その5 赤頭巾姫



 あ、ちなみに頭巾はシルク製ね。
渋「どこの世界に森までお使いに行くお姫様がいるんだよ・・・・。」
 うお渋谷、前回のとばっちりくらってボロボロだね。ツェリ様のムチはどうだった?
渋「お陰であちこちミミズばれ。俺なんかまだ軽い方だよ、元凶の勝利はともかく無関係のギュンターまで・・・・。」
 今二人とも寝たきりだもんねー。渋谷も傷が痛むなら休んでたら?
渋「・・・・いや、大丈夫だ。グレタの晴れ舞台を見るまで俺は死ねない。」
 親バカ炸裂だね!ま、今回の主役はグレタちゃんって最初っから決まってたしね。しかもなんと彼女は本物のお姫様!おお、今まで上映されてきた劇でお姫様役をお姫様にやらせた劇があったろうか、いやない!(反語)
ヴ「普通ないだろうが。」
ア「ほらグレタ、頑張ってくるのですよ。」
グ「うん、グレタ頑張るよ!」
渋「ああっ!なんだかまるで親子みたいなやり取りが父親である俺の目の前で!?」
 ちなみに今回フォンヴォルテール卿はグレタちゃんとなまえの表記がカブるのでお休みとさせて頂きます。」
グ「そんな理由で!?」
 あーほら勝手に発言すると読者の方が混乱するじゃないか。みなさーん、今喋ったのはグレタちゃんではなくフォンヴォルテール卿ですよー!
渋「いや、わかるって。口調とかで。
 キャラのなまえカブり討論は横においておくとして、あと狼役とお母さん役と狩人さん役とお花さん役とお婆さん役を決定したいんだけど。
コ「主人公以外全員ですね。」
渋「ってその前にお花さん役にツッコめよコンラッド!別にいらねーだろそんな大道具係!」
 いやー、せっかくだからキャストを増やしとこうかと思って。他にパンケーキ役とワイン役と石役もあるけど。
渋「全部食われて腹ン中入っちゃう役じゃねーか!?」
 小さい方限定ねv
ヨ「ってことは狼さんは腹か体のデカイやつッスね猊下。」
渋「本当に食べる気満々ー!!」
ヴ「僕はグレタの親役がいい!ユーリばかりに任せておけん!」
 OK。んじゃフォンビーレフェルト卿が母親役ね。狩人役はアニシナさんとヨザでジャンケンして。
コ「何故その二択?」
ア「じゃんけんとは陛下のお国の勝負方法でしたね。確か拳か平手か目潰しの三種類で勝負をするそうで。」
ヨ「・・・そんな危険な勝負でしたっけ?猊下に聞いた話だと、ぐぅがちょきに勝って、ちょきはぱぁに強くて、ぱぁよりぐぅが弱くて・・・。」
ア「なるほど。ヨザック、私はぱぁをだします。貴方はぐぅを出しなさい。」
渋「正々堂々八百長!!」
 さあ!どっちが狩人になって誰が狼になるか、それは本番のお楽しみ!それでは皆様、グレタちゃん主演『赤頭巾姫〜お姫様、初めてのお使いに忍び寄る影は一体!?森の中の惨劇!!〜』をご覧下さい!
渋「火サスかよ!」
コ「というか、タイトル長。」





グレタ姫





渋「もはやタイトルですらねぇ!」
 あ、気に入らなかった?『赤頭巾姫グレタ』でも良かったんだけど。
渋「いやそういう問題じゃなくて。」
 昔々、ではないけれど、あるところにグレタという愛らしいお姫様がおりました。人間だけど魔族の姫となり、皆に愛され幸せに暮らしておりました。
グ「・・・本気で眞魔国の童話を作る気だな、猊下は。」
渋「うどわびっくした!あーなんだグウェンか。『グ』って書いてあるからてっきりグレタがぐれちゃったのかと思ったよ。」
コ「猊下の仰ったとおりでしたねぇ。」
 しかし、お母さんからお使いを頼まれた時から、グレタの運命の歯車は狂いだしたのです・・・・。
渋「本気で火サスやんのかよ!!」
ヴ「ほらグレタ、このドレスを国外自由恋愛旅行に行っている母上に届けておくれ。道を間違うんじゃないぞ。というか母上は一ヶ所に長く留まっていないからまずは母上を頑張って見つけ出すんだぞ。それから寄り道をせずに、森の狼に気をつけるんだぞ。」
グ「はーい、いってきまーす。」
渋「初めてのお使いレベル高すぎだろ!!」
 こうしてグレタは野を越え山を越え海を越え、なんとツェリ様のいるはずの森に辿りつきました。
グ「えへ、途中でセミニョールとセミニョリータに乗せてもらっちゃった!」
渋「風使いならぬセミ使い・・・・ううう、うちの娘がセミの谷のナウ○カになってゆく・・・・。」
 グレタはよい子だったので道草もせずにツェリ様のいる山小屋にたどり着き、先回りして変装していた狼さんと会話します。
渋「うわー変装スゴ。本当にツェリ様そっくり・・・・ってか、グレタまっすぐここへ来たのに狼やっぱり先についてたんだ。」
グ「おばあさま、具合はいかが?」
ツ「あらグレタ、あたくしは大丈夫よ。ただちょっと舞踏会で足をくじいただけなんですもの、心配する事は無いわ。」
グ「・・・・違う!あなたはツェリ様じゃない!」
渋「グレタ気付くの早すぎだって!てかどうやって気付いたんだ?顔どころか声も口調もソックリなのに。」
グ「本物のツェリ様なら。グレタが『おばあさま』って呼んだ途端に激怒して立ち上がってくじいた足首を更に痛めて悲鳴を上げるはず!だからあなたはツェリ様じゃない!」
狼「・・・・・・ふふふ・・・・・よくぞ見破った!」(ベリッ!)
 ああっ!おばーさんことツェリ様の特殊メイクを剥ぎ取った!果たして狼さんの正体は・・・・!?
ア「・・・ヨザックったら何故ちょきを出すんでしょうねぇ?あれほどぐぅを出せといったのに。」
コ「ヨザック・・・・お前のその勇気を尊敬するよ・・・・。」
ア「グレタ、よくぞ私の変装を見破りました。流石は毒女の弟子ですね。」
グ「しょほてきなすいりだよ!それよりアニシナ、そのツェリ様の皮の作り方、グレタにも教えて!」
ア「よろしい!正確には皮ではなく仮面に近いものなのですが、とにかく早速城に戻って実験です!」
グ「はーい!」
とことことこ。
ヨ「ヨザック〜は〜木をぉ〜切る〜へいへい・・・・あり?アニシナちゃんたちはどこ行った?」
 こうして木こり(狩人?)のヨザックを取り残して、毒師弟は末永く仲良く暮らしましたトサ。(ちゃんちゃん)
渋「最終回こんなんでいいのかよーーッ!!」







おしまい


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