1.突発的家庭訪問
「(ガーップシーッ)クルルーっ!!いるかー!ちょっと貴様のラボの中見せてもら(カパッ)」
ヒューーー・・・・・・・
「隊長殿ーーーーっ!ギロロ伍長が、ギロロくんがいきなり落ちたでござるーー!!」
「ええいっ怯むなー!全員、我輩に続けーっ!!」
「りょ・・・・・了解!といやーッ!」(カチッ)
ビビビビビビビビビビビーーッ!
「ひゃあああっ!?おじさまー!ドロロ兵長がこんがり香ばしくー!てゆーか火気厳禁?」
「む・・・・・・無念・・・・・。」(プスプス)
「立てー!立つんだドロロー!ちょっと高圧電流流されてウェルダンになったくらいでくじけてどーするでありますか!!」
「た・・・・・隊長殿・・・・・・!」
「ここで我々まで倒れたら、出オチで散っていったギロロの死が無駄になるであります!さあ立って!立ちあがるんだドロロ!ここで負けたら男じゃない!」
「う・・・・・・・うう・・・・・うおおおおおおおおおおおっ!!ふりしぼれ拙者の中の何かああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」(ポチッ)
ズドボカァァァァンッ!!
「・・・・・・・・・あー、やっぱ散ったでありますか。」(外道)
「てゆーか、対人地雷?」
ズゴゴゴゴゴゴゴガガァンッ!
「おりゃあああああああああっ!!あんな落とし穴如きで初っ端からリタイアしてたまるくぁぁぁぁぁぁぁっ!!」(ピッ)
メシグシャァッ!メギョッ!グギャチャゲリョルガァッ!
「ああーギロロー!なんと華々しい噛ませ犬っぷりー!つーかすげー擬音だなオイ!」
「・・・・・・・・・・・・だーからやめようって言ったんですよぅ、僕は。クルル曹長のラボなんてどーせ悪意とカオスと死亡フラグしか詰まってないんですから。」
入り口付近の隅のほうでちゃっかり一人うずくまって避難したまま、タママはそっとため息をついた。
ラボの真ん中あたりではいまだに激戦地区さながらの惨劇が繰り広げられている。この分では生存者は限りなくゼロに近くなるに違いない。まあ無論死者など出ないのだろうが。
部屋の主のイヤミな笑い声がスピーカーから部屋中を満たす。が、多分聞こえているのは自分と、なぜかいまだに無傷なモアぐらいしかいないであろう。
「そもそも企画自体無理目って言うか、だいたいクルル曹長相手にいじるとかマジ無謀すぎるですしぃ・・・・・・・。ここは無難に汚れ担当なギロロ伍長のテントの中でも見学してりゃよかったんですよねぇ・・・・。」
なんとなくセンチに空なんか見たくなって、タママはそっと首を動かす。しかし元々ここは地下のラボであるし、そもそも爆煙のせいで天井すらほとんど見えない。
「あ、やっちゃったなクルル曹長。」
ただ一人まだ健闘していたケロロが、ちょうど今ガンプラの餌に釣られてネズミ捕りにひっかかっている。
それを見たタママは、立ち上がってそっと、しかし迅速に入り口へ向かう。先輩方には多少悪いと思うが、帰って西澤邸で高級おやつでも食べよう。
ラボを出る直前ちょっと振り返ると、既にモアが擬態解除をし終えたところだった。
End
------------------------------------------------------------------------------------
今日のクルルズ・ラボ:壊滅。
そこでケロロに手ぇ出しちゃ駄目だろ曹長………。
BACK