蛙 vs 猫
ダッダダダダーーン
ズズーン
ドゴーン パリーン
パラタタタタタタタタタタタ………
【ver KERON】
ドドドドドドドドド…!
「くそっ!滅茶苦茶に撃ってきやがる!
おいクルル!バリアは効いているんだろうな!?」
「一応やっちゃあいるがねぇ〜。だがこれだけの猛攻じゃ、日向家への被害を防ぐだけで精一杯だぜぇ?」
「十分……とは言い難いな。だが、この状況では仕方あるまい。」
ズズーーン……
「ううう〜……タママインパクトで反撃しようにも、全然攻撃の切れ目がないですよう!」
「てゆーか、無間地獄?」
「あーもー!こんな時に、軍曹さんは一体どこ行っちゃったんですかぁ〜!連れて帰ってきた人質を表に出して交渉するんじゃなかったんですかぁ!?」
「ク〜ックックックック……今外に出りゃ、よくて蜂の巣だからなぁ……タイミングでも見てんじゃねーかぁ?
第一、敵さんがこんだけあからさまに敵意むき出しの攻撃してくるんだ。交渉も何もあったもんじゃねーだろうよ……。」
「ああ。この攻撃の規模から見ても、恐らく敵に人質救出の意思はあるまい。どう見ても、俺たちごと人質も何もかも消してしまおうという魂胆だ。
全く、厄介な奴らに目をつけられたものだな。」
「てゆーか、悪逆非道?」
バシュウウウウゥゥゥ……ボォォーーン!!
「うわ、ミサイルまで!?どんだけ武装してるんですかあいつらぁ!!」
「さあな。そもそも、どこの星の奴らかさえ未だ不明という状態ではな……。」
「認証コードもなく、軍属でもなし。だってのに何故か武器だけは大量に所有。
姿かたちと科学力の面だけで考えりゃ、アイビョー星雲のキャット星人あたりが一番近いんだろーが……。」
「キャット星人は根っからの商売人だ。侵略を考えるような種族でもあるまい。ダガダ達のように地球に商売に来ることはあっても、得にならないようなことは決してしない。」
「そーゆーコト。こりゃ、いよいよ謎の一団ってことかねぇ〜ク〜ックックックックックック……。」
「御免!」(シュタッ)
「おお、ドロロ!待っていたぞ。敵勢の状況はどうだった?」
「厳しいでござるな……。
主戦力は二人、そのどちらも肉体の大半を機械化し、強化しているでござる。どちらも恐らく、容易には倒せぬかと。
……それから、相済まぬ。敵陣営を偵察した際に、隠れていたらしいもう一人に発見され、攻撃を受けたでござる。咄嗟に手裏剣で弾いたでござるが……手裏剣はこの通り、無事には済まなかったでござる。」
「うわっ!ざっくり……。暗殺兵の武器を切るだなんて、一体どんな武器を使われたんですかぁ!?」
「拙者には、ブーメランのように見えたでござるな。高速で投げられ、鉄さえ容易く切断するものではござったが。
恐らくあの者が、あちらの隊の暗殺兵と見受けられた。機械化はしていないようでござったが、実力は機械兵達に並ぶほど。つまり、実質敵は三人。これ以上争えば、双方に大きく犠牲が出るでござろう。
被害が広がる前に、即刻人質を彼らに返還し、休戦を結ぶべきでは……。」
「無駄だ。そんなことをしても、奴等はもう止まらん。俺たち全員を葬るまではな。
……敵が三人というのなら、むしろ好都合だ。こちらは俺達4人にアンゴル・モア。数の上では有利。
タママ!一気に距離を詰め、各個撃破するぞ!クルル、ドロロ!後方支援は任せた!モア、万が一の際にはお前に動いてもらう。頼んだぞ!」
「はいですぅ〜!肉弾戦ならまかしとけやゴラァ!」
「避ける道はなし……でござるか。ならば、拙者はかの暗殺兵を引き受けよう。」
「ク〜ックックックックック……。」
「……攻撃が弱まったな。ちょうどいい。ふ……久々に腕が鳴るな……。
いいか!夏美たちが学校から帰ってくる前に終わらせるぞ!」
「了解ですぅ!」「了解〜……。」「承知致した!」「了解!!てゆーか一触即発?」
「行くぞっ!!」
【ver CAT】
ドドドドドドドドドドドドド!!
「オラオラオラオラオラオラァーーーーー!鈴木を返しやがれコラーーーーーーッ!」
ズズーーン バーーン
ゴゴゴゴゴゴゴ……
「クローーーーーッ!!」
「どうしたーーーミーくんーっ!?」
「さっきから好き放題撃ちまくってるけどーーーー!いいのかーーー!?なんかあからさまに一般人の家を巻き添えにしてる気がするんだけどーーー!!」
「気にすんないつものことだーーーー!」
「そっかーそれもそう……………ってオイ!!
お前それ主人公の台詞かっ!?大体こんな攻撃してたら鈴木先生だってただじゃすまないだろーが!!」
「こんな程度でどうこうなる程軟弱じゃねーよ、あいつは。」
「こんな程度って、さっきからどんだけ撃ち込んでると……!」
「大丈夫だって。それに……あの家よく見ろよ、ミーくん。」
「え?………………げ。全然効いてない……。
成程、宇宙人の科学力ってことか。」
「そーゆーコト。こりゃ今回、相当手ごわいぜ。
ったく、ヤーヤーヤー星人といい、宇宙人って奴にロクなのはいねーな。」
「あの先生も、宇宙人に関わることに定評があるからなー。
おまけに今回の奴らはあからさまに武装していたし、多分ヤーヤーヤー星人みたいな、『実は平和主義』なんてオチも流石にもうないだろう。」
「キッド!!」(しゅたっ)
「マタタビ!何してんだテメー、こんなとこで。」
「御挨拶だな。あの教師が誘拐されたんだろう?拙者も助太刀に来た。」
「おめー、そんな鈴木と仲良かったかぁ?」
「単にいつも留守番で家直す担当なのが嫌になって混ざりに来たの?マタタビくん。」
「…………………。(図星)
それと、気を付けておけ。敵の中に一人厄介な奴がいるぞ。先程も、こちらを偵察していた。」
「何だと?」
「牽制はしたが、拙者のすてるすブーメランをなんなく弾いた。あの動き、気配のなさ……只者ではない。
鋭く軽い身のこなし、そしてあの武器……もしや奴は、既に失われたと思われていた『ニンジャ』では……!」
「なんで宇宙人でニンジャだよ。」
「だが、手裏剣で戦っていたぞ?」
「マジか。」
ピーピーピーピーピー
「お、剛君たちから連絡だ。
……………クロ、コタロー君によると、敵は特殊バリアを家の周りに張っているって。ただ、火力や爆発は遮断しているけど生命エネルギーを妨害する機能は持っていない……。つまり、僕ら自身はバリアを抜けることができるってことだ。」
「よし、なら強行突破だな。一気に突入して、鈴木をとり返すぞ。マタタビ、来るならお前も来な。」
「フン、久しぶりの共闘か。
……そういえば、なんでまたあの教師は誘拐されたんだ。」
「さあな。おもちゃ屋で急に連れ去られた。相手は緑色の、カエルっぽい奴だったな。」
「カエルか。確か拙者が先程見たのは青い影だったな。」
「剛君とコタローくんがさっき上空からヒロスエに乗って確認したときには、敵は四匹と一人だって。赤、青、黄色、黒のやつと、女の子が一人。緑色はいなかったって。」
「てことは、家の中ってことだな。多分そこに鈴木もいる……。」
ひるるるるるる………ッドォォーーーン!!
「うわっ!!撃ってきた!」
「反撃か!よっしゃあ!!そっちがその気ならトコトンやってやるぜ!!」
「ニンジャの相手は拙者がする、手出しはするなよ!」
「わかったわかった。んじゃ、いっちょ行くかぁ!!」
「「おう!」」
【ver ……?】
日向家地下、ケロロ小隊前線基地内にて。
「いや〜、いいでありますなぁ〜!夫婦そろってガンダム好きとは!やっぱ同じ趣味を持つっていうのは素晴らしいであります!
家でもこう、ジムとか呼ばれたり?」
「いやいやー、めぐみさんは最初っからぼくのことはイチローって呼んでくれてて…。
ジムってあだ名はあくまで生徒たちからですから。」
「ほほー。いやしかし、いいあだ名でありますなぁ、『ジム』。決して派手すぎず、それでいて不可欠なところが。
そもそも最近の子供はシードだのディスティニーだのダブルオーだのばかりでちゃんとモビルスーツの名前も言えないのではと心配になっていたでありますが、このような教師がいるなら、ペコポンもまだまだ安泰でありますなぁ!!……あ、そこのニッパーとって。」
「まったまた〜、褒めすぎですよーケロロさん!!あ、ニッパーどうぞ。」
カチャカチャ、カチャカチャ。
「それにしても、まさかガンプラを買いに出かけてガンプラ好きのペコポン人に出会えるとは。しかも、成人にもかかわらずアンチバリアが効かないというレアケース。」
「いや〜、僕もびっくりしましたよー。ちょっと遠出したおもちゃ屋でまさか宇宙人がガンプラ買っているところに遭遇するなんて。」
「の割に、結構落ち着いているんでありますな、スズキ殿。」
「あ、僕結構宇宙人の知り合い多いもんで。ヤーヤーヤー星人とか、元奴隷ロボットとか。」
「ほほーーう!!ヤーヤーヤー星人とな!?
あそこは技術は発展してるんだけど、平和主義と自称しながら結構排他的なところがあるんで、あんまし他の星と交流がないんでありますが……そっかー、ペコポンにも来ていたんでありますなぁ。流石ペコポン、懐が広いというか。」
「あ、ケロロさんたら、いいんですか〜?地球を侵略に来てるっていうのに、ヨソの宇宙人が来てること知らないなんて、あんまりお仕事してないんじゃないですかー?」
「ギクゥッ!い、いやいやいやいや、ペコポンは色んな宇宙人の遊び場でありますからなぁ!結構我輩達にも把握しきれないんでありますよ!」
「ホントかなー?まー別にいいですけど。あ、Eキャップそっちあります?」
「あ、どぞー。」
「どうも。」
カチャカチャ、カチャカチャ。
「ちゅーか、やっぱり動揺しないんでありますなぁ。普通ペコポン人がペコポン侵略の話とか聞くと怒るか何かするかと思ったんでありますが。」
「なーに言ってるんですか!素晴らしいじゃないですか、全国民がガンプラを称える世界なんて!いちガンプラファンとして、応援させてもらいますよ!
できれば侵略の暁には、小学校の授業にガンダムの歴史についての授業を組み込んでもらいたいなー、なんて……。」
「おーーそりゃもう!歴史どころか実技(ガンプラ製作)に社会見学(ガンプラ工場)まで義務教育化しちゃうでありますよ!」
「おおおーー!頼もしいーー!
………あ、そういえば……師匠に一言言ってくるのを忘れてた……。」
「ゲロ?師匠?」
「あ、僕の師匠です。一緒におもちゃ屋まで来てくれてたんですが、急に僕がいなくなったから驚いてるだろうなーって思って。」
「(おもちゃ屋で一緒……近くにはせいぜい黒猫一匹くらいしかいなかった気がするんでありますが……?まあいいか。)あー、ではコレ作り終わったら、基地内の通信機をお貸しするでありますよ。」
「ホントですか?ありがとうございます!
んじゃ、急いで仕上げちまいましょう!師匠のことだから、うっかり僕が誘拐でもされたと勘違いして乗り込んできたりしたら大変だ!」
「ゲロゲロゲロ、随分弟子思いな師匠さんでありますなあ!生徒さんからは親しまれてるし、スズキ殿の人徳でありますかな。
我輩も隊長として、それくらい部下に好かれてみたいもんであります……。今日だって4人とも会議の時間になっても全然来ないでありますし、全く中間管理職なんて世知辛いもんでありますよ。」
「わかる、わかりますよケロロさん。僕だって教師として、生徒と校長との間に挟まれることだって多くありますから。だいたい生徒だって本当に慕っているのかそれとも馬鹿にしているのか……。」
ズズゥ……ン……
「ゲロ……?何やら外が騒がしいでありますなぁ。
まーたギロロの奴が暴れてるか、タママがインパクト撃ってるでありますかな。家のモノ壊さないといいでありますが。夏美殿が帰ってきた時に怒られるのは我輩だってのに。」
「ちょっと揺れましたねー。まるで師匠が暴れてるときの爆発のような………まさかな。」
「お、我輩パーツ完成〜〜〜!!よっしゃあとは合わせ目消して塗装するだけ!」
「おお〜!さすがケロロさん、早いですねぇ!よーし僕も負けてられない!」
「ゲーーロゲロゲロゲロゲロゲロゲロゲロゲロ……。」
「あっはっはっはっはっはっはっはっは……。」
カエル(型星人) vs ネコ(のサイボーグ) vs (ガンプラ)オタク。
ある意味、オタクの勝ち。
End
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戦闘後、小隊4人からボゴベゴに殴られるケロロと、師匠からズタボロに殴られる鈴木の姿が目撃されたり。
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