<似ている二人>


「偶然が三度続くことはない、という言葉がある。
 たまたま、何の理由もなく、というのは、せいぜい2度までしかありえない。3回以上偶然が続けば、それはもはや偶然ではなく、必然だ。
 運命が繰り返し作用する、という事は、必ず何らかの意味があるのだよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ヴェルサス。この場合、特にそれがはっきりとわかる。何しろ、私と君の共通する部分は三つどころではないのだからね。
 他人の空似、という言葉もこの世に存在するが、身長体重どころか、足のサイズ、腕の太さ、味覚に血圧まで同じ人間が偶然存在すると思うか?
 双子でもない限り・・・・・・いや、双子でさえ難しいだろう。そして、私と君とは元々何の血縁関係も持ってはいなかった。
 この事実が一体何を意味するのか、お前にはわかるか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいえ。」
「いや、お前はわかっているはずだ。既にお前は理解している。お前は、私と表裏の関係にあるのだ。
 物事には常に意味がある。お前が私を写すかのように生まれてきたのは、理由があるのだ。DIOは、天国という目的の過程で私を知り、そしてお前を造った・・・・・・。
 わかるか?お前は、DIOが私の為に用意してくれた存在・・・・・・・・・・・・・・・・・なのだよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「それにもかかわらず、私の命令を拒み、私に逆らおうなどと・・・・・・いや、今はよそう。私が今お前に言いたいことはそれじゃない。
 つまり、お前は私と様々なことを共有しているはずなのだ。育ちが違うのだから、思考パターンまで同じというわけにはいかないだろうが、身体的な特徴は奇妙なほどそっくりだ。ウエストや腕の長さ、更には骨格だって似ている可能性が強いし、髪型すらとても近い。そして、それらはなんら不自然なことではないのだ。お前は、そうなるべくして生まれてきたのだから。
 魂の形である、スタンド像さえ、私達はとてもよく似ている。人型でありながら遠隔操作型、そして自我を持ち、本体にも語りかける所。全て同じだ。しかし、ある一点、ある一つの事柄だけが決定的に違っている。私は・・・・・どうしても、それが許せないのだ。
 何故だ、ヴェルサス。何故お前のスタンドは、そこだけが私と異なっているんだ?お前は私のために生み出された存在であるはずなのに、お前が私より優れている点があるなんて、そんな不自然なことがあるか?」
「・・・・・・・・・・?神父、さっきから・・・・・・何を言っているんだ?はっきり言わないとわからない・・・・・俺が、あんたより優れている点だと?」
「私が何年も耐え続けてきた苦しみを、お前が知らずに生きている。そんなことが許されるはずがない。私が、一体どれほど『あいつ』の存在に悩まされてきたか・・・・・・!」
「だから、一体何の話をしているんだよ?さっぱりわからない、理解できるように言いやがれ。」
「だから・・・・・・・・・・!!」





『ヴェルサスー。』
「あん?なんだよ、アンダーワールド。今、神父が小言垂れてる最中だから、少し黙ってろ。」
『ヒマ。穴掘ってもいいー?』
「好きなだけ掘ってろ。ただし、後でちゃんと埋めておけよ。」
『はーい。』


ザクザクザクザク・・・・・・


「ったく・・・・・・で、神父?何の話だったっけか?」
「だからっ!!何故、何故お前のスタンドはっ!!!どうしてお前だけっ!!!」





 神父、超頑張れ。





End





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アンダーワールドは絶対本体大好きっ子だ、と無意味に主張してみる。
だってお前、他人相手には「私の穴に土足で〜・・・・」とかカッコつけてるのに、ヴェルサスに言う時は「切断してくるよ」ってお前・・・・「くるよ」って・・・・。





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