寝言で君が呼ぶ名前、それは僕ではなく
2・ギロロ
「とりあえず、貴様は死ね。」
「っていきなり!?始まってから一行目で死ね発言!?一体何事でありますか!」
「・・・先程、というか今、夏美がソファで眠っていた。」
「あー、最近部活の助っ人だなんだって忙しそうだったからねー夏美殿。お疲れだったのでは?」
「俺もそう思って、とりあえず風邪をひいてはいかんと思い毛布をかけた。」
「おお、赤ダルマにあるまじき優しさ。やっぱホレた弱みってのは強いねぇ。」
「黙れ。で、眠っている夏美が寝言で人の名前を呟いた。」
「ドラマとかだとそこで自分の名とか呼ばれてドキッとすんだよねー。」
「残念ながら俺ではなかった。」
「あ、じゃあやっぱりサブロー殿?ってそれでなんで我輩んとこ来んのさ。」
「呼んだのが貴様だったんだーっ!!」
「ええーっ!?」
「畜生!俺だってサブローであれば傷つきはすれども怒りなどせん!だが、だがよりにもよって貴様なんかに負けたとあってはおれの全存在を否定されたも同然だ!だから死ね!」
「いや待てちょっ・・・って今かなり失礼かつ理不尽な理屈を・・・。」
「貴様なんかに・・・貴様なんかにーっ!!」
「待てやオイ!夏美どのことだからどーせ『ボケガエル』とか呼んだでしょ!?それって絶対家事の催促かお仕置きかのどっちだから!ギロロが考えてるようなことある訳ないっしょ!?ね?だから銃しまって!」
「黙れ!確かに『ボケガエル』と呟いた直後にかけた毛布が八つ裂きになったがそんなこと俺にも今の話にも関係ない!」
「関係しまくりだって!っつーか我輩八つ裂き!?毛布とおなじ運命辿っちゃうの!?ディスティニー!!」
「やかましいわぁ!そこに座れ!同期のよしみで一瞬でケリをつけてやる!」
「八つ裂きの前に銃殺は嫌ーっ!!」
「1.力の限り隊長を殴る夢。
2.力の限り隊長を蹴飛ばす夢。
3.力の限り隊長に必殺技夏美ボンバーをくり出す夢。
4.実はラブく名前を呼んで愛情表現で隊長をシメた夢。
さて、どこに賭ける?クーックックックックッ・・・・」
「3番!ここは3番で決まりですぅ!」
「・・・・4番はあまりに哀れでござるよう・・・・」
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