・・・・・・・わ。




 ああ、あんさんどすか。一体またいつからおったんどす?
 まったく、黙って見とるなんて人が悪ぅおますなぁ。起こしてくれはってもよかったのに。
 一応勤務時間中やし、居眠りしとったわてに非があるんどすえ?



 ・・・・はあ?起こしとうなかった?・・・・・・・・変なお人やなぁ。






 あー、それにしても驚きましたわ。目ぇ覚ましたらいきなりあんさんがおるんやから。わて、昔から人が側におると寝られへん体質なんやけどなぁ・・・・・。
 もしかして、気配消しとったんどすか?・・・・・・・・・ま、そらそうどすな。昔やったらともかく、今は別に敵同士でもなんでもないんやし。


 せやったら、なんでやろ。
 あんさんだからやろか。


 ん?どないしはったん、そないに赤い顔しはって。・・・・・・・・・・はぁ、なんでもないんならええんどすけど。







 それにしても、あんさんもよう来はりますなぁ。いくらあんさんとことガンマ団がもう敵対しとらんゆうても、こないに頻繁に来て大丈夫なんどすか?一応確か、あんさん隊長格やったでっしゃろ。
 全く、おなごに重役任せるやなんて心戦組っちゅうんもどんだけ人手不足なんやか・・・・。第一、いっくらガタイがええからっておなごを殺し屋集団にスカウトするっちゅうその思考が理解できへんわ。

 ああ、べつにあんさんの職場馬鹿にしたっちゅうつもりやないさかい、そないに怒らんでおくれやす。
 ん?怒っとらん?

 せやったら、なんで赤い顔更に赤くしとるんどすか。いかに空気読めないわてでも、そのくらいのことわかりますえ。







 ああ、これどすか?
 別に、多いことあらしまへん。いつも通りどすわ。
 なんしろあんさんの兄も含めて、幹部ん中でマトモに事務仕事が出来るんがわてぐらいしかおりまへんしなぁ・・・・。いや、別に無理しとるわけやおまへんで?さっきのも、別に寝不足ちゅうわけやないんどす。単に一区切り付いたさかい一息入れとっただけなんやから。

 これもシンタローはんを支えるためや思うたら、この程度の書類なんともあらしまへんわ。






 それで、今日は何の用どすか?
 へ、やないでっしゃろ。わてに用があるからこっちに来はったんとちゃいますの?あんさんの兄やったら、今は新人の訓練の監督に・・・・・あ、もう会ったんどすか。
 せやったら、一体何の用事なんどす?
 ・・・・・・ないんどすか?
 ようわからんお人やなぁ、用もないんにわてのところ来たんどすか?
 まあ、ええどす。

 それやったらしばらく待っとっておくれやす。とりあえずこの一山終わらせたら、適当に付き合うさかい。





 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・あの、何どすか?
 わて人見知り激しいさかい、そないに人に見つめられると呼吸も止まってまうんやけど。

 ああいや、あんさんのせいやおまへんて。
 だいたいこないなもん眺めとっても退屈なだけでっしゃろ?



 ・・・・・・・・・・え?

 見とりたいってことどすか?せやけど・・・・・・・・・・。




 ・・・・・・・・・わてが仕事しとるから、どすって?










 ふふっ。
 なんどすの、それ。


 ほんにあんさんは、おもろいお人どすなぁ。




































「・・・・・・・・・・・いや、誰の話ッスか、それ。」
「だから、アラシヤマだよ。ここ10年の。」
「いやいやいや、だってそれ、声は同じでもむしろ『僕に釣られてみる?』な人じゃないですか。」
「なんども言わせんな馬鹿ヤンキー。この俺に同じことを3回以上言わせるたぁ随分えらくなったもんじゃねーか。」
「申し訳ありませんお姑さん。貴方こそ何年たっても鬼っぷりは健在なようで。・・・・・っつったって、アラシヤマも別人ならそれで黙っているウマ子も別人っつーか・・・・・。」
「まあ、そんな感じのやりとりがもうここ10年で日常茶飯事じゃったからのう。」
「んだなー。まさかオラたちも、あそこまでアラスヤマがニブちんとは思わなかったべ。普通毎日のように女子高生が自分のところ訪ねて来たらちっとは何か察するところがあってもえーのに。」
「ウマちゃんもあれで頑張ったんだっちゃよ?リキッドのときみたく暴力で解決することは滅多になかったし。まあ単純に、ウマちゃんがアラシヤマのこと、自分より強いから勝ち目がないと思い込んでたからってとこもあるけど。」
「ウマちゃん・・・・・・女子高生・・・・・・・・・・。駄目だ、その時点でお前等の考え方にはついていけねぇ。」
「気にすんな。俺はもう慣れた。それより、暴力なしってのは違うだろトットリ。俺が一体この10年の間何度吹っ飛ばされたと思ってやがる。」
「いやー、でもアラシヤマ自体が標的になるのって今日が初めてかもしれないけ?」
「えーっと・・・・・・一年が365日だべな。そこに10掛けて、んで更に3掛けると・・・・・。」
「ええー!!一日三回!?どんだけ吹っ飛ばされてたんスかシンタローさん!」
「やかましい!つか馬鹿かミヤギ!いくらあの怪物でも年中無休で来てた訳じゃねえだろうが!せいぜい一年に付き100日くらいだ!」
「だっちゃねー、んで一日5回くらいだった時もあったから、平均して4を掛けて・・・・・・。」
「・・・・・・・・・なんか、苦労なされたんですね。この10年。」
「・・・・・・まあな。担当だったお前がいないから身代わり立てることも出来やしねぇ。とっととくっ付いてくれるか振るかしてくれりゃこっちに矛先が向くこともなかったってのに、いつまでたってもあのネクラ気付かないどころか天然に口説くし・・・・。ツッコミ代わりにガンマ砲で灰にしようとすれば当然あの化け物も敵に回すことになるし・・・・・・。」
「だからシンタロー!人の妹をバケモン呼ばわりするんはやめいっちゅうとるじゃろうが!のうアラシヤマ!ぬしも自分の嫁さんけなされて悔しかろう!・・・・・・・・・・ん?アラシヤマ?どこ行ったんじゃあアイツは?」
「アラスヤマだったら、さっきウマ子ちゃんに引きずられてパプワ島一周ハネムーンにいっちまったべ。」




「あの、シンタローさん。」
「なんだ、家政婦ヤンキー。」
「俺、なんつーか今の話でアラシヤマに対する同情が完全に消えたような気がするッス。」
「してたのか?同情。」





END


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なんかオチの部分がやたらと読みにくくなってしまったのは仕様です。番外読んでからの脳内設定ぶちまけたら何故だか長くなりました。
あと方言が超絶適当なのも仕様です。伊達衆の会話部分はフィーリングで区別して下さい。

大体脳内でのガンマ団空白の10年間は、ウマ子⇒もぢもぢ純情片思い(暴力は一時封印)、アラ⇒鈍感×天然口説き×ネクラ、んで周囲の方々は大体やきもきしたりイライラしたり。心戦組も特戦も巻き込んで、みんなして10年延々と二人を応援してたらいいじゃない。

妄想だよ!どうせ妄想だよ!あはは!聞き流して!
でも当サイトのアラウマはこれで攻めます。天然×純情。あらやだ普通の少女漫画みたーい。(外見以外な)





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