来ぬあなたを待たねばならぬ






 来るはずないのはわかっているのに、それでも私はここに座っている。
 長い間、ずっと私は家の中で一人座っていた。

 最初は彼のことが心配で、何度も様子を見に行った。しかし、最初はどうにか気付いてくれていたのに、今はもう彼は私に気付いてくれない。
 彼の目に私は映りもしない。

 もしあの人がこのまま帰ってこなかったら。
 そうしたら、私はどうしたらいいのだろう?

 そもそも、私が彼を待つことに何か意味などあるのだろうか?




 答えは見つからない。
 それでも、私は彼を待ち続ける。






「ドロロ・・・・・・・・。」

 呟いた私の声は、小屋の窓から外に流れ、山の風に溶けてゆく。
 私はまた青い姿を頭に思い浮かべ、ため息をこぼした。

 つい最近罠にかかっているところを助けた、河童のようなカエルのような宇宙人。
 今はゼロ夜叉と一緒にボール遊びをしていて、3日ばかり家に帰ってこないあの宇宙人。

 今までもたまに遊びに熱中する事はあったが、今度のはもう隣で声を掛けても聞こえてすらいない。このままだとあと3,4日くらいは遊び続けそうだ。


「ドロロ・・・・・。いつまで、そうやって過ごすつもりなの・・・・・・?」


 ていうか私と骸が飼っていた犬なのに。何故そうまで仲がいいの?

 呟く事すら出来ない不満をため息に流し、とりあえず骸に愚痴でもこぼしに行こうと思い、私はやっと立ち上がって外に出たのだった。






end



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