水とスタツアで10題
豆腐屋小町
1.雨
「待ておい!いくらなんでも水たまりはちょっと無理があるとか思い・・・ごぼばぁぁぁっ!」
ゴボゴボゴボゴボゴボ・・・・
「ま、水限定ってぐらいだし。雨の日外出できないねー渋谷。じゃ、僕も行くか。」
ゴボゴボゴボゴボゴボ・・・・。
2.ペットボトル
「うん、やっぱ夏はポカリだよね。」
「・・・・・・・・・。」
「あ、渋谷も飲む?」
「や、俺はどっちかってーとアクエリアス派なんだけど・・・。」
「えー?」
「・・・・・・・・・。」
「・・・何さ、その目つき。」
「いや・・・・何故に2リットル用の買ってくるかなー、と。」
「・・・・・・まさかと思うけど渋谷、スタツアの心配してる?」
「う、否定はデキマセン。」
「ばっかだなー、渋谷。いくらなんでもこんなもので移動できるかっての。
ホレホレ吸い込まれられるもんなら吸い込まれられてみな。」
「日本語おかしいって。」
3.噴水
ゴボゴボゴボゴボゴボ・・・・
「っぶばぁ!あー帰ってこれた。て・・・・え?」
ゴボゴボゴボゴボ・・・
「ぷはっ!なんだよ渋谷、どうかしたの?」
「いや、あの・・・・。」
ガヤガヤガヤガヤ。
「おーい、子供が浮かんできたぞー!」
「大丈夫かい、君たち。いきなり噴水に落っこちたらしいね。」
「2分ぐらい沈んでたなー。平気か?」
「おーい、救急車は呼ばなくてよさそうだぞー!」
「・・・・・・・・・えーっと、なんつーか、オオゴト?」
「渋谷・・・・次から、人気のないところ選ぼうね。」
「おう。」
4.如雨露(じょうろ)
「無理だっての!」
「お、学習したね。」
「そりゃーこんなゾウさんじょうろに怖がってたら水恐怖症になっちまうっての。」
「洗面器に顔漬けたりはするのにねー。」
「・・・うっせ。」
「でもさー渋谷。ちょっと大事な事忘れてなあい?」
「なんだよ一体。」
「ほれ。」
バシャッ!
「うわビックリした!何してんだよ村田!いきなりじょうろの水ぶちまけたりして・・・って、え?」
ゴゴゴゴゴゴ・・・
「ウソォ!」
「あー、やっぱりこの前の雨の日のこと忘れてたねー。ま、とりあえず渋谷がそんなに眞魔国行きたいってんならゴー!」
「えー!?」
ゴゴゴゴゴゴ・・・
5.風呂
カポーン
「ハー・・・やっぱ自宅の風呂はいいねぇ。何て親父クサイこと言ってみたり。」
カポーン
「銭湯も好きだし、お城の魔王サイズ風呂も好きなんだけど、一番落ち着けるのはやっぱり家の風呂!
うーん、俺って正しい日本人だなー。」
リリリリリー
『はーいもしもし、こちら渋谷ですー』
「大体さあ、野球練習帰りに村田と一緒に銭湯行ったりすると、確実といっていいほどスタツアっちゃうもんなー。いや別に眞魔国が嫌いって訳じゃないんだけど。」
『はーいわかりましたー少々お待ちくださいー。』
パタパタパタパタ・・・
「ゆーちゃーん!お電話よー!」
「なんだよお袋、さっきから電話してるなーと思ったら俺あてかよ!で、誰から?今あがるから。」
「うん、村田君からー。」
「なんだと?」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
「またかよ!わーお袋!後でかけ直してって言ってぇー!」
6.トイレ
「先生、最近俺ちょっと水洗トイレ恐怖症なんです。」
「ふむふむ。で、渋谷くん。その原因は?」
「ええと、どこぞの眼鏡君がいじめられてるのを助けたら俺が不良に絡まれちゃって、そんでもって何と不良さんが俺の顔を便器につけようとして、そうしたらなんかいきなり吸い込まれて異世界で魔王に就任しちゃったんです。」
「うーん、かなりの重症ですねー。」
「なあ、村田先生。」
「うん?」
「あの時の不良さん、最近俺頑張って再会を果たしたんだよ。」
「ほう、それで?」
「あれがお前の高校のクラスメイトでしかもお前の事崇拝してて『村田さんに頼まれて仕方なく』ってどういうことだこらぁぁぁぁっ!」
「うっわ小林も山本もそこまでバラしてんの!?」
「てめー!人の好意を利用するような事しやがってぇぇぇぇぇっ!殺してやるぅ!」
「わー待て渋谷君!話せばわかる!」
7.涙
「この前、夢を見ました。」
「毎度毎度どうしたんだい渋谷。」
「えーっと、俺が眞魔国にいて、うっかり仕事サボって逃げ出して、ギュンターが『陛下は私の事がお嫌いなのですねぇぇぇぇぇぇ』って言って泣き出して。」
「ああ、よくある風景だね。」
「一生懸命慰めるんだけど全然泣き止まなくって、涙が洪水みたいに部屋いっぱいになって、アップアップしているうちにスタツアしちまうんだ。」
「うっわー。涙のスターツアーズ。」
「で、ぐるぐる回りながら『あ、これでギュンターのお説教から逃げれた。ラッキー』とか思ってんだよ。」
「まあ妥当な考えだね。ところで君、その夢見た前とかに『鏡の国のアリス』読まなかった?」
「・・・実は読みました。今度眞魔国行ったらグレタに聞かせようと思って。」
8.シャワー
「じょうろの水でスタツア出来んのに、今さらシャワーとかの可能性に怯えたりするような無駄な事はしません。」
「おー渋谷、諦めがいいと男らしいよー。」
「てやんでい!煮るなり焼くなり好きにしろ!ただし刺身は駄目!」
「何故。」
9.霧
「渋谷、霧って言うのは一応水分だね。」
「・・・そうだな。」
「おーおーゲッソリしちゃって。でさー、もし僕と渋谷が霧の中迷い込んだら、スタツアできると思う?もしもできたら、それって異次元の穴が開いたみたいでかなりファンタスティックだよねー♪」
「そもそも日本の、それも埼玉に霧は出ません。」
「・・・ちぇー。」
10.海
「絶対!出かけるなら山がいい!」
「何言っているんだ渋谷!やはりここは海でバイトをしよう!」
「やだっつってんだろ!どーせ前回だってお前とスタツアしちゃったのに、どうして同じ過ちを繰り返さなくちゃいけないんだよ!山がいい山!幻のオオクワガタでも見つけてる!」
「渋谷は・・・・眞魔国が嫌い?」
「泣き落としで誤魔化そうとしても駄目だかんな!別に嫌いじゃないけどこうも行き続けてるといい加減離れたくなるんだよ!お前はそんなに行ったこと無いからわかんねーかもしれないけど、下水にでたりビール樽の中に出たりすることだってあるんだぞ!行きたくない!」
「・・・・・そうかい・・・・それじゃ仕方がない。山にしようか・・・・。」
「え・・・あの、村田さん?」
「その代わり僕も手段は選ばないよ。例えば静かな清流を見つけたら迷わず渋谷を突き落とすし、幻の秘湯があったら絶対入りにいくし、オオクワガタが樹液を飲んでいたらそこへ渋谷の顔を突っ込む。」
「・・・・・・・わかった。海にしよう。」
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はい、すいません。やっちまいました。しかも勝手に元お題とタイトル変えちまったよ。
ついでに『トイレ』は、アニメ及び裏マ聞いてる方はスルーしてやって下さい。
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