その6.次回作について@



「そういえば、正式に制作決まったんだってね。『逆転裁判5』。」
「ああ、そうらしいね。」
「なんかさ、なんかさ、戦隊モノっぽくていいよね!特にこの、『5』ってところが!!」
「‥‥‥特にって、そこ以外あるのかい?戦隊モノっぽさが。
  それにしても、もう5作目か‥‥‥早いものだね。」
「まあ、続いてもらわなきゃ困りますよ。『新章突入!』のまま終わるなんてサビシすぎますし。
  それに、まだオレが弁護士になった理由だって明かされてないんですよ。そもそも、今回の主役自体結局成歩堂さんに美味しいところほとんど持っていかれちゃったし‥‥‥これで次回作がなかったりしたら、オレ、本当に負けっぱなしじゃないですか。」
「わからないよ?案外、弁護士に復帰した僕にまた主人公の座が舞い戻ったりして。」
「ぎゃーー!」
「こらこらなるほどくん、若い子をいじめない!
  ‥‥‥でも、きっと、『5』もこの5人で作っていくんだろうね。」
「この‥‥5人?」
「そう!おどろきくん、みぬきちゃん、がりゅう検事、あかねちゃん、それになるほどくん!
  新しい人も増えるかもしれないけど、基本はこの5人が中心になって、新しい物語を作っていくんだよ!」


「待った。
  真宵ちゃん、それは違うよ。‥‥‥‥5人じゃない、4人だ。」


「‥‥‥‥え?」
「『4』から『5』にかけて、必ず一人が抜ける。そうでなきゃ、いけないんだよ。‥‥‥‥オドロキくんのためにも。」
「成歩堂さん‥‥‥?まさか、さっきの話の‥‥‥!?」
「パパ‥‥!?そんな、やだよ!死んだり、いなくなったりなんて‥‥‥みぬきを、もう置いていかないで!!」
「死ぬことはないさ。亡くなったレギュラーメンバーなんて、千尋さんが唯一だろうからね。
  でも、側に居続けることはできない‥‥。主人公の成長のためにも、必ず、退場しなくちゃいけない。それが決まりなのさ。」
「そんな‥‥!!」





「‥‥‥仕方がないことなんだよ。
  避けては通れないものなんだ。‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥検事の退場は。」





「僕かーーーーーっ!!!」(ビシィィィッ!!←ツッコミ)

「師匠ポジションの話じゃなかったんですか!?」
「はっはっは、何言ってるんだい。君の先生だった牙琉霧人なら、もう退場したじゃないか。」
「いやいやいや!さっき成歩堂さんが次の師匠役だって‥‥‥‥!」
「それにしたって、僕だってすっかり引退した身だよ。今更退場なんてしてもしなくても同じさ。
  そうじゃなくて、毎回検事、というかライバルのキャラクターは交代しなきゃいけないものなんだよ。いわば、そういう伝統っていうかさ。
  いつも同じ人とのバトルじゃどうしたってマンネリ化するし、やっぱり新作には『ついに最強の敵が現れる!』ってアオリ文句があった方が燃えるしね。
  そもそもさっきも言ったけど、牙琉検事ってオドロキくんに全然敵意がないじゃないか。そんなんじゃ何作続いたってオドロキくんが弁護士として成長できないんだよ。」
「よかったー♪みぬき、またひとりパパを失うかと思ったよ。」
「はっはっは、バカだなぁみぬきは。パパがみぬきを置いてどっかへ行くわけないじゃないか。」


「認めない!認めないぞ、そんな『伝統』なんか!
  そんな、歴代と同じ『犯罪に手を染めるほどに弁護士のことを敵視している』キャラじゃないっていう理由だけで、いきなり一作だけで退場なんかさせられてたまるもんか!
  第一、僕が今ここで退場なんかしたら絶対『兄貴とセットで足切り』なんて言われるに決まってる!そんなのは絶対にごめんだ!」(ダン!)
「あの、牙琉検事、落ち着いて‥‥。その、興奮のあまり髪型が‥‥ドリルがほどけてますよ。」
「まさしく、兄の牙琉霧人弁護士そっくりになったわねー。」
「くそっ!!見ていろよ成歩堂龍一!必ず『5』でも生き残って出演して、お前の言うジンクスなんか打ち破ってやる!!」(ビシィ!と指つきつけ)
「イヤだなぁ、別に死ぬとか出演できなくなるなんて言ってないよ、僕は。
  ただ、失踪したり容疑者になったり冤罪着せられたり法廷に立てなくなったり失踪したり、あとは海外研修に行ってたりするだけかもしれないってだけで。」
「失踪2回言うなーーー!失踪多すぎなんだよこのゲーム!!」(注:御剣、舞子、2−4BadEndの成歩堂、そしてザック等)
「ま、まぁまぁ。どうせ最終話では大体出演できるんだから、そう気を落とさなくても。
 みつるぎ検事だってかるま検事だって、ちゃんと最終話では再登場したんだから!」
「そうだね。‥‥ま、狩魔豪検事やゴドー検事のようなパターンもあるかもしれないけどね。」(ニヤリ)
「くそーーっ!!お前こそ『5』で必ず被告人にして尋問してやるからなこの被告人経験3回元弁護士ーーー!!」(ダッ!)


「ああーー牙琉検事!待っ‥‥‥ああ、行っちまった。」
「‥‥実は4回なんですけどね。パパのヒコクニン歴。」(←学級裁判を含む)
「それに、次作に出て来られないのは最終話で有罪になった検事さんだけなのに‥‥もう!なるほどくんのいじめっ子!」
「あはは、ごめんごめん。
  でも、ほら、どうせ彼の出番が次作で激減することは既にアキラカなんだから、先にこれだけ言っておけば彼も傷が浅くて済むよ、きっと。」
「それって、これから怪我するはずの場所を先にフォークでえぐっておくようなもんなんじゃ‥‥。」
「あたしとしちゃ、あのジャラジャラにはウラミもツラミもあるから、カガク的に問題なしだけどね。さすがは成歩堂さん!」
「はっはっはっは。」
「ひ‥‥‥ひどすぎる‥‥!」






続く

          


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 注:この話は『5』の制作が決定した直後=『5』のゲーム情報がそれ以外一切ない時期に執筆したものです。(大事なことなのでもう一度言いました)



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