。」
「うーん、確かに‥‥。」


「霧とまで無茶は言わねぇ‥‥だが、オオカミとかコウモリに変身するぐらいならもしかしたら‥‥。」
「‥‥そちらのほうが難しくないか?
 悪いが、変身系はディエゴの担当だ。霧なら、多少無理をすれば‥‥。」
「できんのか!?」
「‥‥ストレイツォとかいう吸血鬼が、手榴弾で爆裂四散しても回復したそうだろう。あれのように、全身粉みじんになって四散し広がれば、再生するまでの間は紅い霧状になることも理論上は‥‥。」
「体張りすぎだろやめろ!!!」
「うむ‥‥私も自分で言ってて痛くなってきた。」


「招かれないと他者の家に入ることができない、とか言われますけど‥‥。」
「‥‥‥まあ、必要があれば普通に押し入るぞこのDIOは。」
「ですよね。一般の家どころか、神の家である教会にも忍び込んでたことがあるくらいですから。上院議員の車にも乗りこんでいましたし。」
「車は当てはまるのかどうか疑問だが‥‥まあ、たかが人間に伺いを立てなければ好きに移動もできんような貧弱ゥな存在とは異なるのだ、私は。それはともかく、ハルノよ。
 ‥‥‥‥お前たち、また私に隠れて吸血鬼もののホラー映画を見ただろう。」
「えっ。」(ドキ)



(わかりやす4兄弟)









<名づけ>

「親父って、自分の名前好きだよなぁ〜。
 苗字はもう使わねーのに、『このDIOが』ってのはしょっちゅう言うじゃん。」
「父さんの名前って、イタリア語だと『神』って意味なんだよな。」
「フフ、まあな。まあ、人間の頃から私に似合いの名ではあったがな。」
「兄貴の『GIORNO』ってのは『日』とか『昼間』って意味があんだよな。
 ヘッ、吸血鬼とは相性最悪な名前だなw」
「まぁ、そちらは後からつけた呼び名ですがね。本名の『初流乃』は、特に大した意味もなく、音と漢字の雰囲気だけでつけたようですから‥‥いわゆる、最近のキラキラネームというやつですね。」
「ふむ‥‥名前、か‥‥‥。
 ‥‥‥もし、お前たちが生まれた時からこのDIOの元にいたのならば‥‥私が、お前たちに名をつけたりしたのだろうか‥‥。」
「‥‥‥!親父‥‥。」
「名付け親は、第二の父ともいわれる‥‥だが、このDIOは、お前たちにとってただ一人の父でありたいのだ。‥‥所詮、仮定の話だがな。(フッ)
 だが、もしもそうなっていたなら、どんな名をつけただろうか‥‥ジョースターの血統の真似をするのは癪だが、『DIO』にゆかりのある言葉で統一するのも悪くない‥‥。
 名前とは重要なものだ。何にでも名前が必要となる。己とのつながりを明確にするために、言葉にするのだ。スタンド使いもまた、発現した己の能力にまず呼び名を付ける‥‥。」

「(ひょこ)あれ、でもDIO様のザ・ワールドって、エンヤ婆がつけてましたよね。」
「おお、ヌケサク。
 まあな、当時はタロットからつけるのが主流とかで、有無を言わさず決められてしまった。」
「てことは、実質DIO様がご自分で名前を付けられたのって‥‥‥『ペットショップ』ぐらいですかね?」
「ああ、まあ、そうなるな。」

「あっあのっ親父!俺の『ドナテロ』ってのは『神から授かったもの』って意味があるんだぜ!!
 ほら!もう既に親父と縁のある名前!これこそ運命ってやつだよな!だから変える必要ないぜ!(ボソッ)
「あっテメェヴェルサスズリィィーぞッ!?」
「畜生オレら語源携帯で調べてもブランドばっかり出てきやがるッ!
 えーっとあの、オレ自分の名前の由来なんか知らねぇけど、でも響きとか結構気に入ってるし、多分親父がつけていてもきっと同じ『ウンガロ』って名づけられてたりしてたらいいなぁーなんて!」
「うー、あー、以下同文で!」
「ッな、何だ!?お前たち、急にどうした?」
「(三人ともわかりやすすぎますよ‥‥いくら危機感抱いたからと言って‥‥。
  ‥‥しかし、名づけもセンスの一種なんだなぁ‥‥。)」



(途中までしんみりだったのにおのれヌケサクorz)









    


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 シリーズ系ネタをまとめてあげるか、これまで通り単発のネタと織り交ぜて発射するか‥‥
 悩んだ挙句にけっきょくまとめて先送りにするこの性格。

 そして、ひっそりと無駄ネタ通算400ネタ達成。