<嗜好>

「紅茶。」
「コーヒー。」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


「……私の思い違いであったか。確かお前はアメリカ出身などではなく、イギリスの競馬界の貴公子と言われていたはずだが。」
「イギリス生まれだからって、紅茶を飲まなくちゃいけないと誰が決めた?俺はコーヒーのほうが好きなんだよ。」
「…あんなドス黒い豆の煮汁なんぞを好んで飲むなど、理解しがたいな。伝統と誇りある英国人として、紅茶を嗜む程度のことは常識だろう。」
「ハッ、英国人どころか既にヒトでもないやつが何言ってるんだか。
 第一、歴史自体はコーヒーのほうが古いんだよ。あんなパンチのない葉っぱの出がらし、どれだけ飲んだところで飲んだ気なんかしないな。」
「ほぅ……言うな。来世といえども所詮は劣化、このDIOの全てを受け継いでいるというわけではないのだな。」
「俺も、お前のような前時代の遺物みたいなやつが前世だと思うと、非常に残念だよ。」

「いいだろう、表へ出ろ。」(ガタッ)
「上等だ。」(ガタッ)



「…多分、俺らの喧嘩って、ハタからみるとあんな感じだったんだろうなぁ…。」
「僕ら結構くだらないことで命かけてたんですねぇ。」
「客観視してみて、初めて分かることってあるよな。」
「あのぉ……それより皆様、DIO様達止めなくていいんすか?」



(ヌケサクごときでは止められない、ダブルDIO頂上決戦)









<接点>

「……結局、皆意外とディエゴと馴染んでますよね。」
「ああ、まぁな。
 ほら、ロッズも恐竜も太古の生物だろ?しかも、他者を操ることも可能っていうスタンド能力の共通点から、なんか色々話すようになって。」
「なるほど…。ヴェルサスも、最初は反発しどおしだったくせに、いつのまにやら。」
「なんかよぉ……最終決戦直前にラスボスに成り代わろうと挑んで、結局そのラスボスに殺されるっていう展開が、痛いほど共感できて……こう、親近感って言うかさぁ……。」
「ヴェルサス、泣くな泣くな。」
「ウンガロは……まぁ、元々ということで。」
「まあな……(フッ、と遠い目)逆に考えるんだ、イケメンだらけの中でハ虫類顔はむしろステータスだって考えるんだ。」
「泣くな泣くな。」
「弱りましたね……。もしかして共通の話題見つけられてないの僕だけですか?」
「あー、兄貴元々ギャングのチームでも愛想いい方じゃなかったらしいもんなー。」
「からかってきた先輩相手に真っ向から歯向かって『ただ者じゃない』アピールしたら、そりゃ絡みづらいよな。」
「だってさすがにアバ茶は……。にしても、本当にどうしましょう。GEで恐竜でも造ってみようかな。」
「そんなのより、兄貴とディエゴっていったらもっとわかりやすい共通点あるじゃねーか。」
「え?何です?」


  その後。

「……ディエゴ、ちょっといいですか?」
「ん?……なんだ、お前か。何か用か?」
「…………あの……………昔、前髪が二連コロネだったって、本当ですか?」(ボソッ)
「ッ!?お前、どこでそれを……ッ!!」



(天然かセットの差はあれど)









<ピタゴラ>

「「「おとーさんすいっちー。」」」


「ディオ・ブランドーだ。」
「ジョルノ・ジョバァーナです。15です。」

「お父さんスイッチ、『か』。」
「『かかったな、承太郎!これが我が逃走経路よッ!』」
「お父さんスイッチ、『き』。」
「『貴様、見ているなッ!』」
「お父さんスイッチ、『く』。」
「『苦痛は与えん!それが我が好敵手への最後の礼儀!』」
「お父さんスイッチ、『け』。」
「『けっこう!君の手は犬のヨダレでベトベトだァ!』」
「お父さんスイッチ、『こ』。」
「『この汚らしい阿呆がァーーーッ!』」

「お父さん、よくできました。」
「うむ。」



(ポージングまでつけてくれる高性能スイッチ。ちなみにタイトルコールしてるのは3兄弟です)









<喧嘩>

「WRYYYYYッ!!」
「KUAAAAAAAッ!!」
「WRYYYYYYYYYYYッ!!」
「KUAAAAAAAAAAAッ!!」
「WWRRYYYYYYYYYYYYYYYYYッ!!!」
「KUUUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAっ!!!」


「…ゼェ、ゼェゲホッ、ゴホッ……くそ、巻舌のしすぎで舌が疲れてきた……。
 どうも、WRYは威嚇には向いていない気がする……。」
「頑張れ親父ィ!生まれ変わりなんかに負けたら元祖DIOの名が廃るぜッ!」
「ていうか、生まれ変わりなのに二人とも掛け声は違うんだなぁ…。ディエゴ無駄無駄も言わないし…。」
「突込みどころが違うでしょうリキエル!ヴェルサスも煽らない!
 父さんもディエゴも、せめて喧嘩は人語でしてくださいッ!!」
「兄貴も違う!その前に喧嘩の方を止めようぜ!?」



(末っ子意外と冷静)









<冬眠>

「…………………(うつら、うつら)……………………(うつら、うつら…)。」
「………おい、ディエゴ。」
「(ハッ)ね、寝てない!寝てないぞ!?」
「……いや、別に寝ててもいいのだが……。
 まぁ、最近急に冷え込んできたしな。仕方のないことだろう。」
「肉体に影響を与えるスタンドって、こんな弊害があったんですねぇ。知りませんでした。」
「ていうか、トカゲって冬眠するんだっけ?兄貴。」
「トカゲなど、爬虫類の多くは変温動物ですから……けど、恐竜はどうでしょう。恐竜は恒温動物説も出ていますし…。」
「恐竜の場合、寒いと絶滅するんじゃねーか?」
「ええええええッ!?た、大変じゃないかそれ!?
 え、ええと、冬眠させないためには……そうだ!アラビアファッツ呼ぼう!館中くまなく照らして、温めてもらえばッ!!」
「待てそれ今度は親父が死ぬ。」



(DIO「私のほうが優先順位低いのか…ッ!(泣)」Dio「まぁまぁ…」)









<対立・1>

「ディエゴは、父さんのことが嫌いなんですか?」
「嫌い……というか、俺と似た顔がむかつく。」
「あ〜、いいなァ〜。一度でいいからそんなこと言ってみたい。オレなんか味わったことのねぇような苛立ちだ……。」
「……あと、顔は同じなのにあいつの方がやたらとマッチョなのもむかつくな。」
「ああ、そういやディエゴ結構細いもんな。」
「ジョッキーは馬に乗るから、体重制限もあるしな。にしたって、あの筋肉は異常だろ…。」
「大丈夫ですよ。父さん、首から下は自前じゃありませんから。」
「元がどれくらいあったかは知らねぇけど、とりあえず今のアレは他の奴から奪ってきたヤツ。」
「え、そうなのか?
 じゃあ、言ってみれば俺のスタンドと似たようなもん、ってことか?」
「あれ、そうなのか?」
「ああ。俺のスタンドは、昔俺を操りやがった男から奪い取ったものだ。
 俺のいた所じゃスタンドってのは砂漠か遺体で出すものだったから、おまえらみたいな生まれつきスタンド使いって奴はいなかったんだが……なんか、自分の能力が元は他人の物って言うのは、どうも言い出しづらくてな。」
「いいんじゃねーの、別に。親父もディエゴも『受け継ぐ者』じゃなくて『奪う者』なんだからさ。」
「そーそー。苦労して手に入れるまでのとこは人に任せて、俺らはそれをどうやって奪いとるかってことを考えようぜ。」
「そうか……それもそうだな。」
「…一応『受け継ぐ者』側でもある僕としては微妙に同意しづらい話ですね……。」(苦い顔)



(一家で唯一主人公な長男坊)









<対立・2>

「ディエゴも反発しちゃいるけど、親父も親父でディエゴ相手だと口うるさいよな。」
「む…そうだろうか…。やはり、自分の生まれ変わりというか、自分自身だと思ってしまうと、どうにも色々言いたくなってしまってな…。
 特に、一時期はラスボス最有力候補とまで言われていたというのに…やはり志が低くて抽象的だったばっかりに……ッ!!」
「抽象的…って、じゃあ世界征服って野望は具体的なのかよ?」
「すっ…少なくとも、『市長になって金持ち』などという野望よりは、規模も期間も十分だッ!!私はただ、このままではあいつが劣化版の私とか言われるのではないかと心配して……。」
「つかぬことを聞きますが、父さん吸血鬼になる前は将来何になりたかったんですか?」
貴族の家を乗っ取って金持ち!!」(きっぱり)

 ・・・・・・・・・・・・・・・・。

「WRYYYYYYッ!?ど…同レベルだとォ!?」
「今気づいたのかよ。」
「やっぱディエゴって、人間やめてるように見えて実は人間なんだなー。」



(元の形、基盤としては同じモノ)









<庭掃除>

「もうすっかり落葉の季節ですねぇ…。」
「…つうか掃いても掃いても終わらねぇ……やっぱこんなもんヴァニラかヌケサクにやらせりゃよかったじゃねーか、全くよぉォォォ。」
「駄目だってば。ヌケサクは昼間出られないし、ヴァニラじゃ絶対落ち葉ガオンするから焼き芋ができないじゃん。既に芋の準備もできてるってのに。」
「……イモといいクリといい、お前らの食い物への情熱はよくわからないな。」
「ディエゴも見てないで手伝えよぉー。
 …あ、そうだ。兄貴とかディエゴとかさ、知り合いに風を操るスタンド使いとかいねぇのかよ?」
「風?……いたかなぁ…。サンドマンとか、風の様に速く走る男とかならいたが…。」
「ああ、いい案かもしれませんね、ウンガロ。つむじ風で落ち葉を集めたり、突風を起こして樹から落ちかけの葉っぱをふるい落としたり。
 たしか、6部に天候を操るスタンド使いっていませんでしたっけ?」
「あー、駄目駄目。そいつ、ウンガロとヴェルサスが目ぇつけられちゃったから。」
「うう……畜生……。……あれ、でもなんか風限定の能力者ってどっかにいた気がするんだけどなぁ…。えーと、炎使いとか、磁力使い、水のスタンドに土人形……で、風の………。」


「流派・風!!
 奥義ッ、『神砂嵐』ッ!!!」

ビュゴオオオオオオオオオオオオオオッ!!!(突風&飛んでく落ち葉)



「(遠くから)こらーーッワムウッ!!貴様ッ、建物ん中から神砂嵐を撃つんじゃないッ!!」
「もも申し訳ありませんカーズ様!!日中外に出られない分、せめて掃除を手伝おうと……!」
「手伝うどころか消し飛んだではないかーーッ!!」



「「「「……………………………。」」」」
「………とまあ、あのように、特殊能力に頼ってもろくなことにならない、ってことだな。
 さ、お前ら。頑張って集め直すぞ。俺も手伝ってやるから。」
「……………うーい。」



(距離があったお陰で風圧ダメージはまぬがれた模様。よかったね!)









<指南>

『まず、この館でやってくためにも、いくつか必要なことを教えておく。』
『……はぁ。』
『まず、一つ。館の周りをうろちょろしてるやつがいたら、迷わず攻撃しろ。特に、館に入らずカメラを構えてたり電話をかけているようなやつは、持ってる機械から先に破壊しろ。
 次に、館の入り口に真っ直ぐ向かってくるやつの中で、格好が怪しい言動が怪しい顔が怪しいとにかく怪しい奴は、大体がDIO様の部下だから撃つな。不安に思ったら俺に確認を取れ。』
『は、はぁ…。』
『あと、家族の方には絶対攻撃するなよ。許可無く一撃でも加えたら即クビだと思え。この場合のクビってのは、解雇じゃなくて生首の意味だからな。
 …というか、聞くのを忘れてたが、お前戦闘とか出来るのか?普段どんな戦い方している?』
『い、一応、体当りしたり、あと、主人と共に恐竜になったりとか、色々と……。』
『ほぅ、変身か……まぁ、それなら大丈夫だろう。
 で、次に、これはかなり重要なことだが、犬は即攻撃しろ。絶対に館に近づけるな。
 ただし黒白のボストンテリアがたまにやってくるが、そいつには手を出さず見かけたら俺に連絡しろ。お前ごときじゃあいつはどうにもならない。』
『はぁ…わかりました。』
『最後に、時々館の前を通る斑頭の網服男は、特に怪しい言動がなくとも攻撃していい。戦闘訓練とか暇つぶしにも丁度いいぞ。
 あとしょっちゅう来る神父服の剃り込み男は、キモいしうっおとしいし出来れば攻撃したいんだがDIO様の友人なので許可されてない。だがお前は新入りでまだそのへんの事情を知らなかったってことにできるだろうから、今度来たら思いっきり攻撃してやれ。いいか、一撃で仕留めろよ。』
『ええと…………はぁ。』
『よし、以上が門番の基礎だ。
 とりあえずこれだけ覚えておけば、それほど致命的な失敗はしないだろう。まぁ、多少は俺もフォローしてやる。
 なにか質問はあるか?』
『質問、といいますか………その、そもそも自分、別に門番として雇われて来たのではないんですけど。』






「クェーーーーッ!!クエクエケ、クエクェエッ!?」
「うん?どうしたペットショップ。
 ………ああ、シルバーバレットのことか?あれはディエゴの愛馬で……………何?後輩ができたと思った?そりゃ、すまんことをしたなぁ。」



(こんだけ有能な番鳥がいてどうして門番を増やす必要なぞあるかと)









<『奪う』者>

「…やはり、会うのが早すぎたのだろうか…?
 どうにもディエゴと分かり合える気がしない…。」
「またケンカしたんですか?二人とも飽きませんねぇ。」
「WRYYY…。やはり、突然自分と同じ顔の者と一緒に暮らしてわかりあえと言っても無理な話だろうか…。ディエゴは相変わらず馴れ合う気はないようだし、どうも私一人が空回っているような気させする…。」
「……そうでもないかもしれませんよ?」
「なんだと…?ハルノ、どういうことだ?」
「最近ディエゴ、よく父さんのことについて尋ねてくるんですよ。スタンドのこととか、得意技とか。僕らだけじゃなくて、テレンスさんやヴァニラさんにまで声をかけてました。
 多分、彼なりに少しずつ歩み寄ろうとしているんじゃないですか?」
「何?…それは、本当か?」
「ええ。特に、最終決戦の辺りとか、ナイフ投げのこととかを、それはもう根掘り葉掘り。」
「……そうか……。な、なんというか、そう知ってしまうと、妙に照れくさいな……。」


バタム。


「む?お、おお、ディエゴ。……おや、どうした?私のナイフケースなんか持ってきて……。」
「ちょっとな……これ、借りてくぞ。」
「ああ、別に構わんが…。」
「(つかつかつか)あと、悪いがこれも借りてく。」(ぶちっ)
「えっ、ぶちって……………ちょっ、おい!?」
「じゃ。」(すたすたすたバタンッダダダダダダダダダバカラッバカラッバカラッ!!)
「ま、待てオイディエゴッ!!
 それ私のスタンド……ッ!!ディエゴ!?ちょっおまっ、待て!!それどうするつもりだ!?おい貴様何処へ行く気だ!まさか……ッ!!」
「大丈夫ッ!!ラスボスの生き返り(or変身)はニ回までなら許されるッ!!」(バカラッバカラッバカラッ!!)
「ちょっ……ディエゴーーーーーーーッ!!!!」





「…………………成程。今までのは、単なる情報収集だったんですね。」
「おのれ………ディエゴ……ッ!!」



(さっすがディエゴ!俺達に出来ない略奪を平然とやってのけるッ!そこにシビ(略))










    


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 本当に、連載中の物語の二次創作を扱うのは難しい。
 ということで一旦ディエゴは無駄家族離脱です。DIO様…あなたもあんなにハッパかけたりするからディエゴも意地になって……!
 ともあれ頑張れディエゴ!帰ってくる(=死ぬorz)その日まで待ってるよ!