7 「すいません、スイマーに襲われました」




ガタァッ!

「お、おい、どうした村田!?」
「動くなぁ!」
「うっわどうしたよ村田!いきなり椅子から転げ落ちたと想ったら更にいきなり叫ぶだなんて!ちくしょう我ながら説明台詞だなオイ!」
「自分ツッコミはいい!それより僕に近付いちゃいけない渋谷!でないと君にまでスイマーが襲う!」
「え、睡魔?なんだよ授業中なのに眠くなったならそう言えよ。保健室行くとかいろいろあるし。」
「違う!そもそもボクはそんな保健室なんていう恐怖の巣窟なんかに行くつもりはない!」
「いや何ゆえ恐怖の巣窟。大丈夫だって。ギーゼラ先生優しいし事情を話せば少しぐらい寝かせてもらえるって。」
「だから違う!僕は睡魔ではなくスイマーに襲われたんだ!」
「は?スイマー?って、あの泳ぐやつ?」
「そう。しかもボクを襲ったのは特殊スイマー『S・U・I・M・A・R』だ!」
「読みづらっ!いやそーじゃなくてなんだよそれ!」
「特殊スイマー『S・U・I・M・A・R』、長いので略してスイマーは肉眼で観測できないほど小さい。しかしその小ささを生かして空気中の水素の中でも泳ぎまわれるという世界最小スイマーだ。」
「ちいさっ!っつーかもう人間じゃないし!」
「そして特殊スイマーの能力は気付かれないように人間の体内に侵入し、内部から人間の脳を破壊してゆく事!」
「危険だなオイ!いや待て、村田お前脳を破壊されたのか!?」
「とはいえ別にスイマーの目的は人間を暗殺する事ではない。彼ら妖精スイマー族の目的は人間の動きを止める事。そして奴らの野望は人間が全て止まっている隙に全世界を支配する事なのだ!」
「妖精だったのかスイマー!?世界制服もくろむにはちょっと小さすぎるだろ!」
「ああ渋谷、ボクを心配してくれる君の優しさは素晴らしい。だが来ては駄目だ。さもなくば君もスイマーウイルスに感染しスイマーに支配されてしまう。犠牲になるのはボクだけで十分だ。だから渋谷、君だけでも助かって・・・グー。」
「要するに寝てたんだなお前は。」




「話が盛り上がっている所を済まないが、今は歴史の授業中なのだが。」
「ああっ!グウェンダル先生すいません!今すぐこのバカ眼鏡を保健室に放り込んできますんでどうかお許しを!」
「うーん・・・保健室はいやだぁ・・・鬼軍曹殿に怪しい薬をうたれるぅぅ・・・。」
「やかましい!もし俺が単位落としたらお前のせいだからな!」
「じゃあ僕がカモノハシになったら渋谷のせいだぁぁ・・・。」
「寝ながらしゃべるな!」



おひまい


BACK